遠野放浪記 2013.05.02.-07 桜 | 真・遠野物語2

真・遠野物語2

この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

いつもならば仙台で丁度お昼時を迎えるのだが、今日のおべんとうは既にさっき食べてしまった。

しかしそれならばおやつを食べれば問題ないので、列車待ちの間にコンコースで良さ気なスウィーツを物色。やがて目に留まった仙臺まるバーガーなる新名物を買ってみることにした。

これは2011年に新登場したスウィーツで、バーガーと言いつつ実際はシュークリームとパンのあいのこのような存在。食べ応えがある生地に包まれたチョコレートクリームが何とも言えない幸せを口いっぱいに運んできてくれるぞ。


見たところ今日は既にチョコレートしか残っていなかったが、他にもカスタードクリームや、カレーピロシキといったおかずバージョンまで存在するらしい。仙台では毎回列車待ちの時間が長いので、今後足繁くコンコースの出店を覗いてみよう。


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仙台を出発したのは、もう15時近くになってからだった。

少しずつ太陽は傾き始め、まばらに水鏡が張った東北の大地を眩しい西日で照らしている。

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空の青は朝よりも濃い。

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車窓に現れては消えていく、夜を待つ街々。

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やがて家も疎らな宮城県北へ……。

新田駅から見えるのは、白鳥の楽園である伊豆沼。冬でも滅多に凍結することが無いため、多くの渡り鳥が此処で冬を過ごしていくようだ。

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あたりには街も何も無い。きっと此処では人と動物の営みが同居できる、現代の日本では稀有な環境なのだろう。

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列車は小一時間走り、小牛田駅に到着。

他の路線との待ち合わせ時間があるものの、今回は乗り換え無しで一ノ関まで行けるので、非常に楽だ。

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小牛田から先も、静かな春の風景が続く。

田圃に水が入っている場所が、福島に比べてかなり多い。

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傾きかけた太陽の光を受け、少しだけ儚げな横顔を見せる東北の大地。

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もう間もなく宮城とお別れ、北東北の一丁目一番地である岩手に戻って来たのだ。

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石越駅で宮城県に別れを告げ、油島駅からはいよいよ岩手入り。

此処まで来ると、旅の初日のゴールが見えてくる気がする。

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清水原駅のホームでは、年老いた桜の木が控え目な花を咲かせていた。

まだ寒い日が続くとはいえ、春はもう北東北にもやって来ている。

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乗り換えは後2回、これだけ長い時間列車に揺られていると、到着と共に旅が終わってしまう気がして、少々寂しくなる。勿論そんなことは無いのだが。