遠野放浪記 2012.12.23.-10 ひと夏の経験 | 真・遠野物語2

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この街で過ごす時間は、間違いなく幸せだった。

宮守市街地の南西には、花巻との境界となる砥森山が聳えている。法華寺砥森神社といった街から近い史跡も多く、かつて足を運んだ日の記憶が鮮明に思い出される。


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宮守川を渡ると、市街地を離れて宮守の外れへ向かう寂しい道が続く。

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釜石街道に比べてかなり雪が残っており、空気もここから少しずつ山深くなっていく。

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急な坂道を暫く上っていくと、やがて笠平地区に差し掛かる。

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静かな街で、今日は外を歩いている人も見当たらない。

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坂の頂上から振り返ると、遠くに市街地が一望できた。体感した以上に坂道が長かったことがわかる。

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笠平からさらに先へ進むと、また家も何もない寂しい道になる。山陰からは抜け出したためか、この道の雪は殆ど姿を消していた。

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道端には畑や水田があるので、人の気配が全くしないというわけではない。しかしこの時期は農耕もお休みとなるため、やはり道の雰囲気はかなり寂しげだ。

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やがて分かれ道に差し掛かる。ここを左に曲がると田瀬ダムへ、右に曲がると銀河の森総合運動公園を経て市街地に戻る。

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今日の目的地は市街地に戻る道の途中にあるので、ここは右に曲がる。また少し急な上り坂が待っているが、メゲずに歩いていく。

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坂を上り切ると視界が開け、左手に大きな建物が姿を現す。

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諸理由から、地元民ではない人間がここを訪れることを快く思わない人がいるかもしれないということは、重々承知している。

しかし俺の記憶にあまりにも強烈な印象を残し、あの夏を閃光のように駆け抜けていった彼女たちの原点であるこの場所に、俺はどうしても足を運びたかった。