「現実的なハッピーエンディング。」
今頃見てる自分も自分ですが、仕方ない・・・約2ヶ月のブランクを1月1日に再開したんですね。
いーっぱい見なくてはいけない映画があるわけですが、最初に選んだのがこの
「プラダを着た悪魔」
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世の中では色々言われるもんですが、その中で
「このストーリーはハッピーだけじゃない」「もしかするとむしろ厳しい終わり方」「波乱がいっぱいで面白い」・・・・etc.
などということを聞いていて、実は「硫黄島からの手紙」よりも気になっていたのでした。(すんませんねぇ~、年の初めなので、やっぱりカラリと笑いたいという欲求もあるもんで)
実は既に渋谷などでは、1館どころか、その一時間帯のみでしか上映してないので、仕方なく新宿へ足を伸ばしました。新宿だと武蔵野館で上映しています。その他はシネマぴあ でも見てください。
さてさて、本題!
とにかくすばらしい!!
アン・ハザウェイに共感を呼ぶことが多いでしょうが、それよりもメリル・ストリープの怪演・・・これがピカイチ。世に社長業のことを言う人は色々いますけど、実は人間的な社長の描写はこれが一番合ってます。(あ・・・編集長ですけどね。まぁ、この際細かいことは必要ないと僕は思います。)
あのメリルの演じる円熟の大人がいなくてはこのストーリーは成立しない。多分仕事とかビジネスとか言うものが人生に対してはかくも侵食してくる麻薬のような、そういうものであることは、メリルの演じるメランダでなければ無理だし、最終的にそこに侵食されきる前に覚醒してしまうアンディーとの対比を描くためには必要なキャラクターだったはず。
でも本当はアン・ハザウェイ演じるアンディーは気づいたはずなんです。ただ、まだまともに向き合ってない。ビジネスという麻薬の魅力と、それに侵された状態のそれぞれの至福感というか。そこを突き詰めたときに置きうる状況とか。
そして、そこを軽やかに流してエンディングをおしゃれに締めくくるには、必然的なモチーフだったのかなと。ファッション誌という業界で、かつPRADAですからね。
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アン・ハザウェイの変身ぶり、本当に見事でした。最初に面接でNo.1ファッション雑誌のRunway誌の編集部に足を踏み入れる時の、6号(もっとやろ?)の着膨れ感タップリ&髪の毛が多すぎてどーんと重い感じで、いかにも垢抜けない優等生が、あるきっかけを境にブランド物に身を包み、颯爽とNewYorkerになるわけです。成功への切符の第一歩かのように。
そうね、いうなれば、クラスで一番のメガネブス(今でこそメガネはポジティブアイテムですが)が、夏休み明けたら軽く髪の毛が明るくて、コンタクトに変えて、・・・めちゃかわいいやん!!みたいな。
そして、その「きっかけ」がまたすばらしい。社会人なら必ずテーマになる「仕事は過程じゃなくて結果だ!!」といわれてしまう典型のような事例で大失敗するんですね。開き直ってブレイクスルーするきっかけになるんです。(ま、だから優等生なんですよ。そこでめげたら、それは優等生じゃないですからね!!)
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Rentに出演していたトレイシー・トーマスが出てました。アン・ハザウェイ演ずるところのアンディーの親友のフォトグラファー(?)のようですね。今回も彼女はスパイシーな活躍をします。実はアンディーとその恋人の間に生まれていた精神的溝を一気に崖にまで広げる役目です。強烈です。今回は歌はありません。(当たり前ですが・・・でも歌声が綺麗ですよね~)
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メリル・ストリープに関してもう一つ。
一番今回の映画で好きだったメリルは、実は一番最後の微笑みです。
多分、「あなたも今にわかるわ。がんばりなさい。しっかし、あんたも大胆よね~」的な感情がこもった、やや「ヤレヤレ」にも似た諦めのような微笑ですが、こういう微笑みはメリルの美しさなんだろうなと。
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まだDVDは当然出てませんが、サントラが秀逸だと思います。多分ドライブにも合うかなと思います。
天気のよい日の、これから始めるぞ!って時には是非。
- サントラ, マドンナ, ビター・スウィート, U2, ジャミロクワイ, アラニス・モリセット, モービー
- プラダを着た悪魔
え?読書の冬休みですか? じゃぁ、本も出てるみたいですよ。
- ローレン・ワイズバーガー, 佐竹 史子
- プラダを着た悪魔