カパンディ、今日は長めです。
「椎間板に加わる力は,仙骨に近づくほど増加し,かなり大きいものとなる.
しかし現在のところ,椎間板に加わる力に関して解明されているのは長軸方向の圧力のみである.椎体面平坦部が椎間板を圧迫したさい,髄核がその力の75%を,線維輪が25%を受けることがわかっている.したがって,20kgの力が加わると,髄核が15kg,線維輪が5kgの力を分担して受ける.しかしながら水平面で,髄核は線維輪へ力の一部を伝達している(図31).たとえば立位では,L5-S1レベルで髄核に作用する垂直方向の圧迫力と線維輪周辺に伝達される力は,28kg/cm2および16kg/cm2である.」
髄核は球体なので垂直方向にも水平方向にも
負荷を分散しているという感じですかね。
「椎間板に加わる力は,被検者が重量物を持ち上げようとするさい,明らかに増加する.体幹の屈曲時,単位面積当りの圧力は58kgであるが,この時,重量物を持たせると87kgにもなる.体幹を垂直にまっすぐ伸ばすさい,単位面積当りの圧力は107kgとなり,重量物を挙上させ
ると174kgになる.このように椎間板への圧力は重量物を挙上させるとより高くなるし,その圧力は椎間板の破壊点の値に近づく.」
重いものを持つと椎間板にかかる圧力が増加する。
重量物を持っているときは
体幹を屈曲しても伸展しても増加すると。
つまり重量物を持つ際は
ニュートラルスパインを保つことが
椎間板への負荷を最小限に抑えるということでしょうか。
「髄核の中心圧はけっして0になることはない.これは椎間板に負荷がかかっていない場合においてもいえることである.この圧が存在するのは,非伸展性の鋳型内で髄核をふくらむようにさせる水吸収能のためである.椎間板に負荷がなくても圧が存在する状態は前負荷状態
(preloadedstate)と表現される.前負荷とは,建築工学では,加えられる力に関連して梁内に事前に存在している緊張と定義される.もし等質性の梁に負荷が加えられると(A),それは距離f1だけ内方にたわむ.しかし,梁状態と自己安定効果が梁を貫く1本のケーブルで固定されているとしたら (B),これが前負荷にあたり,歪み(f2)は前例(A)と同じ負荷でもf1より明らかに小さくなるであろう(図31).これと同様に,椎間板の前負荷状態は髄核の水吸収能によってつくられており,脊柱に加わる圧迫力や側屈力に対して大きな抗力を提供している.しかし年齢とともに髄核はその水吸収能を喪失するので,前負荷状態もこれに
伴って減少する傾向をとる.したがって,高齢者では脊柱の柔軟性を欠くことになる.」
髄核がスポンジのように水分を常に吸収していることで
椎間板の内圧が保たれて
負荷に対抗できているんですね。
加齢によりスポンジが劣化し
髄核内の水分量が減ればその緩衝作用がなくなるとともに
脊柱の柔軟性も失うと。
高齢者の椎骨の圧迫骨折も
この辺りが関係してるんでしょうね。
「椎間板に対し非対称性の負荷が長軸方向に加えられると(図33),上位椎体面平坦部はより力のかかった側へ傾斜する.その結果,線維輪の線維AB'はABのように伸張されるが,同時に矢印の方向で、髄核内圧は最大となり,この線維ABをAB'に戻すように働く.したがって,傾斜した椎体面平坦部は立ち直り,もとの位置へと戻る.この自己安定の機構は前負荷と関連している.線維輪と髄核は,互いの構成要素の特性に依存して効果的役割を発揮する機能的対をなしている.髄核の内圧が減じたり,線維輪の張りが傷害されると,この機能的対はただちにその効力を喪失する.」
すごい。
椎間板に長軸方向から偏った圧がかかっても
髄核と線維輪の異素材のコンビネーションで
元のポジションに戻しているんですね。
ただし劣化により
その形状記憶作用も失われていくと。
まあ偏った負荷は
かけないに越したことはありませんよね。
「HIRscHの実験でも示されているように,前負荷状態によって椎間板の弾性能を説明することができる(図34).前負荷状態にある椎間板(P)に外力(S)が加わると,椎間板の厚さは1秒間にわたって減少するが,1秒後にはもとに戻る.しかし外力があまり強すぎると,線維輪を構成する線維が破壊される.頻繁に外力にさらされている椎間板の退行変性の機序は,このことによって説明される.」
どんなに弾力性に優れている組織でも
継続的に押しつぶされれば
そりゃ弾力性は失われますよね。
外力にさらされやすい椎間板であれば
なおさらのことで・・・
ただ
それなら負荷に適応して
椎間板の耐性が向上してもいいんじゃない?
という発想になりそうなところですが
それはやはり間違いで
椎間板への負荷を増やすも減らすも自分次第なわけで
まず椎間板にストレスをかけていることに気づきなさい
そのうえでどうすればそのストレスを減らせるか
試行錯誤してみなさい。
と誰かに課題を与えられているような気がするのは
私だけでしょうか?
肉体が借り物だとしたら
やはり丁寧に扱わないとね。
面白くなってきたよー!人体。
ではまたー。
カパンディ
今回も学んでみたいと思います。
「上下の椎体面平坦部間からなる鋳型内の圧力下に封じ込まれて,髄核はほぼ球状である.したがって,髄核を2つの面にはさまれたボールとみなすことができよう(図27).この型の関節は3種類の運動を許す回転環関節として知られている.
1.傾斜
矢状面での傾斜:屈曲(図28)あるいは伸展(図29)
前額面での傾斜:側屈
2.相対する椎体に対する一方の椎体面の回旋(図30)
3.相対する椎体に対する一方の椎体面のすべりおよび剪断
したがって,この動きにすぐれた関節は6つの自由度を備えている.すなわち屈曲,伸展,側屈,矢状面でのすべり,前額面でのすべり,左右への回旋である.これらの運動のそれぞれの可動範囲は小さいので,ある程度の大きさの運動になるには多くの椎体間関節が同時に関係する必要がある.」
髄核は球体なんですね。
つまり椎体間関節は球関節のような動きをすると。
自由度は高いけど
一個一個の動きには制限があるので
脊柱全体での複合動作になるということですね。
あとは自由度が高い分
剪断力もかかりやすい。
特に椎体の動きに偏りがあれば…
脊柱周囲に固有受容器が多いのもうなづけます。
ではまた。
久しぶりのカパンディです。
「上下の椎体間の関節は線維軟骨結合(symphysis)である.これは椎間板によって連結されている2つの椎体面平坦部により形成される.この椎間板はかなり特徴があり,次の2つの部分から構成される(図25).」
「中央部一髄核(nucleuspulposus)(N)
これは,胎生学的には脊索由来の,88%の水を含んだ透明なゼラチン物質である.また親水性に富み,化学的にはコンドロイチン硫酸,ヒアルロ酸,ケラタン硫酸などの蛋白結合物質を含んだムコ多糖基質から成る.組織学的には,髄核は,膠原線維,類軟骨細胞,結合識細胞,それにごく微量の成熟軟骨細胞群から構成されている.髄核の周辺を線維束が頑強に取り囲んでいるため,血管や神経は髄核に出入りしていない.」
髄核は88%が水分なんですね。
しかも血流はないと。
「周辺部一線維輪(annulusfibrosus)(A)
図26(a)に示すように空間で互いに斜めに交叉するように見える同心円線維から成る.(b)には,線維が周辺部ほど垂直で,中心に向かうほどより斜めに走っていることが示されている.髄核と接する中央部の線維はほとんど水平で,椎体面平坦部間を楕円状に走っている.したがって,髄核は椎体面平坦部と線維輪によって形成される非伸展性の鋳型の中に閉じ込められている格好となる.線維輪は織り合わさることで髄核の脱出を防止しているが,子供から青年の世代では線維輪の強度が高い.髄核は鋳型内での圧力下に封じ込まれているため,椎間板を切ってしまうと,ゼラチン物質が椎間板の切り口より脱出するのが観察できる.これはまた脊柱が外科的に矢状面で切断された時にもみられる.」
線維輪、
中心部と外側部では線維の走行が違うんですね。
髄核に近いほど水平に近く
末端にいくほど垂直になっていく。
これが強度をつくっているんでしょう。
子供から青年の世代では特に強度が高いと。
腰椎椎間板ヘルニアの好発年齢は20~40歳。
おそらく線維輪の強度が落ちはじめ
なおかつ髄核の水分量が保たれている時期に
飛び出やすいんでしょうね。
50歳以上でヘルニアが減っていくのは
線維輪の問題というよりは
髄核の問題なのかもしれませんね。
ではまたー





