型、考察 | 極真・柴田の「言いたいことは言う、ブログ!」

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でも、気を使って言いたいことなんか言ってませんけど…


2023年9月18日(月、祝)
横浜武道館にて全国「型」競技大会が行われました

審判をしていたので、全部の試合は見れていないのですが、見られる試合は出来るだけ見て、そして全体を通して感じたことを記しておきます


まず初めに型は全空連さんのような動きの型と極真会館が行っている型の大きく2種類あると思います


本来、同じ空手の型なので、動きも同じになって良いものかもしれませんが、やはりそこは組手の違いによって動きが違っています


どちらが良いとか、悪いとかの話ではありません

全空連さんの型は、長い歴史の中で現在の型が成立しています

極真の型は昔からありましたが、正直、そこに注視されることなく、(多分)組手のほうに力を入れて長い間稽古されてきました


しかし、大山総裁がお亡くなりになって、あちこちに道場ができて、少年部の数が圧倒的に増えたため、型の試合を行っている道場はかなり前から結構あちこちにありました


極真の型は各地区の支部長さんがどの時期・時代に大山総裁から教わったかによって、動きや力の強弱、気合の入れる場所などが少しずつ違っていたりします


しかし、多少の動きの違いがあるにせよ、大事なところは「質実剛健」だと自分は思っています
そして動きの基本は大山総裁がご存命の時、残されたビデオ「極真カラテ・バイブル」の中に収録されている型だと自分は思っています


また、大山総裁が残された書籍の中にこのように書かれています
・力の強弱
・技の緩急
・息の調節


具体的には、しっかり腰を落とし、力強く技を出し、華美な装飾はしない、見栄を切らない…などだと思っています
そして後、個人的には目線が大事だと思っています


「型」の試合ですから、多少のデフォルメは必要だと思いますが、「やり過ぎ」はダメだと思っています





今から10数年前、ある大きな型の試合で優勝した選手がいました(大人の選手です)

その選手はそれまであった極真の型をかなりデフォルメしました

気合を入れて、スピードを上げて、全力を尽くして型を行いました


デフォルメされた型を見たことのない審判員たちは、気合とスピードに圧倒され、旗を上げてしまいました。(あえて、「しまいました」と記させてください。)


試合当日、私は現場にはいませんでした


後日、その型をビデオで見たところ、例えば、中段突きが下からしゃくりあげるような突きになっていたり、抜き手は指先をきれいに見せるために伸ばしすぎであったり…と減点ポイントが多々あるように感じました


しかし、その時審判をしていた方々は、そこまで判断できず、先ほど述べた通り気合とスピードに圧倒されて旗を上げ、結果優勝してしまいました



今回の型の大会では動作の間違い(違いではありません、間違いです。)を見抜けない審判員がたくさんいたのではないかと思いました


動きの話で言うと、少年部に多いのは手刀回し受けの動作が手刀鎖骨打ち下ろしのコースになっていた選手がたくさんいます


平安2の型には7回手刀回し受けが入っています
減点対象にすると確実にマイナス1点は減点になると思います

しかし、スピードと気合で誤魔化され、技本来の動作の間違いが減点になっていないと思われる判定が多々ありました



大人の試合でも似たような事はなかったのか?審判は大丈夫だったのか?と感じた次第です