12月8日実施の「船舶に乗り組む衛生管理者試験」を受験してきました。
会場は関東運輸局3階海技試験場。
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集合時間8時30分。筆記試験会場と実技試験会場は別。
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さらに受験生控室も用意。
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控室が受験会場とは別にあるのは、数ある国家試験のなかでも少数。
電気通信主任技術者の藤沢会場(慶応大学SFC)と、鎌倉女子大学の保育士試験で自習室的な開放があったのみ、じゃないかな。
途中退出者は受験生控室の利用も可。
控室は自由席ではあるが、受験者人数分の机いすあり(しかも2机2つイスがワンセットで受験者7人分用意されていた)

受験番号は9番まで。出席者は当初6人で、試験開始後1人来たので計7人受験。試験官は2名。
受験生には一人一机が与えられている。
マークシートではない。ほとんど選択式だが、語句にあう用語を実線(直線)で結べ、という学校の定期テストのような回答方法もある。

【試験の実際】
筆記試験第1時限 9時00分から10時30分(途中退出9時30分から可能)3科目
労働生理(10点)
・船員の健康検査(教本第4編疾病予防P1、以下明示なければ船災防「衛生管理者教本」の試験科目編のページ)(1点×5問)
・細胞の構造と機能(P2)(1点×5問)
船内衛生(15点)
・電磁波(P13-14)1点×5問
・作業環境・照明(P10)1点×5問
・環境の測定に際して注意すべき共通事項(P17)(1点×5問)
食品衛生(10点)
・栄養のうちビタミン・ミネラル(P9-10)(1点×5問)
・栄養のうちビタミン・脂質・たんぱく質・エネルギー・糖質(P6-8)(1点×5問)

筆記試験第2時限 10時40分から12時10分(途中退出11時10分から可能)4科目
疾病予防(15点)
・感染経路と疾患(P23)(1点×5問)
・高血圧の生活習慣是正による予防についてと脂肪肝について(P10,13)(1点×5問)
・糖尿病(P8-9)(1点×5問)
保健指導(15点)
・熱傷(やけど)(P32-34)(1点×6問)
・脊椎の損傷(P32)(1点×4問)
・救急蘇生法(P18-20)(1点×5問)
薬物(5点)
・乙種衛生用品に収載の医薬品(P10-49))種類から商品名を選択(0.5点×5問)
・乙種衛生用品に収載の医薬品(P10-49))種類と商品名の正誤(0.5点×5問)
労働衛生法規(5点)
・船員法施行規則54ー57条、船員法83、85条(0.5点×8問)
・船内の管系及び電路の系統の識別標準を定める件(運輸省告示)P28(1点×1問)

実技試験13時30分から16時30分
開始10分前に受験生控室に集合。
試験開始とともに控室のドアが閉じられ、外部との連絡が禁止される。それまでにトイレを済ませるよう指示あり。

受験番号ごとに一人ずつ順番に実技試験会場に呼ばれる。

実技試験は一人の試験官(おそらく現役の船員関連の医師と想定)と1対1の口頭試問及びそれに関連する実技。
筆記試験の試験官2名は在室して補助員をされていた。
胸骨圧迫用のダミー人形が床においてある。
最初に座る机には電池式自動血圧計がある。試験官と向かい合わせに座る。

後方にダミー人形と、その後ろの机にAED、添え木、三角巾、聴診器、包帯、鉄製の添え木、注射器なんかの小物類がある。

・【実技】血圧と脈拍の測定(試験官の腕に) 数値の判定(120-75) → 正常値。脈拍の確認、60-100までは正常値、75くらいなので正常値と回答。
  →【質問】高血圧はいくつからか 140-90
  →【質問】家庭高血圧はいくつか 135-85
・【実技】脈拍はどのように測るか。 → 手首の橈骨(とうこつ)動脈を真ん中の指3本にて15秒程度数え、4倍した数値が60-100かどうかをはかる。
  →【質問】手首以外はどこで測るか。 → 股の付け根の大腿動脈と首にある頸動脈。血圧が低いと測りづらいので、手首が基本かと思う。
・【実技】腕の骨折時の固定の仕方を実際にやってみて(試験官のうでに)添え木を下が長いほう、上は短いほうを使い、包帯で巻く
  →【質問】包帯の巻き方はどのようにするか → 腕の先端(末梢)から体の中心に向かって巻く。
・【実技】三角巾による吊り方はどのようにするか。 → 実際にかた結びまで行う。
・【実技】人が倒れている。救急蘇生法をやってみて。 大丈夫ですか?→人を呼ぶ→(船の上ではないことと断ったうえで)きた人に119番通報を依頼、AEDを持ってくるように、と具体的な内容を告げて依頼する。→呼吸の確認・普段通りの呼吸なし、胸骨圧迫開始、AEDを利用。
  【質問】胸骨圧迫は1分間に何回やるか 100から120回
  【質問】人工呼吸は何回やるか 胸骨圧迫30回につき2回
  【質問】圧迫の際の深さは 5センチ
  【質問】AEDを持ってきた人に聞くことは AEDが使えるか、つかえなければ胸骨圧迫ができるか聞く。
  【質問】胸骨圧迫はどれくらいで交代するのがよいか。 5分くらい?→×、2分くらいでないと疲れちゃう。
  【質問】心電図の波形4つが載ったペーパーを見せて、どの波形がAEDをつかっても意味がないものか?
    心室細動、???、無心拍波形、心停止のうち後者2つ

所要時間約20分で終了。緊張していたので、どこまで正確な再現記録かは保証なし。
小物類をすべて使うわけではなかった。もしかしたら一人ひとり違う課題が出されているのかもしれないが、知る由もない。
終わったら控室に戻らず、そのまま帰って良し、との指示。

【受験し終わってからの感想】
消防主催の上級救命講習を受講すれば、本試験の実技対策として十分ではないかと思う。
実技試験の際、試験管から救命講習を受講しているのか、と聞かれ、先月受けた、とお答えした。

先月、上級救命講習を受講。ほぼ一日かけてのコースである。
テキスト・三角巾・消毒ウエットティッシュ、人工呼吸マスクが配布されて受講料は1,500円。
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15年前に職場で普通救命講習を受講しているが、そこから手法が変わっていた。
人工呼吸が必須ではなくなっており、心臓マッサージが胸骨圧迫と名称変更され、何よりも先にこれを行うことになっていた。
医学知見の進歩にともない、救命法も数年おきに見直されているようだ。
ときどき受講するのもよいと感じる。
いざ、目の前で人が倒れているときにできるかどうかわからないが、気道にものを詰まらせたときの対処法など、子供がいる家庭人として知っておいて損はない講習だと思う。

教本には、実際に講習で行う注射のしかたや、導尿・浣腸なども項目として挙げられていたので、看護師や救急科の医師が読むような本をときどきショック症状が出るくらい読み込んだ。試験ではここまでは出ないよな…と思いながら。
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このほかにも救急救命士の試験対策本や、「なぜ?どうして?」シリーズは15冊くらい出ているが、ほぼすべてに目を通しておいたことが、自信をもって実技試験で回答できることにつながったと思っている。

また、筆記試験問題はすべて衛生管理者教本から出題される。
それ以下でも以上でもなく、ひねりもないため教本がないと対策のしようがない。
私の使った衛生管理者教本は、船員災害防止協会から平成27年3月に改訂された11版であり、胸骨圧迫の改定が反映されていないものだった。おそらく平成29年12月現在でこれが最新版。ゆえに試験でもこれで出題される、のではないか(確信できず)。

反面、過去問は出題のレベル感を知るためには必要であるが、過去問の再出題率は直感的に2割もない感じ(過去7年間分では)
合格点をとるためには教本の上っ面だけでもすべてさらっておく必要がある。

合格点は、vvpHomeさんのホームページ情報によると
筆記試験75点、実技試験25点、合計100点満点で
各科目50%以上であれば70点以上
1科目だけ50%未満があるときは75点以上
となっているそうです。

ということは、2科目以上正解が50%未満ならば足切り不合格となる…

回答はまだどこにも出ていないし、ホームページなどでの公表はないが、試験問題が持ち帰ることができたので、教本と突き合わせをして答え合わせをしてみた。問題は教本の記載そのままなので、突合せは簡単。

労働生理  5/10点満点
船内衛生 15/15点満点
食品衛生  9/10点満点
疾病予防 13/15点満点
保健指導 14/15点満点
薬   物  5/ 5点満点
労働法規  4/ 5点満点
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筆記合計 65/75点満点
正答率 86.7%

実技試験25点の配点は不明。
上記の合格基準だと、あと5点とればいいが、実技も50%正解が必要ならば、13点とれれば合格か。

筆記対策としては、過去問丸暗記だけではだめだが、教本を読むときの手がかりとして自作プチまな「「船舶に乗り組む衛生管理者」筆記試験対策」の刷り込みは有効。正解率100%になるまで繰り返した。
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もし、今回試験に落ちたら29年度の試験問題をアップします。
合格したら、基本的に過去は振り返らないので、5月の「測量士」試験過去問をプチまなに落とそうと思っています。

合格発表は1月15日午前10時。すでに測量士の勉強も始めたので、あっという間に発表となりそうです。