もう10数年前のことですが、
NHKでの健康や食生活がテーマの人気番組で、
70才以上の6人に1人が低栄養のデータが出ていると
報じられていました。
低栄養とは、現代の栄養失調を指し、
アルブミンの欠乏によるものとのこと。
アルブミンは、筋力や免疫の元となる栄養素で、
タンパク質の6割を占めています。
栄養学では、アルブミンが3.5mg以下だと
低栄養と診断され、
風邪や肺炎、脳出血、骨折、心臓病、結核に
なりやすいということでした。
この番組では、低栄養のため、
階段で転んで大腿骨を骨折した
87才の女性の食事を紹介。
内容は、炊き込みご飯、魚料理、
ジャガイモの煮物、トマトといった
メニューだったのですが、
番組では、肉や卵がほとんどないのが
原因と指摘していました。
続けて、改善法については、
毎日肉や卵、魚を食べて、
タンパク質を摂るように勧めるだけ。
骨の形成に必要なミネラルについては、
全く触れていませんでした。
厚生労働省が推進する
1日のタンパク質の必要摂取量は、
成人男性が60g、女性が50gですが、
この量のタンパク質を食材に換算すると、
一日に肉を300g、卵10個、魚を3~4切れを
食べなければいけないということになります。
タンパク質重視の報道は、
今も多いようですが、
真に受けて実践する高齢者も多いのが、
現代の生活習慣病や認知症増加につながっていると
私は思います。
栄養素の数値だけで判断する
医師や栄養士にも
問題があるということに
気がついてほしいものです。