コンビニおでんのだし汁の中で

いつも浮いている

さつま揚げやちくわ、はんぺんなど。

 

何かおかしいと思いませんか…?

 

 

コンビニでは、

おでん種もだし汁も業者に外注しています。

 


もう10数年前のことですが、

三陸のねり製品のメーカーが、

大手コンビニチェーン店との間で、

おでん用の練り製品を納入する

仮契約を結んだ時のこと。

 

 

仮契約では、品質について様々な取り決めがあり、

それらをクリアできて本契約となるので、

その後ねり製品メーカーでは、

本契約への製品開発が進められました。

 

 

その中で、クリアできなかったのが、

「ねり製品は、おでんのだし汁の中で

8時間浮いていること」でした。

 

 

おでんの具になるねり製品は、

スケトウダラなどの魚肉のすり身に、

塩や砂糖、デンプン、調味料などを

入れて練り合わせて作られるのですが、

通常の製造方法だと、

具材が汁を吸って型崩れを起こすので、

どうしても8時間浮くことができません。

 

 

そこで、その練り製品メーカーの社長が、

知り合いの同業者に相談したところ、

「原料のすり身に

リン酸塩とソルビットを混ぜれば、

すり身の比率が下がり、

おでんの汁も吸いこみにくくなる。」と

アドバイスされたとのことでした。

 

 

そして、

「外注のおでんの具には、

添加物の表示義務はないから、

コンビニも消費者も気が付かない。」とも

話していたそうです。

 

 

品質保持や増量のため、

おでん種をだし汁に浮かせるために、

さらにリン酸塩やソルビットを

多く添加することはできない…と、

ねり製品メーカーの社長は、

コンビニチェーンに違約金100万円を支払い、

仮契約を破棄しました。

 

 

リン酸塩は、練り製品には

結着剤として使われていて、

摂り続けていると骨のカルシウムが溶けだして、

石灰沈着症が起きる場合があります。

 

 

ソルビット(ソルビトール)は、保存料のことで、

食感の維持や冷凍時の変質を防ぐ目的で、

また、食品に甘味をつけるため、

ねり製品などの食品に用いられています。

化学合成の甘味料は、依存症を招き、

糖尿病、糖尿病合併症のリスクが高まるので

注意したいものです。

 

 

また、コンビニおでんのだし汁は、

味の素を始めとした化学調味料の他、

カツオ節エキス、ブドウ糖果糖液糖、

たんぱく加水分解物といった

インスタント食品にもよく使われている

化学物質の組み合わせで製造された濃縮液を

各店舗で薄めて使っています。

 

 

コンビニおでんがおいしいと感じる人は、

おでんの具材やだし汁本来の味よりも

化学調味料などの巧妙な使い方によって

おいしさを感じさせられているのでしょう。

 

 

前出の保存料「ソルビット(ソルビン酸カリウム)」は、

ご飯がパサつかないようにするために、

市販のおにぎりにも用いられています。

続きは過去記事をご覧ください。↓

 

 

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