数年前になりますが、中国で10才の男の子が頭痛や痙攣に悩まされていたので、病院で診てもらったところ、脳内に長さ10cmの寄生虫が発見されたというニュースがありました。原因は、火が充分に通っていない、寄生虫に感染されたカエル肉を食べた可能性が高いとのことでしたが、この少年の父親によると、少年は屋台の食べ物が大好きで、蛇の串焼きを食べた事もあるそうです。
この寄生虫は芽殖孤虫(がしょくこちゅう)と呼ばれ、本来人体を宿主とせず、人体では成虫にならないので、人体に入ると幼虫のままあちこちに移動します。寄生虫が身体の中で移動する「幼虫移行症」には、幼虫が眼球に侵入するケース(目幼虫移行症)や内臓に侵入するケース(内臓移行症)、皮膚下に侵入するケース(皮膚幼虫移行症)があり、芽殖孤虫の場合は脳に侵入する場合があります。
芽殖孤虫は、最終宿主が分かっておらず、成虫も未だに発見されていない恐ろしい寄生虫といえます。私の知人から聞いた話ですが、アラスカやモンゴルを旅していた友人のカメラマンが芽殖孤虫に感染、2000万円をかけて摘出する手術をしたにもかかわらず亡くなってしまいました。
このニュースでは、2人とも火が充分に通っていないカエルを食べたと報じられていますが、芽殖孤虫は蛇肉からも感染する可能性があります。日本では、カエルや蛇肉を食べる習慣がある地域は限られているようですが、珍味と言って食べる愛好家もいるようですので、そういった人たちはくれぐれも気をつけてください。
次回は、馬肉の寄生虫についてです。