次女の決意を知ってから、ずっと彼の携帯の中に何があったのか気になっていた私。




あれからも次女は私たちの前ではとても元気で…




仕事にも行き、ちゃんとご飯を食べて…




部屋からはyou tubeでも見ているのか笑っている声が聞こえてくることさえあります。




もう吹っ切れたのかな…


まさかね…



そんなわけない…






そんなある日、掃除をしに次女の部屋に入った時、机の上をモップがけしている際に、ふとお骨と一緒に置かれている彼の携帯に目が止まります。



まさか…開かないよね…



パスワードわからないんだから、見れないよね…




そう思った私でしたが、そっと手に取り電源を押してみたんです。




すると…



あろうことか携帯が開いてしまったのですびっくり



パスワード解除したの?



無防備に開かれた携帯。



その画面を見ながらしばらく呆然として…



どうしたらいいかわからなくなりました。



。。。。。




でも、私の心の中には、どうしても次女1人が苦しみを背負うことは嫌だと言う思いがありました。



次女は望まないことでしたが、



私は意を決してLINEを開きました。



たくさんの未読がある中、家族の名前を見つけ…



お母さんと書かれたところをタップしました。




最後のほうは、私たちと同じように何度も何度も電話がかけられていました。



連絡して
何があった?
大丈夫なの?
みんな心配してる
お願い…




私たちが必死に探しているのと同じようにお母さんも必死に声をかけていました。




そこから私の指は、上へ上へとさかのぼっていくのですが…




そこには思いもよらない会話の数々が残されていて、一気に頭から血の気が引いていきます。




事実を大まかに知ってみると、


これは…


家族が彼をしっかり支えなかったことが大きく事態を動かたしたのだと…そう思わざるをえませんでした。



彼の家族は彼の死に大きくかかわっていた…と言うことです。



もちろん彼は大変なことをしでかしていました。



そのせいで家族が苦しんでいたことも事実です。



ただ、そのずさんな事実をもっと早くに解決していたら、彼は死を選ばなかったかもしれません。




お母さんとのLINEでは、彼が死を選ぶ直前まで、お金の督促がなされていました。




車のお金は?
私のお金は?
弟に迷惑かけんで!
お金ないの?
結婚式なんて行かない。
よくこんなことで結婚できたね…



書き出したらキリはないですが、執拗に責め立てられ、嘘で塗り固めた返事をする彼。



そんなやり取りは2017年から見られるようになり、お金を借り始めたのはおそらくそのもっと前。



信金で一年休職していたころではないかと思います。



そして…
その頃付き合っていた彼女の妊娠が発覚し、下ろすための費用が自分のカードでは借りられず、弟名義のカードで借りて欲しいと…そんなあり得ない頼み事して、返済をしなければならなくなるのですが…


なぜだかその返済が滞ります。



理由は、
兼ねてからの借金プラス奨学金があったこと
車をお母さん名義でローンを組んで買ったことより、そこにも返済しなければならないお金が必要だったこと
などが考えられるのですが…



その後はそれプラス車検代、保険代、税金など細かく発生するお金を返済しながら、車を維持し、彼女と別れた後、2019年からは次女と付き合い始めます。



結構贅沢なデートの話を聞いていたので、彼がまさかお金でそんなふうに困っているなんて思いもしなかったのです。



しかし裏では借りては返しての自転車操業…



それが重なって、だんだん苦しくなって行ったのだと…



加えて、自分名義のカードでローンを組まれたお母さんや弟さんは、何度も来るようになった督促状に苦しむことになります。



度々繰り返される、

「督促状が来たから振り込みお願い。」

「ごめん、やっとく!」

の言葉。



しかし、きちんと満額が振り込まれないことへの怒りはどんどん膨らんでいきます。



彼はその一部を納めることで何とか乗り切ろうとしますが、きちんと全ての振り込みがなされていない事は直ぐにバレてしまいます。



すると彼は必死に謝りまた少しだけ返す…



ここ何年間そんなやり取りをしていて、よく切り抜けられていたなと思います。




元銀行員だったからみんなが彼を信じたのか…



しかし、嘘や誤魔化しで満ちた会話の中でお母さんも弟もだんだん疲弊していく…



私たちが結婚式に向けて幸せな気持ちになっていた裏で、あちらの家族は本当はそれどころではありませんでした。




彼はお金の返済に苦しみながらも、それを隠しドレスの試着や打ち合わせをしていたのですよね…



とても苦しかったと思いますが、それもこれも全て自分蒔いた種。



仕方なかった…



ただ、一緒に暮らし始めた当初から自分の通帳を見せることに抵抗があると、いつもカバンに詰めて持ち歩いていたり、2人の共通講座への入金も滞っていて、喧嘩になった事があったと、彼を探している最中に聞かされました。



次女にも彼を助けるチャンスはあった…



今更ですがそんな思いもよぎります。



でも…



救えなかった次女より、この事実を話さなかった彼の方が罪深くありませんか?




親から何度も辞めるように言われたのに、結婚式を進めようとした彼。



本当に次女のことを考えていたのなら、結婚式はおろか、入籍だってしちゃいけませんでした。




そこはとても身勝手だった思います。




残念でならない…



苦しくて、切なくて涙が溢れました。






しかし…


もう、そんなことを言っても、全ては終わってしまったし、彼はいない。




次女はこの事実を知ってもなお、彼を恨むこともせず、彼が愛してくれた事実だけを抱きしめて前を向こうとしています。




だから私も…
もう、このことは胸の奥に秘め、次女としっかり前を向こうと思います。



私の心の中には次女とは違う思いがあったりしますが…



いずれにしても、大切なのはこれから。



生かされた私たちが幸せになっていくことが、一番大事だと思います。




猫あたちも頑張って生きていくよ!