甥っ子のこと…


がんに体が蝕まれてから約一年。


去年の7月に手術を受けましたが、その後再発を繰り返し、だんだんと弱ってきてしまいました。



とても珍しいがんだということで病名すらついていないそのガンに私たち一族は本当にどうしたらいいかわからなくなっています。



再発が見つかってからの抗がん剤治療も、放射線治療も効果がないまま腫瘍は大きくなって行き…



リンパ、腰、そして肺、肝臓…



彼に残された時間があとどれくらいあるのか…そんなことまで頭をよぎります。




私たち家族は、実際に様子を見ている親でもなく、詳しい状態もわからないまま、とにかくいい治療法がないものかと、検索の日々。




手術、抗がん剤治療、放射線治療の他にも免疫療法、光免疫療法などという新しい治療があることに行きつきました。




あるyou tubeを見て、あの子にできる治療なのではないか…




そんな思いで妹に伝えますが、担当医からは体力がこれほど落ちていては治療は難しいと…




話だけ聞いていたらその治療法を調べもしないで簡単に無理だと言われたように感じました。




だって、放射線は当てたりするんですよ。




それだってかなりの副作用がありますよね。



先日肝臓に放射線を当てた後は病院で三度も吐いてしまったとか…



とてももどかしい気持ちになりました。




私の中で堪えていた想いがその時沸々と湧いてきて…




先生の言うことだけを信じてお任せしているのにも限界がある…




自分たちでも何とかいろんなことを調べ動かなかったら、あの子が死んでしまう…




もう時間がない…




焦りました。




ずっと妹たちの気持ちを尊重して見守ってきた私たちでしたが、私たちがあの子にできる治療法を詳しく調べるために、詳しい経緯と、世界でも数例しかないガンとはどんなものなのか…



改めて尋ねてみました。








手書きですが、一枚目がその経緯。


珍しいと言われる所以はガンが真っ黒だったこと。



考えてみるとテレビとかでも黒いガンなんて見たことないし、義父のガンだって、私の盲腸だって白い感じでした。



この黒いということはポイントです。




2枚目は今の様子と、有効ではないかと思われる治療法。



これをみんなで共有してなりふり構わず知る限りの医療関係者に尋ねていく…



こうすることくらいしか私たちにできることがありませんでした。



もう居ても立っても居られない…










しかし…









早速問い合わせた元名大病院の外科医で今は開業されている先生にこのことを尋ねたところ…


 




『こんばんは。

大変恐縮ですが、お話を伺う限り、ステージ4で、手の施しようがありません。


民間療法に莫大な費用をかける方もみえますが、実質的に延命の可能性は殆どなく(海老蔵妻もそうでしたが)、詐欺同然の治療が多いのが実情です。


胸骨原発とのことですので、骨肉腫の類と思われます。セカンドオピニオン的に、愛知県がんセンターを訪ねて、他に方法無いか、聞いて納得されることも一つの考えかもしれません。


若い分進行は早いと思われますが、ご本人が納得した最期を迎えれるように、アシストしてあげるしか、出来ないと思います。


お力になれずにすみません。』






これを読んで、目を疑いました…


そんなこと聞いてない!


聞きたいのはいい治療法がないかってこと!!




みんなで読みながら言葉を失う…




そして、


『最期までの一縷の望み、はむしろ本人に負担になり、ひいては、ご家族経済的負担も多々莫大で、言い方は良くないですが、家族の自己満足、「あれだけ頑張ったから仕方ない」という結論を引き出すのみです。


痛みを取る、苦しまない、ことを最優先にホスピスという選択肢が一番ですが。

家族の苦痛もあるので、誰か話を聞いてあげて、同意して、一緒に泣いてあげる、というのも一つの治療ではないかと、個人的は思ってます。』







必死に悪あがきするのは私たちのエゴ…

自己満足に過ぎないのかと…



やりきれない気持ちでいっぱいになりました。





しかし、確かにもう病院からは緩和治療の話も出ていて…




私たちの悪あがきが妹たちを傷つけている可能性はありました。





現実をこうやって文字で見てしまうと、衝撃が体の中に走って、息が詰まります。




何とか助けたいという気持ちと、もう楽にしてあげたほうがいいのかという気持ちと…




頭の中でもう、何が何だかわからなくなってしまいました…




まだまだ助かると思っていた時の方が気持ちは楽でした。



いろんなことを動かしたせいで、現実を見ることになり…



それも一医師の意見だという周りの声も…



聞こえなくなってしまったのでした。




これからどうしたらいいのか…



疲れ果てて眠り、目覚めた後も、頭の中はその問いかけが回り続けています。







猫とにかく今は心を沈めることだよ…







































さてさて…



と、言っても気持ちをき切り変えることもできず…



ぼーっとした頭で写真旅の写真を選んでいます。




お伊勢さんに行った時も、どこか神社に行った時も、今年に入ってからはあの子のことしか祈ってない…



桜が咲く時期、還暦のお祝い第一段だと言って長女が連れて言ってくれた京都。



第一弾は食事場所である宇治植物公園。



ここはしっかり回る場所ではありませんでしたが、綺麗なお花がたくさん咲いていました。




























































綺麗なお花は固くなった心を少し柔らかくしてくれます。



しかし…



人の死に直面するということは…



どんなことよりも酷くて、残酷で…




この初めての体験に今はまだ息をするのも苦しいです。