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マタニティぽっとさん 〜産後うつ寛解からの妊娠記録〜

33歳。娘1人。旦那は仏のような人。
 
うつ病、産後うつを乗り越えて、再びマタニティライフステージへ。
 
喜怒哀楽、大波小波のメンタル忙しめぽっとさんの日常。

先日の母の日で、ひとつ母について思い出したエピソードがある。





それは、1人目の妊娠中の話。





4年前、29歳の秋。

1人目の妊娠が分かった。




嬉しくて、胎嚢確認後の産婦人科の帰り道、空も空気も花も、全てが輝いて見えた。




何もかもが、私に笑いかけているような、そんな浮かれた気持ちだった。





旦那は喜びと、そして父親になるという緊張で、顔が喜んだり、引き締まったりしていた。





両家の親にはいつ頃報告しようか。




安定期近くに入ったら伝えようか。





そう話し合い、年末か年明けごろに、と決めたのだった。





それから2ヶ月が経った。





夕方、つわりでしょっぱいものが欲しくなり、チキンラーメンをそのままかじっていた時だった。





スマホが鳴り、母の名前が表示された。




「もしもし?」

電話に出ると、いつもの母の声がした。





「やっほー、元気?」

明るい母の声。





「ぼちぼちかな。どうしたの?」





母は暇になるとたまに電話をかけてきて、長話をする。





ただ、忙しい夕方にかけてくる事は珍しく、少し不思議に思った。





「あのね」

母が言う。





「お母さん、ガンになっちゃった」

明るい母の声色とは合わない内容が、スマホを通して耳に響いてきた。