古の技術になりつつあるキャブレター調整。 | 酋長のひとりごと

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ようやく歴代のブログを1本にまとめました。最初からお楽しみ下さい。

2021年4月より、「夏男のひとりごと」に名前が変わりました。が、「それではつまらん」と外部からのご指摘を先程受けまして、戻します。てへっ☆

先にごめんなさいしておきますと、前回辺りで

「得意のキャブレター調整」と書きましたが、あれは一部ウソです。

分解して清掃点検、必要に応じて部品交換くらいはできますが

調整が狂っているキャブレターの調整はちょっと難しいです…。

「何となくこんな感じだろ」的にやってきた部分はありますが

体形的な理論までは行ってなかったんだよなあ。

 

ノーマル状態で乗る場合はイチから調整なんて要らないのですが

なんか最近、GPZ、調子悪い…。

 

 

遠い昔マフラーを純正に戻した時に理由は不明ですが、

中速域の燃料供給量が足りなくなり

4000回転から6000回転くらいでガス欠症状がひどかったんですよね。

その時に何となくでキャブレター調整を行っているのですが

最近ヨシムラに再度交換した辺りから、

アイドリングの回転数が下がらなくなりました。

 

キャブレター調整の前にアクセルワイヤー、チョークワイヤーの

点検を行い、他目立った異常がないことを確認しておきます。

他に異常があるのに調整でごまかすのは良くないからね!

 

 

キャブレターの基礎知識のおさらいになります。

 

①アイドリング回転域…パイロットスクリュー/エアスクリュー

②低回転域…スロージェット

③中回転域…ジェットニードル

④高回転域…メインジェット

 

都合4つの吐出ノズルをそれぞれ調整することになるのですが

それぞれ形状と調整方法が違うので注意します。

スロージェットとメインジェットは物を交換して調整

バイロットスクリュー/エアスクリューはねじの締め込み量で調整

ジェットニードルは取付高さを変更して調整します。

 

 

アイドリング不良なので

①のパイロットスクリュー/エアスクリューから行きましょう。

ところでパイロットとエアのスクリューの違いですが

いまさら理解しまして恐縮です。

キャブに入る前の空気を調整するのがエアスクリュー、

キャブを通過した後の混合気を調整するのがパイロットスクリューです。

つまりどちらか一方が付いていればキャブの機能としてはOK、と。

 

それが何より証拠に、上の写真赤丸がパイロットスクリューなのですが

キャブのボディを真ん中に見てエンジン側に付いているというね。

ところでパイロットとエアと、キャブレターの機種で使い分ける理由が

ちょっと分からないので、知っていたら誰か教えて下さい…。

 

 

空気が入るエアクリボックス側、空気が通るベンチュリ―の下に

小さな穴が2つ開いていますが、

たぶん右側がスロージェットを経由してのパイロットジェットに向かう

専用の空気取り入れ口になります。

 

この空気取り入れ口は一旦全てスロージェットに吸い込まれて

ガソリンが混ぜられてから2方向に分岐します。

そのままベンチュリ―に吹き出す②スロージェット経路と

バタフライスクリーンを越えてエンジン近くで吹き出す

①パイロットジェット経路、なんですね。

 

 

空気の出口側から確認しますと、

赤丸のパイロットジェットの差し込まれた先には

橙丸の部分にその先端がちょっとだけ見えています。

パイロットジェットは先端がテーパー形状になっているので

締め込み具合で混合気の出る量が調整できる塩梅か。

 

規定の締め込み量はサービスマニュアルに書いてありますので

それを大きく外れないように調整しますが…。

どうも回転が安定せず上手くいかんな。

 

 

前回何となくやってみた③中速域、ジェットニードルを

再調整してみましょう!

①と③はキャブレターの上と下からアクセス可能なので

キャブレターの脱着を必要としません。ありがてえ。

 

 

キャブレターの上にあるダイヤフラムを外すと

ばねとジェットニードルが出てきます。

 

 

ジェットニードルも先端がテーパー形状になっているので

(写真ではとてもそうには見えませんが)

取付の高さを変えると燃料の出る量を調整できます。

たいていは親切にクリップが挟まっていて

その差し込む位置で取付高さが変更できるのですが

このキャブレターはシムを足して変更するしかないな。

 

しかし、シムを足しても引いても「これだ!」という瞬間がなく

4枚2mm足したくらいで「まあ、いいか…」というところです。

ジェットニードルの取付高さだけではベストは出せず

テーパーの形状じたいも影響するみたいです。

 

ジェットニードル交換か…。でも純正115馬力仕様のものは

すでに絶版らしいんだよなあ。

まあ考えておきましょう!

 

 

②と④のスロージェット、メインジェットにも触れておきましょう。

青丸がスロージェット、緑丸がメインジェットです。

ちなみに桃丸はガソリンタンクから来る燃料の入り口です。

マフラーを変更するなどした場合は全開付近の燃料調整に影響するので

メインジェットを交換して様子をみます。

何も改造していないのに調子が悪い時は

たいていスロージェットとその経路が汚れで詰まっています。

そういう意味では良くバラす部品ですね。

 

今回一番なるほどと思ったのは

アイドリングや低回転では燃料の吹き出し量が小さいので

むしろシビアな調整を求められる難しさがある、という点でした。

メインジェットやジェットニードルは他を調整しても

そんなに調子が左右されることはないのですが、

パイロットジェットは他からの影響をもろに受けてしまいます。

上で述べたスロージェットの不調がすぐ影響するのもそうですね。

 

それを考慮すると調整の順番も大事で

①→④→③→適宜②、の順番が効率的なんですって。

(あとは2気筒以上の場合、各キャブレターの同調もあるね。)

 

 

 

作業が無事終わりまして一応走るようになりました。

もう夜ですのでその辺をちょっと走った程度での評価ですから

また後日走りに行きましょう。

この間のみゆきツーリングの時はメッシュジャケットだったのに

後日は来期になってしまうかも知れないというね。

 

何となく夜撮影すると、かっこいい風味ですね(笑)。