先にごめんなさいしておきますと、前回辺りで
「得意のキャブレター調整」と書きましたが、あれは一部ウソです。
分解して清掃点検、必要に応じて部品交換くらいはできますが
調整が狂っているキャブレターの調整はちょっと難しいです…。
「何となくこんな感じだろ」的にやってきた部分はありますが
体形的な理論までは行ってなかったんだよなあ。
ノーマル状態で乗る場合はイチから調整なんて要らないのですが
なんか最近、GPZ、調子悪い…。
遠い昔マフラーを純正に戻した時に理由は不明ですが、
中速域の燃料供給量が足りなくなり
4000回転から6000回転くらいでガス欠症状がひどかったんですよね。
その時に何となくでキャブレター調整を行っているのですが
最近ヨシムラに再度交換した辺りから、
アイドリングの回転数が下がらなくなりました。
キャブレター調整の前にアクセルワイヤー、チョークワイヤーの
点検を行い、他目立った異常がないことを確認しておきます。
他に異常があるのに調整でごまかすのは良くないからね!
キャブレターの基礎知識のおさらいになります。
①アイドリング回転域…パイロットスクリュー/エアスクリュー
②低回転域…スロージェット
③中回転域…ジェットニードル
④高回転域…メインジェット
都合4つの吐出ノズルをそれぞれ調整することになるのですが
それぞれ形状と調整方法が違うので注意します。
スロージェットとメインジェットは物を交換して調整
バイロットスクリュー/エアスクリューはねじの締め込み量で調整
ジェットニードルは取付高さを変更して調整します。
アイドリング不良なので
①のパイロットスクリュー/エアスクリューから行きましょう。
ところでパイロットとエアのスクリューの違いですが
いまさら理解しまして恐縮です。
キャブに入る前の空気を調整するのがエアスクリュー、
キャブを通過した後の混合気を調整するのがパイロットスクリューです。
つまりどちらか一方が付いていればキャブの機能としてはOK、と。
それが何より証拠に、上の写真赤丸がパイロットスクリューなのですが
キャブのボディを真ん中に見てエンジン側に付いているというね。
ところでパイロットとエアと、キャブレターの機種で使い分ける理由が
ちょっと分からないので、知っていたら誰か教えて下さい…。
空気が入るエアクリボックス側、空気が通るベンチュリ―の下に
小さな穴が2つ開いていますが、
たぶん右側がスロージェットを経由してのパイロットジェットに向かう
専用の空気取り入れ口になります。
この空気取り入れ口は一旦全てスロージェットに吸い込まれて
ガソリンが混ぜられてから2方向に分岐します。
そのままベンチュリ―に吹き出す②スロージェット経路と
バタフライスクリーンを越えてエンジン近くで吹き出す
①パイロットジェット経路、なんですね。
空気の出口側から確認しますと、
赤丸のパイロットジェットの差し込まれた先には
橙丸の部分にその先端がちょっとだけ見えています。
パイロットジェットは先端がテーパー形状になっているので
締め込み具合で混合気の出る量が調整できる塩梅か。
規定の締め込み量はサービスマニュアルに書いてありますので
それを大きく外れないように調整しますが…。
どうも回転が安定せず上手くいかんな。
前回何となくやってみた③中速域、ジェットニードルを
再調整してみましょう!
①と③はキャブレターの上と下からアクセス可能なので
キャブレターの脱着を必要としません。ありがてえ。
キャブレターの上にあるダイヤフラムを外すと
ばねとジェットニードルが出てきます。
ジェットニードルも先端がテーパー形状になっているので
(写真ではとてもそうには見えませんが)
取付の高さを変えると燃料の出る量を調整できます。
たいていは親切にクリップが挟まっていて
その差し込む位置で取付高さが変更できるのですが
このキャブレターはシムを足して変更するしかないな。
しかし、シムを足しても引いても「これだ!」という瞬間がなく
4枚2mm足したくらいで「まあ、いいか…」というところです。
ジェットニードルの取付高さだけではベストは出せず
テーパーの形状じたいも影響するみたいです。
ジェットニードル交換か…。でも純正115馬力仕様のものは
すでに絶版らしいんだよなあ。
まあ考えておきましょう!
②と④のスロージェット、メインジェットにも触れておきましょう。
青丸がスロージェット、緑丸がメインジェットです。
ちなみに桃丸はガソリンタンクから来る燃料の入り口です。
マフラーを変更するなどした場合は全開付近の燃料調整に影響するので
メインジェットを交換して様子をみます。
何も改造していないのに調子が悪い時は
たいていスロージェットとその経路が汚れで詰まっています。
そういう意味では良くバラす部品ですね。
今回一番なるほどと思ったのは
アイドリングや低回転では燃料の吹き出し量が小さいので
むしろシビアな調整を求められる難しさがある、という点でした。
メインジェットやジェットニードルは他を調整しても
そんなに調子が左右されることはないのですが、
パイロットジェットは他からの影響をもろに受けてしまいます。
上で述べたスロージェットの不調がすぐ影響するのもそうですね。
それを考慮すると調整の順番も大事で
①→④→③→適宜②、の順番が効率的なんですって。
(あとは2気筒以上の場合、各キャブレターの同調もあるね。)
作業が無事終わりまして一応走るようになりました。
もう夜ですのでその辺をちょっと走った程度での評価ですから
また後日走りに行きましょう。
この間のみゆきツーリングの時はメッシュジャケットだったのに
後日は来期になってしまうかも知れないというね。
何となく夜撮影すると、かっこいい風味ですね(笑)。