2か月ほどブログに動きがなく、焦った方がいらっしゃると思いますが(いねーよ)
この夏は私にあるまじきことに、最新鋭のバイクをお預かりいたしまして
新車整備から登録、慣らし運転までじっくり行っておりました。
慣らし運転はおよそ1000キロ、1回200キロ走るとしても
5回ツーリングに出ないといけませんので、まあ休みをほとんど捧げたと言いますか
要するにプライベートはバイクに乗って遊びまくっていました。
すみません。ちゃんと試乗記を書きます(笑)。
実際にものが来るまでが大変だったのですが、
最近の世界的物流の混乱はオートバイ業界も例外ではなく
4月27日発売予定のものがスケジュール延期になりまして
問屋さんに予約だけいれておいて、気長に待っておりました。
もう忘れかかっていた7月12日くらい、
「急に発売予定が決まったで!この22日や」と連絡がありました。
さて、ここからまた長い待ちがあるんだろうな、
下手したら年末くらいに来るんだろうなー、と思っていましたら。
各方面様にご尽力頂いたか、単に運が良かったのか
翌7月23日、小売店であるうちに入荷です!素晴らしい!
正式採用前に実戦配備された十二試艦上戦闘機、のちの零戦のようだ。
じゃじゃーん!2022年式GSX-S125、
2017年発売ですが今年、排ガス対策やらでマイナーチェンジした新型です。
跨ってライディングポジションを確認しますと
前輪ぎりぎりの前より、高い位置のシートです。
フルカウル仕様の兄弟車GSX-R125よりは自由度がありそうですが
現代のトレンドに合わせたガッツリのスポーツ系ポジションです。
が、ハンドル回りは余裕があって、これはこれで好ましいです。
…そろそろこういう今時のポジションに
おじさんも慣れていかないと取り残されるな(笑)。
前方に着座するのでメーターも接近し、
もはやお辞儀をしないと見えない位置のメーターですが
まあそれはちょっと致し方あるまいよ。
ジェベルは速度計とトリップ/積算距離計しかありませんが
125Sはセンサー類の恩恵もあってギヤポジション、
燃料、油圧、エンジンシステム警告灯、あっ、時計が羨ましい…。
ABS警告灯が装備されていて、そうかー、原付にも標準装備なんですね。
恐らくR/S125ならではと思いますが、シフトインジケーターが付いていて
任意の回転数でビカっと光り、シフトのタイミングを教えてくれます。
そんなのレース用のマシンでしか付いていないよ?
1996年型、私のジェベルと並べてみます。まあジャンルも違うんだけど。
両方ともフルサイズボディなので、原付とは認識されづらいかも。
ジェベルは小排気量ながら長距離ツーリングを意識した作りとなっていて
後部座席の先に純正で大きなキャリアが備え付けられていますが
GSX-S125、荷物を載せる工夫が全くみられない…。
ベルトを掛けるフックすらないという割り切りの良さです。
私のようなツーリングにも行くライダーには唯一にして最大の問題点ですね。
まだ本領発揮してはいけないのですがそっと乗り出してみましょう。
原動機付自転車二種クラスというと、我々おじさんは
メイン車に対しての普段用サブ通勤通学遊び車、というイメージですが。
S125は小排気量ながら、他の原付二種とは一線を画す
バリバリのスポーツモデルだと途中から知ってしまいまして
「琵琶湖をのんびり1周ツーリングしちゃうよウフフ」という
私達が普段イメージする原付二種では全くない、ということです。
それは、原付二種に対する勝手な私達の思い込みだけれど、うわ、やられた。
軽量級もいいもんです。DUKE。 | 夏男(なつお)のひとりごと (ameblo.jp)
今時のバイクということで2019年3月に書いた、DUKE200に近い感触ですが
この時は「足が硬く感じるがダンパーの設定だろう」と書きましたが
なるほど、横から走っているところを見ていると
実はサスペンションのスロトークは頻繁に動いていて
ばね自体は結構柔らかい「ネコ足」の設定になっているようです。
この時の半ば仮説が確信にかわりました。そういうものなんだ。
今回の試乗にあたり他のインプレッション記事も読んでみたのですが
12インチのホイールを使うグロムやZ125プロもオンロードスポーツとは言え
250CCクラスのバイクと比べると挙動に違和感を感じやすい、とありました。
ああ、なるほど。ちょっと分からんでもないです。
S125の動きは、普通に考える、私の知っているバイクです。
普通に考えるバイクの動き、と書きましたが
普段GPZ900Rなどという30歳を超える古いモデルに乗っているので
S125、考えられないほどキレッキレに曲がります。恐ろしい。
遠い記憶ながらNSR250Rすら鈍重に感じます。
まだ十分にエンジンのトラクションを掛けていない状況でも
視線を送るだけでスイっとコーナーを抜けていきます。
倒し込みの瞬間もふらつきも変な抵抗もなく、
狙いたい走行ラインに、自在にピタリと付けることができます。
GPZだとこのくらいゆっくり走っていても、
ちゃんとブレーキを当てて姿勢を作らないと路肩が迫ってくるのに
格が違う(漫画「キリン」)とはまさにこのことでしょうね!
これでちゃんと荷重移動して曲がり始めたら、一体どうなるんだろう。
…恐らく公道では不可能、サーキットに行くバイクなんでしょうね。
慣らしでお預かりのため、養生テープを貼っておりますw。
そうこうしているうちに慣らしの1000kmが終わりまして
ようやく全速前進のエンジン性能もためすことができました。
…何と比べたらよいのか分からないほどの凄い性能だ。
当然のことながらジェベル125はオフロードバイクですので
低速域重視の空冷OHC単気筒エンジンを積んでいます。
余裕とは言いませんが、ガレ場をアタックしたりするトルクはある。
引き換えに80km/h以上の高速性能は完全に捨てています。
勿論125CCという排気量のなかでそれは正解なんでしょうけれど
S125、ジェベルと同等の低速トルクを確保しつつも
8000回転を越えると明確なパワーバンドがあるというね。
なのでそこまでは普通に街乗りできる良いバイクなのですが
パワーバンドに入ると「うわうわっ、マジか!」と口から出るほど
伸びの良い、気持ちの良い加速で一気に3桁km/hオーバーします。
多分というか間違いなくセロー225より速いんじゃなかろうか。
11500回転がレッドゾーンとなっていますが
10000回転を越えてからの吹け切りがまた気持ちいい!
たいていはレッド直前でトルクが急激に落ちてしまうものですが
11000回転でもなお加速しようとしています。
まるで競技用のエンジンみたいだけれど、
もしかしてECUで出力制限を掛けているだけなのかな。
本当はもっと回るような気がします。
帰り道に関ヶ原インターチェンジ前を通過しましたが、
え?高速道路乗っても、良くないですか…?
ところで、燃費もすごくて、レギュラーガソリンで51km/Lでした。
すげえな化け物か!欲しい!(もう物はないです)