ハイエースバン。 | 酋長のひとりごと

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ようやく歴代のブログを1本にまとめました。最初からお楽しみ下さい。

2021年4月より、「夏男のひとりごと」に名前が変わりました。が、「それではつまらん」と外部からのご指摘を先程受けまして、戻します。てへっ☆

遠い昔にオフロードバイクをやっている頃、
私も愛車としてお世話になっていたハイエース。
当時は「えー、バンなんてダサイ!」と一般ウケは
大変宜しくなかったのですけれど、とにかく便利。
それが最近じゃ野郎も出世しまして、
オシャレで乗る人が増えてまいりましたね。

そこで改めてハイエースバンの実力、
格好だけでないところを試乗してみたいと思います!



お借りしたのは100系と呼ばれる先代モデル、
3000CCのディーゼルエンジン搭載の最終型です。
私が乗っていたのは2400CCしかなかったので、
バイクをフル積載すると恐ろしいほど遅かった…。
全長4.7m、幅1.7mと、4ナンバー枠一杯の大きさです。
普段は軽トラックなので小山のようにでかい。



当然ですがカーゴスペースは充分に広く、
バイクと人員を同時搭載可能な大型航空母艦です。
もう一つクラスが下のライトエース級ですと
バイクは載りますが人は2人までになります。
案外知られていないのですがオフロードバイクだと
ハンドルが大きいので屋根高さが必要なのです。
およそ1.3mほど欲しいのですが、これもOK。

トヨタってなんて事のないメーカーと思いきや、
こういう商用車、プロ向けの車を作らせると
恐ろしいほどの耐久性で作ってくる事があります。
この個体、実は21万キロも走っているのですけれど
大きな傷みや劣化もなく、ドアや座席の建付も問題なし。
普通の車で21万キロだったら、下手したら
ドアなんか閉まらないですけどね(笑)。



運転席に座って着座位置をチェックしてみます。
お尻の下にエンジンがあるキャブオーバなので
座席が薄っぺらくなったり姿勢がヘンになりがちですが
座席はかなりしっかりしています。しかもヘタッてない。
しかし、商用車なので小柄な女性ユーザーのことは
もしかして割り切ってしまったのかも知れませんが
身長165cmとちびっこの私ですと、座席は最前部まで
出すことになってしまいました…。
それと、エンジンの上によじ登る必要がある以上
乗降性はよろしくありません。
大柄なおっさんが長距離を運転するのに
ピッタリの性格というところですかね!



一回座って座席調整がちゃんと決まって走り出せば
メーターとの位置関係も大変見やすく、
高いアイポイントと見切りの良さが
巨体にも関わらず案外振り回しやすいです。
全長の長さとキャブオーバーならではの前輪位置で
右左折の巻き込み事故に注意する必要がありますが
店の前の狭い路地でも大丈夫でした。

かと言って広い道路や高速道路では
ゆったりとした安定感あふれる身のこなしで
適度な大きさを感じさせてくれると思いました。
3000ccのノンターボディーゼルエンジンは
低回転域では滑らかに加速しますが、
2000回転以上回せば充分パワフルです。
登攀車線でもグイグイ前に出てくれる。

ふと思いついて試しにやってみましたが
荷物を満載し、ゆっくり衝撃を与えないような運転は
低回転域を使うとキレイに決まりますし、
逆に2000回転以上を使うように意識すれば
空車でちょっと元気良く走るような運転が可能です。
ははあ。そういう使い分けができる車なのね。

ワンボックスという騒音対策上不利な車体ですが
室内はちゃんと防音が効いていて
フロントスピーカーのみでもちゃんとラジオが聞けます。
お尻の真下で3000ccが唸っているとは思うまい。
しかし後席と全席はかなり離れているので、
と言うよりそもそも後席は完全に荷台にあるので
前席と後席間の会話はちょっと難しいでしょう。
後席に一人で座ることになると寂しいかも?



全体として思ったことは、運転していると何だか
このまま旅に出たくなるような、もっと運転してみたいような
不思議な気分にさせてくれる車でした。
何でしょうね、運転してて面白い車ではないはずだが(笑)。
地味ですが、多分物凄くデキの良い車なのかと思いました。

確かに時々トラックを借りて乗ると同じように思うのだが、
プロが使う道具として追求したところ、また諦めたところを
真剣に突き詰めた結果なような気がします。
以前書いたシトロエン2CVも完全実用車ですけれど
そういわれて見ると同じような匂いを感じますね。

うん、いい車だ!やれば超デキるトヨタ!