既存住宅状況調査の2次インスペクションで、耐震診断・耐震補強する場合が多くなると思います。

 

耐震補強の方法によって地震時の被災状況が異なることがありますから、耐震補強構法の特性などの情報を理解することが必要です。

(耐震補強時だけでなく、新築時の検討にも有益だと考えます)

 

上部構造の耐震補強としては下記があります。

 

①強度抵抗型

強度の高い耐力壁を増やすことにより、強さによって建物全体を強くする方法です。

住宅では一般的に多く用いられ、実績が多く、一定の信頼性が確保されている工法です。

 

②靱性確保型

繊維等により建物の粘り強さを増して、変形に伴うエネルギー吸収によって倒壊を防ぐ方法です。住宅では基礎補強に利用されることが多いです。

S造・SRC造等で建物全体で採用された場合は、大地震時に倒壊しないものの大きく変形し、地震後の建物の損傷は大きくなる特性があります。

 

③制震構法

地震のエネルギーを制震装置などによって吸収し、応答を低減する方法です。

大地震時の変形は少なくなりますが、日常的な振動や中地震に対して変形が大きくなることがあります。

 

④免震構法

免震装置などにより、地震時に建物に入力される力を小さくする方法です。

 

このように、用いる構法に対して正しい知識を身につけ、補強計画を立てることが重要です。

設計担当者や営業担当者の説明を鵜呑みにせず、上記を元にお施主様ご自身でも検討することをお勧めします。