よりましな人』、場合によっては『ひどさ加減の低い人』をドライに選ぶ。
それが小選挙区制度の下での究極の選択

前回衆院選の全小選挙区で自民党候補が獲得した得票数の合計は、
棄権も含めた全有権者数の約24%。
それなのに比例代表を含めた獲得議席は全体の6割となった。

「棄権と白票は大抵の場合、
前回の選挙である一定の支持層を固めた与党に有利に働きます。
だから棄権は、自分にそのつもりがあってもなくても結果的に与党を後押しする。
抗議の意思表示にはなりません」

掃除をやめてしまえばすぐにほこりがたまってしまう。
それは政治にも同じことが言えます。
民主主義が健全であるためには皆が投票に参加して、
絶えず『掃除』をすることが必要なのです」

以上。
毎日新聞の記事を要約してみました。

「棄権は危険」の元祖?としては複雑ですが・・(笑い)
棄権は危険!! 争点は、安倍首相への白紙委任 是か非か?

毎日新聞より
衆院選 投票すべきか迷うあなたに 棄権は危険 「抗議の白票」は逆効果
【どうせこの1票では未来は変わらない。こう思っている有権者が増えているのだろうか。衆院選の投票率が、前々回(2012年)、前回(14年)と2回連続で戦後最低を記録した。この背景には何があるのか。そして投票日が迫る今、あえて言いたい。「棄権」は危険だ、と。【小林祥晃】

果たして、今回の衆院選はどうなるのか。衆院解散直前、小池百合子東京都知事が希望の党を設立。「政権選択選挙だ」とぶち上げて注目度が高まったが、その後、民進党との「合流」を巡るゴタゴタが続き、報道各社の情勢調査では「与党が優勢」と伝えられた。有権者が、この1票が勝敗を左右すると期待できなければ「1票の重要性は低い」と考えがちだ。そうなれば棄権が増えかねない。

 しかも今回は「解散の大義がない」などといった批判が根強い。そのためだろうか、インターネット上では「投票先がない」「棄権したい」という人たちが抗議の意思を込めて「積極的棄権」の署名を集めている。選挙後に衆院議長に提出する予定で、既に5000人以上が賛同した。この人たち全員が必ずしも棄権するわけではないが、政治家の身勝手な選挙を繰り返してはならないという気持ちは伝わる。政治に不信感を抱く有権者は納得してしまいそうだ。
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 前回衆院選の全小選挙区で自民党候補が獲得した得票数の合計は、棄権も含めた全有権者数の約24%。それなのに比例代表を含めた獲得議席は全体の6割を占める大勢力となった。

 このゲームを有利に進められるのは誰か。岡田教授は、一定数の人たちが必ず投票してくれる態勢を固めた陣営だという。「組織力で前回の選挙を勝ち抜いた陣営にとっては、自分に投票してくれた有権者だけが投票してくれれば、次の選挙も楽に勝てる。簡単に言うと、棄権は組織を固めている人を勝たせることになるわけです」

 この理屈は白票も同じ。無効票となり、結果に影響しないからだ。「棄権と白票は大抵の場合、前回の選挙である一定の支持層を固めた与党に有利に働きます。だから棄権は、自分にそのつもりがあってもなくても結果的に与党を後押しする。抗議の意思表示にはなりません」

 前出の小林教授は選挙を家の掃除に例える。「掃除をやめてしまえばすぐにほこりがたまってしまう。それは政治にも同じことが言えます。民主主義が健全であるためには皆が投票に参加して、絶えず『掃除』をすることが必要なのです」

 選挙では、結果を出す、改革、リセット、政治を国民の手になどといった言葉が飛び交うが、政治を変えるには1票の積み重ねがやはり必要なのだ。

 それでも「投票したい人がいない」と迷う場合は? 岡田教授は「選挙は『恋人探し』とは違う。理想の人を求める場ではないのです。『よりましな人』、場合によっては『ひどさ加減』の低い人をドライに選ぶ。それが小選挙区制度の下での政治選択なのです。難しくありません。誰もがこうした選択を社会で経験していますよ」。

「政治に絶望していても始まりません。あなたが棄権しようが白票を投じようが、政治は続くのですから」と語る。

 自分が大事にしたいことを冷静に考えてみる。その上で今できる最良の選択をし、1票を投じたらどうだろう。】