東芝が、「原子力ルネッサンス」を夢見て注ぎ込んだ6600億円は、想定外?の福島原発事故で水泡に帰し、東芝本体の存続さえ危ぶまれる事態。

 東芝の経営幹部の間では、米原子力子会社の巨額減損を巡り、緊迫したメールのやり取りが・・

 沈み行く≪原子力≫という虚艦にしがみつく 東芝・三菱・日立・・
経営にシビアな欧米企業が見切りをつけた、WHというババを引かされた結果の東芝粉飾決算事件。

 いかに国策民営、政府が後ろ盾の原発と言えど、〝死に体〟からの復活は絶望的だろう。
※ 原発は「日本のお荷物」! 推進論は完全に破たん=小泉元首相

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 日経ビジネスより
スクープ 東芝、米原発赤字も隠蔽
内部資料で判明した米ウエスチングハウスの巨額減損

【東芝の中核子会社で原子力発電所の建設や保守を手掛ける米ウエスチングハウス(WH)が、計1600億円の減損処理を行っていたことが日経ビジネスの取材で分かった。東芝経営陣の電子メールのやり取りなどを記録した内部資料から判明した。
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 東芝における原子力事業は、2006年に約5400億円を投じてWHを買収した頃から大きく変容する(後に出資額は計6600億円に増加)。買収当時の社長の西田厚聰や副社長の佐々木則夫は、2015年度までに30基以上の原発新設を受注し、原子力事業の売上高を1兆円規模に伸ばすと公言していた。

 もくろみは2011年の東日本大震災で大きく揺らぐ。新規の受注実績は、2015年に至っても計10基にとどまる。それでも東芝は、WHを含む原子力事業で5156億円の「のれん及び無形資産」を9月末時点で計上している。一方でWHの売上高や利益、資産状況は明らかにしていない。】一部抜粋

 毎日新聞より
東芝子会社巨額損失:原発新規受注なく…非公表に不信感
【東芝の原発事業に市場の注目が集まるのは、同社が原発を収益の柱に据えながら、原発事故や最近の原油安などを背景に「想定外」の苦戦を強いられているためだ。

東芝は06年にWHを買収。最終的に総額54億ドル(約6600億円)を投じてWH株の87%を取得した。原発建設が世界的に拡大するとの見方があったためだが、06年当時から「WHの資産価値と比べて買収金額が巨額で、高値づかみになっている」との指摘が出ていた。

 実際に東日本大震災以降、WHは原発の新規受注ができず、保守点検などで収益を稼ぐ状況が継続。当初想定よりも原発事業が低迷しているのは明らかで、市場では「WH関連の資産価値を大幅に引き下げ、東芝は巨額の損失を計上することになる」との観測がくすぶっていた。

 しかし、東芝は新規建設以外の原発事業は順調として、同社本体の決算ではWHの資産価値を引き下げる損失計上は回避。一方でWHの詳細な業績は公表してこなかった。東芝関係者からは「もっと積極的に情報公開すれば、市場の不信感を緩和できたはず」との批判が上がっている。】一部抜粋