「科学的にわからない」ということを、「無い」と摩り替えた、原爆症での手法とそっくりの汚い遣り口で、
中立であるはずの原発ADR原子力ムラに味方することは許しがたい裏切り行為だ。

 原爆症では、最近まで「入市被爆者」の認定申請は却下されてきたが、
2008年、認定基準が変わり放射線を帯びた土などが出す「残留放射線」の影響が認められた。

 福島原発事故に於ける福島県民の被ばく被害も、原発の爆発での直接被ばくではなく、
その後風に乗って降り注いだ「死の灰」による間接被ばく。

 福島県民の健康被害が、福島原発製の「死の灰」による被ばく被害とは証明できない?と、
東電や政府・原子力ムラは賠償責任から必死で逃げようとするが・・

 @動画・原発問題より
NHKスペシャル「見過ごされた被爆 ~残留放射線 63年後の真実~」/「科学的にわからない」ということを、「無い」とすり違えた・・・。

【原爆投下から63年。原爆の放射線による原爆症の認定基準が今年(※2008年)、大きく変わった。

見直しの特徴は、原爆投下後市内に入った「入市被爆者」と呼ばれる人達に対して、原爆症と認定する道を開いたことだ。これまで国は初期放射線の被害は認めてきた一方、放射線を帯びた土などが出す「残留放射線」の影響はほとんどないとして、11万人いた入市被爆者の原爆症認定の申請は、ほぼ却下してきた。

被爆後、広島や長崎市内に入った入市被爆者は、直接被爆していないにもかかわらず、放射線の影響とみられる急性症状が現れ、その後、白血病やガンなどで亡くなった。当時、いたる所で放射性物質と化した土砂や建物、死体から強い残留放射線が発生したことなどにより、相当量の被ばくをしていたとみられる。】一部抜粋

 毎日新聞より
原発ADR:中立医師を参加させず 5例判明 憤る被災者
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【東京電力福島第1原発事故の賠償問題を裁判外で解決する手続き(原発ADR)を担当する国の「原子力損害賠償紛争解決センター」が、避難後に死亡したり後遺障害を負ったりした被災者に対する慰謝料を算定する際、中立的な立場の医師の意見を聞かないまま結論を出していたことが分かった。センター側は迅速に処理するためと説明するが、被災者側の医師の主張を覆し、低額の慰謝料で和解した事案もある。手続きの不透明さが一層鮮明になった。【関谷俊介、神足俊輔】

 センターの「業務規程」には「専門的知見を有する者から意見聴取できる」と記載され、独自に中立的な医師から意見聴取できる。しかし、毎日新聞の取材では、死亡事例で3件、後遺障害事例で2件は、この手続きを踏んでいない。このうち、福島県南相馬市の無職女性(66)の場合、被災者側の医師2人の意見が覆された。

 女性は高血圧の既往症はあったが他に病気はなく、家事や畑仕事をこなしていた。2011年3月12日の原発事故で避難を開始。10日後の午前5時ごろ、2カ所目の避難先の体育館で、トイレに腰掛けたまま意識を失い、救急搬送され福島市の病院に緊急入院した。

 診察結果は脳出血。リハビリで左手足は少しは動くが、感覚は戻らない。つえなしで歩けなくなった。原発事故で自宅への立ち入り制限が続いており、今は次男と孫の3人でアパートを借りて暮らす。「迷惑をかけまい」と台所に立ったこともあったが、まひした左手を包丁で切ったことに気づかず、血が流れていて驚いたこともある。家事ができず「死んだ方がましと思うこともあった」。

 原発ADRには女性を診察した医師3人が意見を記載した文書を提出した。救急搬送先の医師は「(原発事故の影響の)程度は分からない」としたが、かかりつけ医とリハビリ担当医がいずれも「ほぼ全面的」に事故の影響とした。東電側は「影響は50%前後」とする、女性を診察したことのない医師の見解を提出。センターは13年8月、中立的な医師に意見を聞かないまま「50%」とし、慰謝料700万円とする和解案を提示。50%と判断した理由は記載されていなかったが「もう年だし、あきらめるしかない」(女性)と、同10月に和解が成立した。

和解後、中立的な医師の意見聴取を実施していないと知った次男は「専門家の意見を聞いてほしかった。これでは申し立てた意味がない」と憤った。センターの事務を担当する「原子力損害賠償紛争和解仲介室」で今年3月まで室長を務めた野山宏氏は取材に対し「専門家への聴取はしていない。一件一件丁寧にやり出したら、今の審理期間(和解まで平均約半年)は維持できない」と話した。

 センターを巡っては通常の損害賠償訴訟より低い死亡慰謝料の基準額を設定。「事故の影響はほぼ一律に50%」とするルールも適用し、基準額の半額で和解する事例が相次いでいる実態が明らかになっている。】一部抜粋