【脱原発、行って納得、見て確信--。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。

 三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」

 小泉が答えた。

 「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」

 「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」

 3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。】

毎日新聞 風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男の一節だ。

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 映画『100,000年後の安全』公式サイト
「おカネ」より「モラル」を優先して生きる
【原発と高レベル放射性廃棄物の問題をできるだけシンプルに「おカネ(経済)」と「モラル(倫理)」という二つの面から考えてみました。原発が作られるところには莫大な交付金が渡されます。

 それは万が一のリスクと引き換えに「おカネ」を与えられるわけです。その地域においては「おカネ」がありがたいのであり、原発がありがたいわけでなく他の産業でもいいのです。

 この「おカネ」はよく考えると、先払いの生命保険のようなものではないでしょうか。そのような先払いの保険で得をするのは、後世の人ではなく現在の人だけです。せいぜい子供、孫の代まではその「おカネ」の恩恵を被ったとしても10万年とは言わず、1000年後の人には関係のない「おカネ」でしょう。

 今の世の中の大半の人は目先の「おカネ」に弱いものです。そのことをわかった上で、原発を作る地域の人に後世の人のことを考えなくさせる位の額を目の前に見せて原発を作るというのは「モラル」に反した行為だと思います。】   

 ガジェット通信より
小泉元首相が原発について考えるきっかけとなった映画『100,000年後の安全』無料配信決定
【2月9日に投票が行われる「2014年東京都知事選挙」都政が抱えている様々な問題はもちろん、原発のあり方も大きな論点となっています。そこで、映画配給会社アップリンクが2011年4月に公開し大きな話題となったドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』をなんと無料配信。イデオロギーを超えて原子力発電所について考える映画として、本編吹き替え版全編をYouTubeにて公開します。

『100,000年後の安全』は原発から生まれる高レベル放射性廃棄物の処理をめぐり、未来の地球の安全を問いかける問題作。 小泉元首相が本作を観て、映画の中で描かれたフィンランドの最終処理場「オンカロ」を視察で訪れ、自らの意見を”脱原発”に大きく転換するきっかけとなっています。

本作の映画監督マイケル・マドセンは、こう言っています。

マイケル・マドセン:オンカロの取材をしたとき、学者たちに「高レベル放射線廃棄物処理場が作れない国があるとしたらどこか」という質問をしました。その答えは日本でした。現在の科学では放射性廃棄物の処理は地層処理しかないと言われていますが、地層処理場ができないのに原子力を持っている国である日本は、火山があり地震があり、常に地層が安定していません。

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筆者も当時映画館で本作を観ましたが、監督が取材を何度も重ね事実に基づいた淡々とした描き方が、結果的に息がつまる様な緊張を与える作品でした。原発についてあまり知らなかったわけですが、色々と考えさせられる、多くの方に観ていただきたい映画です。

映画配信は2014年1月22日(水)正午12時~2月10日(月)正午12時です。

映画『100,000 年後の安全』
マイケル・マドセン監督
(2009 年/79 分/デンマーク, フィンランド, スウェーデン, イタリア)
日本語吹き替え版ナレーション:田口トモロヲ                 】一部抜粋

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