「使用済み核燃料というのは、無限のコストを発生させる巨額の負債」

 福島原発事故の以前でも、巨額の負債を資産と計上したバランスシートを是正すれば、
原発を持つ電力9社は実質債務超過の倒産状態。

 福島原発事故を待つまでもなく、とっくの昔に「死んでいる」状態だった。

 しかも、原発は事故のリスクが大きすぎて、「世界最大の保険協同組合であるイギリスのロイズ保険組合でさえもひきうけられない」

 原発を経営面から見ると、その存在自体が「不良債権」、ではなぜ?電力各社はそんな「お荷物」原発にのめり込んでしまったのか?
 
 それは当時の政府自民党が、潜在的核武装のため?無理やり美味しい餌をぶら下げ、要請したから?

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 BLOGOSより
城南信金さん、「金融機関として審査すると、原発は不良債権」ってホントですか?
【電力会社のバランスシートが、会計上おかしい理由
もんじゅ:さきほどのお話にもあったんですが、「お金の貸し付けを審査する」という金融機関の立場からは、事故を起こした東電さんはじめ、原発をかかえている電力会社はどうみえるんでしょう? 原発は、お金の面でみてもやっぱりおかしいんですか。

吉原:明らかにそうですよ。「ただしくないこと」っていうのは、お金の流れというかたちでみていっても、最終的におかしなところが出てきてしまうんです。でもそれが現状では通ってしまっている。それは会計制度が歪みなんですよね。

 電力会社のバランスシート(貸借対照表)なんですが、きちんと計算してみればわかるんですよ。たとえば東京電力は、原発事故を起こしてしまったことで巨額の費用がかかりますよね。

もんじゅ:そうですね。事故処理費用も補償費用もけっきょくは一企業ではまかなえなくって、国からすでに何兆円もの公的資金がつぎこまれています。

吉原:じゃあ、原発事故というのはリスクとしてカウントされるはずですよね。会計的にいうとこれは保険の費用になるので、保険料にカウントされちゃうわけです。でも、あんなに影響範囲のおおきな事故をカバーできる保険屋さんはどこにもないんですよ。

もんじゅ:保険屋さんも、「ひきうけたくない」って話になりますよね。

吉原:そう、世界最大の保険協同組合であるイギリスのロイズ保険組合でさえもひきうけられないって明言しているんですよ。とくに日本は世界でもっとも地震が集中している国じゃないですか。ほかの国の原発だってやっとこさなのに、日本の原発なんてカバーできません。しかも、福島第一原発事故の損害賠償っていうのはじっさいには無限大ですよね。

もんじゅ:そうですね。被害者のかたにはちゃんとした補償金は支払われてはいませんが、被害額は無限大です。立ち入ることのできない土地が生まれてしまったわけですから。

吉原:無限大の事故を想定してカバーできる保険なんてありえない。そうすると、保険料をきちんとかけた場合に採算があわないんです。いってみれば、原発はブレーキをはずした車のようなものですよ。保険というブレーキをかけずないまま運転していて、暴走しちゃったんです。これは経済観点からみておかしいんです。会計上、採算があわないのは明らかなんですよね。

将来の負債である使用済み核燃料が、資産として計上されてしまっている
吉原:おなじように考えると、使用済み核燃料の扱いもおかしいですよね。

もんじゅ:いまはどの電力会社も、どうも使用済み核燃料を資産として計上しているみたいです。

吉原:そうなんです。でも本来ならば、使用済み核燃料には巨額の処理費用がかかるわけでしょう。いまはプラスとマイナスがまったくの逆になっちゃってるんですよ。あんなもの資産じゃなくて、将来に残るたいへんな負債ですよ。

もんじゅ:金融機関からみれば、「将来、どうやって負債(使用済み核燃料)を支払うつもりなのかがわからない」という判断になるんでしょうか。

吉原:はい。あれはおそらく、核燃料を買ったときの値段で計上しちゃっているじゃないですか。そういうのを「取得価格計上」っていうんですけど、いまの会計の主流なやりかただと、「将来発生するキャッシュフローをいまの時点で評価するとどうなるか(ディスカウントキャッシュフロー)」で計上すべきなんですよ。

 そうすると電力会社がためこんでいる使用済み核燃料というのは無限のコストを発生させる巨額の負債なんです。ところがその負債を資産だといいはっている。じっさいには大穴を開けちゃってるんですよね。そういったことも会計的にいえば、おおまちがいですよ。

もんじゅ:会計的に破綻しているものなのに、原発がないと電気代が高くなるとか、経済がたちゆかないなんていうのは、やっぱりヘンですよね。

吉原:それから廃炉費用だって、引当金などで一部しか計上していない。これもおかしな話なんです。発電量に応じて廃炉費用を計上するしくみなので、いまは発電が停まっていてずっと引当計上していません。しかし、発電していようがいまいが廃炉費用はかならず発生するんですよ。だから、これは不適正計上なんです。】一部抜粋