「被害者の生活再建という視点」で、転居先との不動産価格差も考慮した現実的和解案が提示されたが、
賠償金の切下げに必死な東電が、果たしてこの和解案を呑むか?

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 NHKニュースWEBより
原発事故 不動産賠償で新たな和解案
【原発事故の不動産賠償について、国の紛争解決センターが「転居先で住宅を確保できるよう、事故前の不動産価格より賠償額を引き上げるケースもある」とする新たな和解案を示したことが分かりました。センターが現在の賠償基準を上回る新たな考え方を示したことで、今後の不動産賠償への影響も予想されます。

国の「原子力損害賠償紛争解決センター」は、被害者と東京電力との間の和解を中立的な立場で仲介するために設けられています。

申し立てたのは、福島県双葉町から避難した夫婦で、「東京電力の不動産賠償は事故前の価格が基準だが、土地の安い町から都市部に避難すると新たな家が買えない」と主張していました。

これについて、センターは「地価が高い地域への転居がやむをえない場合、今のままでは赤字になるため、住宅を確保できるよう事故前の不動産価格よりも賠償額を引き上げるケースもある」と判断しました。そして、土地の賠償額を事故前の価格より150万円余り高いおよそ1120万円とする新たな和解案を今月下旬に提示しました。

和解案に対する東京電力の対応はまだ決まっていないということですが、センターが新たな考え方を示したことで今後の不動産賠償への影響も予想されます。

東京電力は「個別のケースについての具体的な回答は差し控えたい」としています。

今回の和解案について、原発事故の賠償に詳しい中所克博弁護士は「被害者の生活再建という視点を取り入れ、別の場所に引っ越してもできるだけ暮らしが成り立つよう賠償を行うとした点で大きな価値がある。東京電力は、この和解案を重く受け止めて、被害者の立場に立った賠償を実現してほしい」と話しています。】