もしあの時、井戸元判事が下した一審判決通りに志賀原発2号機が運転停止されていたなら、
その後の原発建設計画も中止されたはず。

 福島原発1号機も事故前に廃炉になり、あの大事故も起こさずに済んだかも知れない。
そういう意味では、司法当局も福島原発事故の共犯者と言える。

 大飯原発や志賀原発に限らず、日本の原発に断層のない所など一箇所も無いだろう。
それを、この断層は動かない?とする原子力ムラの主張を、司法が鵜呑み?にした結果、電力各社は安全を無視して断層の上に原子炉を造り続けてきた。

 彼ら原子力ムラの住人は、原発の為なら日本壊滅も厭わない確信犯だ。
もちろん、大飯再稼動を決断?した、野田政権の4人組も原子力ムラの一員だろう。



 時事ドットコムより
志賀原発も直下に活断層か=保安院、再調査検討
【北陸電力志賀原発(石川県志賀町)1号機の原子炉建屋直下を走る断層が、活断層である疑いのあることが17日、経済産業省原子力安全・保安院の調査で分かった。

保安院はこれまで、この断層を「活断層ではない」とした北陸電の評価を妥当としており、見落としていた可能性もある。保安院は同日午後に開かれる専門家意見聴取会で、再調査の必要性を検討する。

 原発の耐震安全審査指針は、約12万年前以降に活動した可能性を否定できない断層を活断層とし、その上には原子炉建屋など安全上重要な施設は建てられないと規定している。再調査で早期の再稼働が難しくなるだけでなく、結果によっては「立地不適格」として廃炉の可能性が出てくる。

 保安院によると、問題となったのは1号機原子炉建屋の南西角を走る「S-1断層」。保安院は1988年の1号機設置許可や、2009年の耐震指針改定に伴う2号機の再評価(バックチェック)中間報告などの際、「活動性はない」とした北陸電の報告を妥当としてきた。

 しかし、東日本大震災を受けて全国の原発敷地内の断層の再評価を進める中で、当時の掘削調査結果を調べ直したところ、約12万年前以降に活動したと疑われる形跡が見つかったという。】

志賀原発 運転停止判決 井戸元判事が語る
$げんぱつニュース-1

【昨今、全般に司法が行政の言うがままという傾向が顕著です。原発裁判などはまさにその繰り返しです。今週の週刊現代も、司法のいい加減な判決によって、多くの無辜の民が原発震災を受けていることを指摘しています。

そういう中で井戸元判事は勇気ある聡明な判決を下しました。無理が通れば道理が引っ込む、石が流れて木の葉が沈む、というのがこれまでの原発行政でしたから、判決当時は司法界や政官界で、「奇行」呼ばわりされたでしょうが、今となっては先見の明は明らかです。

論理的に考えれば初めからこうだということです。

福島について井戸元判事は、本当に津波のせいだったのか、と言っています。
これが司法のプロの視点です。重要な指摘です。

実際には、津波が来る前に地震で配管が壊れて冷却水が降ってきた、との作業員の証言があり、作ったGEも、あれは地震で壊れると言っており、また保安院長は国会で、地震で鉄塔が倒れて主電源を失ったと証言しました。

そもそも、地震のあと、作業員が逃げ出したというのがおかしいのです。

地震の揺れがおさまって、津波が来るまで40分もあり、その時点ではどのくらいの大きさの津波が来るのか分からないし、津波は大丈夫と東電が言ってきたのですから、逃げる理由はありません。

逃げ出す理由は、目の前で原発が壊れて煙や水蒸気を吹き出していた、ということです。】一部抜粋

 失敗学会HPより
志賀原発2号機運転差止判決

唯一の原発差し止め判決の裏側  TBS・NEWS23? レイバーネットTVより
【巨大地震が起こったら原発は大丈夫か?安全性については、これまで何度も法廷で争われてきました
。全国8か所の原発で、住民が運転差し止めの訴えを出して争いましたが、訴えは相次いで退けられ
ています。そんな中、たった一度だけ住民の訴えが認められ、原発の運転をしてはならないという判
決が出たことがあります。当時の裁判長が重い口を開きました。

「原発事故は取り返しがつかない。原発事故を起こさないための司法の責任」

元金沢地裁裁判長・井戸謙一氏。32年間、裁判官を努めてきた彼は、かつて民事裁判の歴史で極め
て異例とされる判決を出しました。それが・・・

「原発を運転してはならない」

石川県にある志賀原発の2号機について、「電力会社の想定を超えた地震によって原発事故が起こり
、住民が被ばくする可能性がある」として運転差し止めを命じたのです。原発の差し止めを求める住
民訴訟はこれまで各地で起きていますが、訴えが認められた例はありません。

「これが金沢で言い渡した判決。裁判官人生の中で一番記憶に残る事件」(原発の差し止め判決を出
した 井戸謙一元裁判長)

井戸元裁判長が初めてテレビの取材に応じました。

Q.判決を出すまでに一番大事にした軸は?
「生命、身体、生活環境に大変な影響、万が一、原発事故が起こると。一方で電気の供給など公共的
な面もある。そのバランスの中で、どこまで司法が関われるか、慎重に考えたいと思った」(原発の
差し止め判決を出した 井戸謙一元裁判長)

このとき、井戸氏が書いた判決文にはこんなくだりがあります。

「可能性として、外部電源の喪失。非常用電源の喪失。さまざまな故障が同時に。多重防護が有効に
機能するとは考えられない」

福島第一原発の事故を予言するかのような文字が並びます。

(判決のシナリオがそのとおりになった・・・)
「判決をした原発とは違うが、危惧したものが現実になるというのは大変なショックでした。(福島
第一原発の)事故が想定外なのかというと決してそうではないと思うし、そんなに軽々しく想定外と
いう言葉を使うものではないと思う」(原発の差し止め判決を出した 井戸謙一元裁判長)

原発事故を想定しえた判決。判決は、地震で事故が起こった場合、その被害は取り返しがつかないと
いう住民の訴えに重きを置いたものです。

「人間の知恵なんて知れている。地球のこと、地震についてどれだけのことが分かっているか、そこ
には謙虚にならないといけない。事故に備える、地震に備えるという姿勢がやはり電力会社に必要な
のでは」(原発の差し止め判決を出した 井戸謙一元裁判長)

原発の差し止め訴訟は全国8か所で行われてきましたが、「原発の地震対策は妥当である」などとし
て、住民の訴えが認められることはありませんでした。志賀原発についても、控訴審で「国の耐震指
針に適合していて問題はない」などとして、住民側が逆転敗訴しました。

志賀原発は一審判決の後、1200か所にわたる耐震の改善工事を実施。安全性を高めてきました。
ですが・・・発生したレベル7の事故。志賀原発を抱える地元にも動揺が広がりました。

「この近くで何かあったとき、子供たちがどうなるだろう、そういう思いは強い」

志賀原発から10キロの場所に住む友禅作家の志田弘子さん。原発の差し止めを求めた原告の一人で
す。福島の事故以降、町の空気が変わったといいます。

「みんなが信じようとしていたものに、なんか裏切られたような。みんなが不安を持っている声がい
っぱい聞こえるようになった」(志賀原発の近くに住む 志田弘子さん)

志賀町で先週行われた町議会選挙では原発訴訟のリーダーがトップ当選。収まらない不安が裏付けら
れた形です。一方で北陸電力は、事故を想定した訓練を行ったり、大津波を防ぐ防潮堤の建設など、
安全強化策を発表。「さらなる安全性に万全を期し、わかりやすく丁寧に説明していきたい」とコメ
ントしています。

Q.裁判所自体も、ある種安全神話に乗っかっていた点はある?
「結果として、司法はほとんどが今までの原子力行政、あるいは電力会社の仕事を追認してきたわけ
で、そこでいろいろな警告を発していれば、こういう事態はなかったかもしれない。最後の砦である
という自覚をより深刻に持って仕事することが、これからの裁判官に求められるのではないか」(原
発の差し止め判決を出した 井戸謙一元裁判長)】