東電は、燃料原油の調達価格が割高な理由を、
「環境規制や発電効率を高めるために品質の高い燃料を調達しているため」と言い訳しているが、
国際的原油価格の指標になっている”WTI原油”は
「西テキサス地方で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油」で、
その直近の価格は、ユーロ危機を反映してなんと、たったの84.5ドル。
貿易統計の算出機期間とされる、12年1~3月の平均価格も100ドル以下。
イラク危機で原油が高騰した時でさえ109.9ドル、東電の算定した123.98ドルとは程遠い価格。
更に円高差益?を加味すれば、実質3~5割も割高な計算になるだろう。
本来なら倒産するところを巨額の税金で助けられながら、大企業平均よりも高い平均年収や、
こんなインチキな計算による電気料金値上げ申請など認められるはずがない。
WTI原油先物とは
【WTIはウエスト・テキサス・インターミディエートの略で、西テキサス地方で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のことを指します。そのWTIの先物がニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されています。
原油価格の代表的な指標にはこのWTIのほか、欧州産の北海ブレント、中東産のドバイがあり、これらが世界の3大原油指標と言われています。
そのなかでも、WTI原油先物は、取引量と市場参加者が圧倒的に多く、市場の流動性や透明性が高いため、原油価格の指標にとどまらず、世界経済の動向を占う重要な経済指標の1つにもなっています。】
毎日JPより
東電:火力燃料「割高で調達」…料金審査委が公表
【東京電力が電気料金の原価に算入している火力発電の燃料費が、貿易統計の平均価格に比べて割高であることが4日、明らかになった。東電の電気料金値上げの妥当性を審査する経済産業省の有識者会議「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念潤司中央大法科大学院教授)が公表した。東電は「環境規制への対応や発電効率向上のため、硫黄分の低い高品質の燃料を調達しているため」などと説明している。
東電は、電気料金の原価を算定する期間(12~14年度)の平均価格として、原油は1バーレルあたり123.98ドルとしたが、貿易統計の12年1~3月の平均価格より5.9%高かった。同様に、石炭は1トンあたり148.75ドル(同2.0%割高)、液化天然ガス(LNG)同875.38ドル(同1.7%割高)だった。委員からは「(調達価格が)指標価格などと連動しているか、具体的に示してほしい」などと、注文がついた。
東電は、将来的には、市場価格が低い北米産の新型天然ガス「シェールガス」を購入し、調達価格を現在より抑えることも検討するとしたが、公的な統計に比べて割高な原価は批判を浴びそうだ。】