BBC制作のドキュメンタリードラマ 

 ソ連の調査委員会の中心人物、レガソフが語るという形で、チェルノブイリ事故の真相をあかす。
隠蔽をはかる上層部、命をかけて事故を収拾しようとする職員、死の灰を無防備に浴びる住民など。

 事故の2年後に自殺したレガソフが遺した回顧録をもとにしたもので、いま福島で起きていることを見ているような感覚に襲われる。フクシマにもレガソフはいるのか?

 無知と無謀と無責任、愚かな、余りに愚かな原発関係者の姿、福島原発事故での東電、政府の慌てふためく姿が重なって見えてくるよう。




 録画地獄さまより
ドキュメンタリードラマ「チェルノブイリの真相 ~ある科学者の告白~」
【「これを語るのは私の義務…」と言い遺して自殺したソ連の調査委員会の中心人物、レガソフ氏の回想録を
もとに、チェルノブイリ原発事故の現場を生々しくドラマで再現する。

 旧ソ連の調査委員会の中心人物で、爆発の当日にチェルノブイリ原発事故現場に向かった科学者、
ワレリー・レガソフ。

 知識もモラルも乏しい現地の幹部たちの間で、燃えさかる核の炎を消し止め、死の灰を無防備に浴びる
住民を避難させようと孤軍奮闘。

 被害拡大を防ぐには情報の公開が必要と主張するが、隠蔽を図る上層部の圧力を受けて苦悩する。
事故の2年後に自殺したレガソフの回想録を基に、現場で何が起きていたのかを再現する。】

 NHK.BS世界のドキュメンタリー
チェルノブイリの真相~ある科学者の告白~ 
【1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発の大爆発。旧ソ連の事故調査委員会の主要メンバーとして、
事故後すぐに現地入りした科学者、ワレリー・レガソフが自ら見聞きした体験をまとめた回想録を元に描いた
ドキュメンタリードラマ。

 爆発事故は、皮肉にも停電などで外部からの電力の供給がストップした際にいかに原子炉を安定して
運転させるかを確かめる安全試験の最中に起きた。すぐに消防が駆けつけ消火作業にあたったが、放射線を浴びて倒れていった。

 現場には、事態を正確に把握して指揮をとれる者はおらず、幹部たちは何とか事故の情報を内輪にとどめることだけに執着した。

 その結果、事故の後も多くの従業員が発電所にとどまり被爆した。さらに、従業員の家族などが暮らす
人口3万5千の街では、事故の情報は伝えられず、見えない死の灰が降り注ぐ中で、いつもと変わらぬ生活を送っていた。

 2ヵ月後、IAEA国際原子力機関で報告を行うこととなったレガソフは、事故の影響の大きさを考慮して、
ありのままの全てを公にすべきだと主張するが、政府側はレガソフを諭し、事故は従業員の操作ミスが
重なったために起きたとだけ、公表させた。

 チェルノブイリ原発事故の現場で何が起きていたのかを生々しく描くとともに、事故の背景に、単なるミスを
超えた国家や社会のあり方が横たわっていたことを指摘する。

原題:Chernobyl Nuclear Disaster
制作:BBC/Discovery Channel/ProSieben (イギリス/アメリカ/ドイツ 2006年)】