放射性セシウム体内除去剤、そんな良い薬があるのなら、被ばくによる健康被害に怯える福島の人たちに
配ってくれたら良いのに、と思ったのだが、
どうやら、国(防衛省?)が放射性セシウム体内除去剤を緊急に輸入したのは、原発事故の復旧作業に
あたる自衛隊員のためで、福島県民の被ばく被害者のためではなかったようだ。
ただ、300ミリシーベルト以下では効果はなく?大量の被爆を受けた際に、専門の医師に拠って処方される薬で、自衛隊員以外にも福島原発の作業員の方には投与されていたかも知れない。
インターネットでの個人輸入なら、1箱1万5,000円(5日分)らしいが、低カリウム血症の副作用があり、
医師の処方以外は薦められないとの事だ。
この薬は、2010年10月に製造販売承認が取得され、2010年12月に発売されたそうで、福島原発の事故に
ぎりぎり間に合った?訳だが、何か原発事故の兆候でもあっての事だったのだろうか?
尚、「ラディオガルダーゼ」を輸入販売した「日本メジフィジックス」は、福島原発の製造メーカー米GEの子会社と、経団連・米倉会長の住友化学の合弁会社だそうだ。
除染利権といい、瓦れき処理利権といい、原子力ムラの方々は本当に抜け目がないと関心してしまう。
医療介護CBニュースより
『放射性セシウム体内除去剤を緊急輸入- 大震災対応で日本メジフィジックス』
【 日本メジフィジックスが、放射性セシウム体内除去剤1000瓶(1瓶36カプセル)を製造供給元の独ハイル社
から緊急輸入したことが3月15日、分かった。「関係当局からの要請を受けたもので、今後、東日本大震災の 被災地に輸送され、国主導で患者に無償提供される」という。通常、1回6カプセルを1日3回経口投与する。
【関連記事】
妊婦らへのヨウ化カリウム投与で見解- 日産婦学会
放射線障害防止法にクリアランス制度-文科省が改正案
東日本大震災で東京電力の福島第1原子力発電所が被災し、セシウムなどの放射性物質の漏えい事故が
起きている。
緊急輸入されたのは、放射性セシウムによる体内汚染を軽減する「ラディオガルダーゼカプセル」(商品名)で、日本メジフィジックスが昨年10月に厚生労働省から承認を取得した。同薬は、放射性セシウムと結合し、
腸管からの再吸収を妨げることで、便として体外への排泄を促進する。
米国で国家備蓄が開始されているほか、世界保健機関(WHO)でも備蓄推奨リストに挙げられるなど、
標準的な放射性セシウム体内除去剤として位置付けられているという。】
六号通り診療所所長のブログより
【放射性セシウム体外除去剤「ラディオガルダーゼ」の話 [医療のトピック]
この薬は一種の吸着剤で、
大量の被爆を受けた際に、
身体に吸収され、
腸肝循環に入って体内を循環しているセシウムを、
身体の外に排泄し易くする効果を持つ薬剤です。
その歴史は古く、
1960年代にはその使用が始まり、
ドイツでは35年以上前から販売されています。
要するに米ソの核戦争が身近な危機であった時代に、
ヨーロッパで開発された薬です。
それが1999年の日本の臨界事故を契機に、
議論が積み重ねられ、
その結果としてようやく2010年10月に製造販売承認が取得され、
2010年12月に発売となったのです。
専門家の議論というのは、
必要性の高いものでも、
概ね10年は実現までに掛かるもののようです。
今回の事態にギリギリ間に合った、
とも言えますし、
使わなくて良い状況であれば良かったのに、
という言い方も出来ると思います。
先日被爆された3人の作業員の方は、
当然この薬による治療を、
受けたものと思われます。
さて、この薬はどのような薬で、
実際にどの程度の効果があるのでしょうか?
薬の一般名は、
ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸鉄(Ⅲ)水和物です。
つまり、鉄の周りに、
6個のシアンが結合し、
そこに更に水分子と鉄が結合しています。
この物質は一種の吸着剤で、
そのもの自体は殆ど体内に吸収されず、
腸管のセシウムを吸着して、
それを便から排泄します。
体内に入った放射性セシウムは、
その多くが腸管から静脈、肝臓を循環しているので、
それを腸管で捕捉し、
体外に排泄するのが、
この薬のメカニズムです。
1987年ブラジルのゴイアニアにおいて、
放射性セシウムによる被爆事故があり、
その時にこの薬が治療のために使用されました。
その時のデータを見ると、
成人で投与中止後平均80日の、
セシウムの生物学的半減期が、
使用により25日程度に短縮しています。
これは明らかに有効と考えられます。
(生物学的半減期は半分排泄されるまでの時間のことで、
通常の放射性物質の半減期とは異なります)
ここにちょっと興味深いデータがあり、
ゴイアニアにおける治療データでは、
4~9歳の生物学的半減期は平均42日で、
12~14歳では平均62日です。
つまり、代謝の活発な年齢層では、
放射性セシウムの排泄は、
大人よりずっと早いのです。
お子さんをお持ちのお母さんには、
この事実はちょっとほっとさせるものではないかと思います。
主な副作用は低カリウム血症です。
これはこの薬はカリウムよりセシウムを、
より吸着し易い構造になっている訳ですが、
生体はそもそもカリウムとセシウムを、
あまり区別はしていないので、
当然カリウムも体外に排泄され、
低カリウム血症の原因となるのです。
ただ、入院しての治療が通常想定されますから、
これは適宜カリウム値を測定して、
補充をすれば済む話だと思います。
腎不全などで高カリウム血症になると、
カリメートやケイキサレートのような、
カリウムの吸着剤を、
使用することがあります。
原理的にはこうした吸着剤も、
放射性セシウムの排泄に、
一定の効果があると思います。
身体はセシウムとカリウムとを、
あまり区別はしないからです。
ただ、元々がカリウムの吸着剤ですから、
よりカリウムの低下は強く、
その使用はラディオガルダーゼより、
難しいものになることは確かでしょう。
セシウムの内部被曝は、
このようにある程度改善することが可能です。
つまり、ヨード被曝には治療はないけれど予防はあり、
セシウム被曝にはカリウムを少し多めに摂る程度しか、
予防法はないけれど、
その代わり被曝後の治療法はあるのです。
これは人間様に限ったことではなく、
畜産農家においても、
セシウムの内部被曝を受けた家畜に、
この薬を飲ませることにより、
より早く被曝の影響を軽減することが可能なのです。
それで基準値を下回れば、
当然食用に供しても、
問題はなくなる訳です。
(ただ、筋肉中のセシウムが、
どの程度減少するかは微妙です)
しかし、セシウムの物理学的半減期は長く、
その影響は人間からは排泄されても、
環境には長く残ります。
セシウムの被爆の問題点は、
人間様への影響よりも、
むしろそうした環境への影響にありそうです。
そして、「ただちに健康に影響のない」量の汚染であっても、
その環境への影響は、
廻りまわって人間にも影響を与え、
「ただちに健康に影響はない」
と何かのお題目のように唱える皆さんの人生には影響はなくても、
僕達の子供の世代、孫の世代には、
確実に大きな影響を及ぼしていくのだと思います。】
関連記事 緊急プロ仕様のセシウム除去剤「ラディオガルダーゼ」 1箱1万5,000円
放射性セシウム体内除去剤「ラディオガルダーゼ」の緊急承認
配ってくれたら良いのに、と思ったのだが、
どうやら、国(防衛省?)が放射性セシウム体内除去剤を緊急に輸入したのは、原発事故の復旧作業に
あたる自衛隊員のためで、福島県民の被ばく被害者のためではなかったようだ。
ただ、300ミリシーベルト以下では効果はなく?大量の被爆を受けた際に、専門の医師に拠って処方される薬で、自衛隊員以外にも福島原発の作業員の方には投与されていたかも知れない。
インターネットでの個人輸入なら、1箱1万5,000円(5日分)らしいが、低カリウム血症の副作用があり、
医師の処方以外は薦められないとの事だ。
この薬は、2010年10月に製造販売承認が取得され、2010年12月に発売されたそうで、福島原発の事故に
ぎりぎり間に合った?訳だが、何か原発事故の兆候でもあっての事だったのだろうか?
尚、「ラディオガルダーゼ」を輸入販売した「日本メジフィジックス」は、福島原発の製造メーカー米GEの子会社と、経団連・米倉会長の住友化学の合弁会社だそうだ。
除染利権といい、瓦れき処理利権といい、原子力ムラの方々は本当に抜け目がないと関心してしまう。
医療介護CBニュースより
『放射性セシウム体内除去剤を緊急輸入- 大震災対応で日本メジフィジックス』
【 日本メジフィジックスが、放射性セシウム体内除去剤1000瓶(1瓶36カプセル)を製造供給元の独ハイル社
から緊急輸入したことが3月15日、分かった。「関係当局からの要請を受けたもので、今後、東日本大震災の 被災地に輸送され、国主導で患者に無償提供される」という。通常、1回6カプセルを1日3回経口投与する。
【関連記事】
妊婦らへのヨウ化カリウム投与で見解- 日産婦学会
放射線障害防止法にクリアランス制度-文科省が改正案
東日本大震災で東京電力の福島第1原子力発電所が被災し、セシウムなどの放射性物質の漏えい事故が
起きている。
緊急輸入されたのは、放射性セシウムによる体内汚染を軽減する「ラディオガルダーゼカプセル」(商品名)で、日本メジフィジックスが昨年10月に厚生労働省から承認を取得した。同薬は、放射性セシウムと結合し、
腸管からの再吸収を妨げることで、便として体外への排泄を促進する。
米国で国家備蓄が開始されているほか、世界保健機関(WHO)でも備蓄推奨リストに挙げられるなど、
標準的な放射性セシウム体内除去剤として位置付けられているという。】
六号通り診療所所長のブログより
【放射性セシウム体外除去剤「ラディオガルダーゼ」の話 [医療のトピック]
この薬は一種の吸着剤で、
大量の被爆を受けた際に、
身体に吸収され、
腸肝循環に入って体内を循環しているセシウムを、
身体の外に排泄し易くする効果を持つ薬剤です。
その歴史は古く、
1960年代にはその使用が始まり、
ドイツでは35年以上前から販売されています。
要するに米ソの核戦争が身近な危機であった時代に、
ヨーロッパで開発された薬です。
それが1999年の日本の臨界事故を契機に、
議論が積み重ねられ、
その結果としてようやく2010年10月に製造販売承認が取得され、
2010年12月に発売となったのです。
専門家の議論というのは、
必要性の高いものでも、
概ね10年は実現までに掛かるもののようです。
今回の事態にギリギリ間に合った、
とも言えますし、
使わなくて良い状況であれば良かったのに、
という言い方も出来ると思います。
先日被爆された3人の作業員の方は、
当然この薬による治療を、
受けたものと思われます。
さて、この薬はどのような薬で、
実際にどの程度の効果があるのでしょうか?
薬の一般名は、
ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸鉄(Ⅲ)水和物です。
つまり、鉄の周りに、
6個のシアンが結合し、
そこに更に水分子と鉄が結合しています。
この物質は一種の吸着剤で、
そのもの自体は殆ど体内に吸収されず、
腸管のセシウムを吸着して、
それを便から排泄します。
体内に入った放射性セシウムは、
その多くが腸管から静脈、肝臓を循環しているので、
それを腸管で捕捉し、
体外に排泄するのが、
この薬のメカニズムです。
1987年ブラジルのゴイアニアにおいて、
放射性セシウムによる被爆事故があり、
その時にこの薬が治療のために使用されました。
その時のデータを見ると、
成人で投与中止後平均80日の、
セシウムの生物学的半減期が、
使用により25日程度に短縮しています。
これは明らかに有効と考えられます。
(生物学的半減期は半分排泄されるまでの時間のことで、
通常の放射性物質の半減期とは異なります)
ここにちょっと興味深いデータがあり、
ゴイアニアにおける治療データでは、
4~9歳の生物学的半減期は平均42日で、
12~14歳では平均62日です。
つまり、代謝の活発な年齢層では、
放射性セシウムの排泄は、
大人よりずっと早いのです。
お子さんをお持ちのお母さんには、
この事実はちょっとほっとさせるものではないかと思います。
主な副作用は低カリウム血症です。
これはこの薬はカリウムよりセシウムを、
より吸着し易い構造になっている訳ですが、
生体はそもそもカリウムとセシウムを、
あまり区別はしていないので、
当然カリウムも体外に排泄され、
低カリウム血症の原因となるのです。
ただ、入院しての治療が通常想定されますから、
これは適宜カリウム値を測定して、
補充をすれば済む話だと思います。
腎不全などで高カリウム血症になると、
カリメートやケイキサレートのような、
カリウムの吸着剤を、
使用することがあります。
原理的にはこうした吸着剤も、
放射性セシウムの排泄に、
一定の効果があると思います。
身体はセシウムとカリウムとを、
あまり区別はしないからです。
ただ、元々がカリウムの吸着剤ですから、
よりカリウムの低下は強く、
その使用はラディオガルダーゼより、
難しいものになることは確かでしょう。
セシウムの内部被曝は、
このようにある程度改善することが可能です。
つまり、ヨード被曝には治療はないけれど予防はあり、
セシウム被曝にはカリウムを少し多めに摂る程度しか、
予防法はないけれど、
その代わり被曝後の治療法はあるのです。
これは人間様に限ったことではなく、
畜産農家においても、
セシウムの内部被曝を受けた家畜に、
この薬を飲ませることにより、
より早く被曝の影響を軽減することが可能なのです。
それで基準値を下回れば、
当然食用に供しても、
問題はなくなる訳です。
(ただ、筋肉中のセシウムが、
どの程度減少するかは微妙です)
しかし、セシウムの物理学的半減期は長く、
その影響は人間からは排泄されても、
環境には長く残ります。
セシウムの被爆の問題点は、
人間様への影響よりも、
むしろそうした環境への影響にありそうです。
そして、「ただちに健康に影響のない」量の汚染であっても、
その環境への影響は、
廻りまわって人間にも影響を与え、
「ただちに健康に影響はない」
と何かのお題目のように唱える皆さんの人生には影響はなくても、
僕達の子供の世代、孫の世代には、
確実に大きな影響を及ぼしていくのだと思います。】
関連記事 緊急プロ仕様のセシウム除去剤「ラディオガルダーゼ」 1箱1万5,000円
放射性セシウム体内除去剤「ラディオガルダーゼ」の緊急承認