BLOGOS過去記事より
【ウォールストリートジャーナル日本版によると、放射性ヨウ素が甲状腺にたまるのを防止し、子供達の甲状腺ガンを防ぐのに最も有効な安定ヨウ素剤の配布が遅れ、大半が使われないままになってしまったそうです。

内部被曝による甲状腺ガンの発症は、特に放射線感受性の高い子どもたちに多く見られる問題です。

チェルノブイリ原発事故では、少なくとも6千人の子供達が甲状腺ガンに罹患して、甲状腺を切り取る手術をしています。それでも何人もの子どもが亡くなりました。

東日本大震災 福島原発事故 チェルノブイリ事故から25年 原子力発電の不都合な真実と向き合え

放射性ヨウ素は甲状腺に集まってくる性質があるのですが、先に血中のヨウ素濃度を上げておけば、放射性ヨウ素が甲状腺に入るのを防ぐことが出来、体外に排出できるのです。

しかし、これは、急を要します。放射性ヨウ素が先に甲状腺に入って被曝した後でヨウ素剤を服用しても全く意味がないのです。

水素爆発のあった後の数日が勝負だったのです!

セシウム汚染牛肉給食 牛肉出荷停止解除 福島の子どもの半数近くが甲状腺被ばく 内部被曝の恐怖

原子力安全委員会と原子力安全・保安委員会は福島原発事故直後にこの安定ヨウ素剤を素早く福島県民に配布決定すべきでした。

しかし、原発事故の影響を矮小化する判断「ミス」で、ヨウ素剤配布が遅れます。そして、二つの原子力『安全』機関(怒)は、今になって責任をなすりつけ合っているのです。

原子力安全委員会は最近になってウェブサイトで、3月13日付の手書きのメモを、錠剤の配布と摂取を勧めた証拠として掲載しました。こんなメモで大事な連絡の役に立ちますか?一方、原子力安全・保安院はこうしたメモは送られてさえこなかったと主張している体たらくです。

結局、政府による配布指示は3月16日までずれ込みました。その後、福島県は福島原発から50キロ範囲内に位置する市町村全体の90万人の住民に行きわたる安定ヨウ素剤の錠剤と粉末剤を配布しましたが、もう手遅れで、その大半は未使用のままになってしまいました。

みんなが必死でわかめや昆布を食べていたときに、原発『安全』組織は何をしていたのか!】

 東京電力福島第1原発事故を受けて被ばく対策の見直しを進める原子力安全委員会の分科会が、安定ヨウ素剤の事前配布を検討し始めたようだが、福島原発事故で、福島の子供たちを見殺しにした行為の免罪符には決してならない。

 原子力安全委員会が本気で、原発事故での放射能被害を憂慮するなら、今すぐ全ての原発を止め、各電力会社が、原発事故を絶対に起こさないような対策を講じるまで、再稼動させないべきではないだろうか?人命が原発利権より軽視される事は許されない筈だ。