保安院は、原発事故の情報を小出しにして、忘れ易い国民性?を悪用して?
事故責任を風化させ、有耶無耶にする作戦のようだ。

 東電は、一貫して、津波が原因で大事故が起きたと主張しているが、
いずれ、地震によって主要な配管が損傷・破断したことが証明され、
他の原発の地震対策も根本から見直されることになるだろう。
 
 小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」(中段に添付)で、
このことをお話になっています。
他にも重要なことにふれていますので、出来れば、最初から最後までお聞きください。
 
 Asahi.comより
【経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第一原発事故を受けて同社社員らに対して実施した聞き取り調査結果のメモを公表した。

 原子炉格納容器内の気体を外に逃して圧力を下げるベント(排気)を実施する際、配管が地震で壊れていたために操作が難しくなった可能性を指摘する社員がいたことがわかった。】

 ざまあみやがれい!様より
小出裕章「ベントが水素爆発の引き金になった可能性すらある」東電社員が「地震」でベント配管破損を指摘 12/7(3)

【2011年12月7日(水)、小出裕章氏が毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。保安院による、東電社員聞き取り調査で判明した事実「地震によって配管が破損しベントがままならなかった」ということについて言及しています。



水野「わたくしこれ、とても大きなニュースじゃないかと思っていることがありましてね」

近藤「うん」

水野「あの……福島第一原発の事故の原因が何かというのはですねえ。」

近藤「うん」

水野「まあ東電はずっと地震や……地震ではない、津波だって」

近藤「ああー……」

水野「ずっと言うてますよね。で、小出先生は津波もあるけど地震の影響もあったはずだというふうにおっしゃっていて。これもし地震でも損傷してたとなったら、大きくやっぱ原発政策関わってきますよね」

近藤「意味がかわるわなあ」

水野「意味がかわりますよねえ。ねえ。津波が来なくても地震なんて、いつ何時、ね、どこででもあるやもしれない話になりますから。で、え…小出先生がまあおっしゃっていたのは地震で配管が壊れていたのではないかというお話を、もう当初からおっしゃっていたと思いますが。今回ですね、え……原子力安全・保安院が東電の社員の聞き取り調査をした中で、出てきました。ある社員の話。」

水野「これは初期対応の聞き取りの時なんですけれども。ベントをするときに、あれ蒸気を逃がすってことですね」

近藤「わかる」

水野「ベントをするときに、配管が、地震で壊れていたために、操作が難しくなった、という可能性を指摘していたと。こういうことを言ってる東電の人がいるって話が、出てまいりました。これ大きな話ではないかと、思うんですけど……。小出先生いかがですか」

小出「もちろんですね。はい。あの……発電所が全所停電してしまった、ブラックアウトになったということはもちろん津波で非常用ディーゼル発電機が流された、ということからまあ最終的な、う……到達点としてそこに至ったわけですけれども。え……津波が来る前に地震によって多分あちこちがもうすでに壊れていた、ということだと思います。え……ま、津波が決定的だったんだというなら私はそうだろうとは思いますけれども。

もちろん地震による損傷もあったわけで。え……これから日本全国の原子力発電所を動かすと言うのであれば、え…地震による損傷ということをもう1度考えなおさなければいけませんので。え……国や電力会社としては、なんとしてもそこにいかせたくないという思惑で、地震は関係ないと言い続けてきているのですね。」

近藤「そうですねえ」

小出「はい」

近藤「あの、そこそこなの知れた科学者も」

小出「はい」

近藤「地震と津波をあえて区別してずっと言ってきましたよねえ」

小出「そうです」

近藤「ええ。」

小出「はい」

水野「じゃ、この社員の証言がこれからどういう形で、影響をおよ及ぼしていくのか。ねえ、どんなふうに検証されるのか、ですけど。あの……ベントが今回、まあ難しかったと。その社員はボンベと弁をつなぐ配管が地震で破損した可能性を指摘したんだそうです」

小出「はい。はい」

水野「ベントが送れなかったら、水素爆発を防げたっていう可能性は、あるんですか」

小出「多分無いと思います」

水野「ああ、それはないんだ……」

小出「はい。えー……水素爆発はベントをした後に起きていますので、え……むしろベントをしてしまったということが水素爆発の引き金になった可能性すらあると思い、ます」

水野「ああ、そうですか……」

小出「はい。でもベントをしなかったとしても、どっちにしても水素は漏れてしまいますので。やはり水素爆発は今回の事故の場合には防げなかったんだろうと思いますので。え……う……ベントバルブの操作……が、事故をどっちの方向に、え…悪くしたのか、あるいはまあちょっと良くしてくれたのか、そのことはちょっと難しいだろうと思います。判断としては。ただあの、やりたい操作ができなかったということになったわけですから。え……そういう事に関してはちゃんと検証しておかなければいけないと思います」

水野「ふーん。東電は元々この配管の耐震性を低く設計しているっていう、話もありまして」

小出「(笑)はい」

水野「す、耐震性の高い低いってあるんですか、場所によって」

小出「あります。えー……安全に重要……な危機はもちろん耐震、を厳しくしなければいけないわけですし。まあそれほど安全に関係ないだろうと思ってるものは、どんどんどんどん耐震の厳しさをまあ、低くしてしまうというですね、そういう設計をこれまで原子力発電所はしてきたのですね」

水野「それはお金のためですか」

小出「もちろんです。で、多分あのベントバルブなんてものは、もうどうせ彼らは使う気もなかったわけですから(苦笑)」

水野「ああ、もともとね」

小出「はい。要するに本当に破局的な事故があったら使おうということで、ポーズで付けたバルブなわけですから。はい」

水野「ああ……なるほど」

小出「はい」

水野「はい、どうもありがとうございました」

小出「いいえ」

近藤「どうも」

水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」】