「関係原子力事業者の責務が、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、誠意をもって必要な措置を講ずるとともに、国又は地方公共団体が実施する事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策に協力しなければならない」

 この法律に拠れば、原発事故を起こした東電に、福島原発から飛散した、コンクリートの破片その他の廃棄物、事故由来放射性物質の処理の義務があり、国又は地方公共団体が行う、事故由来放射性物質の処理に、東電は協力しなければならないとある。

 「事故由来放射性物質による環境の汚染に対処するためこの法に基づき講ぜられる措置は、
原子力損害の賠償に関する法律(昭和 36 年法律第 147 号)第 3 条第 1 項の規定により関係原子力事業者が賠償する責めに任ずべき損害に係るものとして、当該関係原子力事業者の負担の下に実施されるものとするとされている(法第 44 条第 1 項)。また、関係原子力事業者は、法に基づき講ぜられる措置に要する費用について請求又は求償があったときは、速やかに支払うよう努めなければならないとされている」 

 そして、事故由来放射性物質の処理に係る費用も、東電が負担するものとし、
「法に基づき講ぜられる措置に要する費用について請求又は求償があったとき、速やかに支払うよう
努めなければならない」と記されている。

 しかしながら、福島原発敷地外の、事故由来放射性物質の処理について、
東電は一切、実施も協力も、費用負担も行っていない。にも拘らず、政府・環境省が、東電に、指導?した形跡はまったく見られない。

 本来被害者の賠償に充てるべき、原子力損害賠償支援機構からの支援金も、被害者への支払いを遅らせ、社員のボーナス支給に流用するなどの不正行為?についても、なんらお咎めなし。

 ここまで、東電を野放しにしているのに、どんな裏があるのか、当事者に聞かなければ判らないが、後ろ暗い大きな力が働いていることは間違いないだろう。

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 環境省水・大気環境局より
【1 目的(法第 1 条)
法第 1 条において、法の目的について規定されている。具体的には、事故由来放射性物質による環境の汚染が生じていることに鑑み、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、国、地方公共団体、原子力事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、国、地方公共団体、関係原子力事業者(事故由来放射性物質を放出した原子力事業者をいう。以下同じ。)等が講ずべき措置について定めること等により、事故由来放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的とするとされてい
る。

2 責務(法第 3 条から第 6 条まで)
法第 3 条において、国の責務が、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、必要な措置を講ずるものとするとされている。
法第 4 条において、地方公共団体の責務が、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、国の施策への協力を通じて、当該地域の自然的社会的条件に応じ、適切な役割を果たすものとするとされている。

法第 5 条において、関係原子力事業者の責務が、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関し、誠意をもって必要な措置を講ずるとともに、国又は地方公共団体が実施する事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策に協力しなければならないとされるとともに(同条第 1 項)、関係原子力事業者以外の原子力事業者の責務が、国又は地方公共団体が実施する事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策に協力するよう努めなければならないとされている(同条第 2 項)。

法第 6 条において、国民の責務が、国又は地方公共団体が実施する事故由来放射性物質による環境の汚
染への対処に関する施策に協力するよう努めなければならないとされている。

中 略

5 関係原子力事業者による廃棄物の処理等(法第 9 条)
法第 9 条において、関係原子力事業者による廃棄物の処理等について規定されている。具体的には、事故に係る原子力事業所内の廃棄物の処理並びに土壌等の除染等の措置及びこれに伴い生じた土壌の処理並びに事故により当該原子力事業所外に飛散したコンクリートの破片その他の廃棄物の処理は、法第二節及び第三節の規定にかかわらず、関係原子力事業者が行うものとするとされている。

6 関係原子力事業者による協力措置(法第 10 条)
法第 10 条において、関係原子力事業者による協力措置が規定されている。具体的には、関係原子力事業者は、法に基づく措置が的確かつ円滑に行われるようにするため、専門的知識及び技術を有する者の派遣、当該措置を行うために必要な放射線障害防護用器具その他の資材又は機材であって環境省令で定めるものの貸与その他必要な措置(以下「協力措置」という。)を講じなければならないとされており

(同条第 1 項)、国又は地方公共団体は、環境省令で定めるところにより、当該関係原子力事業者に対し、協力措置を講ずることを要請することができるとされている(同条第 2 項)。当該環境省令については、法の公布と併せて施行されており、別添 2 を参照されたい。なお、要請内容について疑義がある場合の問い合わせは、末尾の連絡先までお願いしたい。

7 費用(法第 43 条から第 45 条まで)
法第 43 条において、国は、地方公共団体が事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する施策を推進するために必要な費用についての財政上の措置その他の措置を講ずるものとするとされている。
法第 44 条において、事故由来放射性物質による環境の汚染に対処するためこの法に基づき講ぜられる措置は、原子力損害の賠償に関する法律(昭和 36 年法律第 147 号)第 3 条第 1 項の規定により関係原子力事業者が賠償する責めに任ずべき損害に係るものとして、当該関係原子力事業者の負担の下に実施されるものとするとされている(法第 44 条第 1 項)。また、関係原子力事業者は、法に基づき講ぜられる措置に要する費用について請求又は求償があったときは、速やかに支払うよう努めなければならないとされている(同条第 2 項)。
法第 45 条において、国は、法第 3 条に規定する社会的な責任に鑑み、地方公共団体等が滞りなく法に基づく措置を講ずることができ、かつ、当該措置に係る費用の支払が関係原子力事業者により円滑に行われるよう、必要な措置を講
ずるものとするとされている。】 一部抜粋