河北新報より
【10日告示の福島県議選双葉選挙区(定数2)に立候補した5人の候補者の多くは、仮設住宅を第一声の場に選んだ。双葉郡8町村で構成する同選挙区の大半は福島第1原発事故で警戒区域に指定され、多数の有権者が県内外の仮設住宅で暮らす。
遊説先で支持者と感動の再会を果たした候補者、仮設住宅を1日で12カ所回った候補者。同選挙区の選挙運動初日は仮設住宅を基点に展開した。
「あんた、ここにいたのかあ。ずっと探していたんたぞ」
民主現職の坂本栄司氏(56)は第一声を上げた郡山市の仮設住宅で住人の男性支持者と出くわした。ともに富岡町出身で「3・11」以降、お互いに消息がつかめずにいた。約8カ月ぶりの再会となり、両手で握手を交わした。
12カ所の仮設住宅を巡ったのは無所属新人の白土正一氏(62)。三百数十人の富岡町民が暮らすいわき市の仮設住宅を皮切りに、くまなく回った。
第一声は午前11時20分と遅れた。立候補届け出を郡山市で行わなければならず、手続きを済ませていわき市に着くまで時間を要した。演説は1回10~15分で切り上げ、午後5時で遊説を打ち切った。「日が落ちてからの演説は迷惑だろうから」と気を使う。
社民新人の遠藤陽子氏(61)はいわき市の仮設住宅8カ所の他、広野町のJR広野駅前で街頭演説した。
同町は9月に緊急時避難準備区域の指定が解かれたが、放射能汚染への不安から、住民の大半は戻っていない。町内は原発関係者の姿が目立つ程度。駅前の演説でも一般有権者は見当たらなかった。「原発関係者が多く、訴えにくかった」とため息をつく。
「さいの河原の地獄の火を見るごときの双葉郡に一日も早く震災前の麗しき里、
人が安全に豊かに住める里をつくらしめたまえ」
二本松市の事務所で行われた自民現職の吉田栄光氏(47)の出陣式。
神事で神主が放射性物質に悩む住民の思いを代弁した祝詞を読み上げた。その言葉に送り出され、
吉田氏は浪江町民約240人が身を寄せる二本松市の仮設住宅を目指して選挙カーを走らせた。
無所属新人の青木敏孝氏(40)は立候補を届け出たその足で双葉、富岡町と川内村の住民がいる郡山市の仮設住宅に向かい、「復興はスピードが命。とにかく動きだそう」と訴えた。】
未だ帰る見込みの立たない故郷の、町議、村議、県議の選挙、住民の方たちの想いに答えられる候補者はいるのだろうか?
原発を推進して、結果的に故郷を台無しにした議員さんたちの、形だけの反省はすぐに見破られると思うが、代わりになる候補者も居らず、皆が同じことを訴えたのでは、また同じ顔ぶれが議員さんになってしまう恐れがある。しかし、それでは何のための選挙か判らない。
関連記事 復興への選択:11・20ミニ統一地方選 県議選告示
【10日告示の福島県議選双葉選挙区(定数2)に立候補した5人の候補者の多くは、仮設住宅を第一声の場に選んだ。双葉郡8町村で構成する同選挙区の大半は福島第1原発事故で警戒区域に指定され、多数の有権者が県内外の仮設住宅で暮らす。
遊説先で支持者と感動の再会を果たした候補者、仮設住宅を1日で12カ所回った候補者。同選挙区の選挙運動初日は仮設住宅を基点に展開した。
「あんた、ここにいたのかあ。ずっと探していたんたぞ」
民主現職の坂本栄司氏(56)は第一声を上げた郡山市の仮設住宅で住人の男性支持者と出くわした。ともに富岡町出身で「3・11」以降、お互いに消息がつかめずにいた。約8カ月ぶりの再会となり、両手で握手を交わした。
12カ所の仮設住宅を巡ったのは無所属新人の白土正一氏(62)。三百数十人の富岡町民が暮らすいわき市の仮設住宅を皮切りに、くまなく回った。
第一声は午前11時20分と遅れた。立候補届け出を郡山市で行わなければならず、手続きを済ませていわき市に着くまで時間を要した。演説は1回10~15分で切り上げ、午後5時で遊説を打ち切った。「日が落ちてからの演説は迷惑だろうから」と気を使う。
社民新人の遠藤陽子氏(61)はいわき市の仮設住宅8カ所の他、広野町のJR広野駅前で街頭演説した。
同町は9月に緊急時避難準備区域の指定が解かれたが、放射能汚染への不安から、住民の大半は戻っていない。町内は原発関係者の姿が目立つ程度。駅前の演説でも一般有権者は見当たらなかった。「原発関係者が多く、訴えにくかった」とため息をつく。
「さいの河原の地獄の火を見るごときの双葉郡に一日も早く震災前の麗しき里、
人が安全に豊かに住める里をつくらしめたまえ」
二本松市の事務所で行われた自民現職の吉田栄光氏(47)の出陣式。
神事で神主が放射性物質に悩む住民の思いを代弁した祝詞を読み上げた。その言葉に送り出され、
吉田氏は浪江町民約240人が身を寄せる二本松市の仮設住宅を目指して選挙カーを走らせた。
無所属新人の青木敏孝氏(40)は立候補を届け出たその足で双葉、富岡町と川内村の住民がいる郡山市の仮設住宅に向かい、「復興はスピードが命。とにかく動きだそう」と訴えた。】
未だ帰る見込みの立たない故郷の、町議、村議、県議の選挙、住民の方たちの想いに答えられる候補者はいるのだろうか?
原発を推進して、結果的に故郷を台無しにした議員さんたちの、形だけの反省はすぐに見破られると思うが、代わりになる候補者も居らず、皆が同じことを訴えたのでは、また同じ顔ぶれが議員さんになってしまう恐れがある。しかし、それでは何のための選挙か判らない。
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