秋場龍一のねごと様より
 『「あと40センチで発電機が水没する!」』
   東海第二原発でも「全電源喪失」寸前だったことを東海村村長がテレビで暴露』

【東海村の村上達也村長はNHKのインタビューにこたえて次のように語った。その発言を番組ナレーションとともに要約してみた。

【ナレーション】
東海第二原発は震度6弱の地震に見舞われました。そこに襲ってきた高さ5メートルを越える津波。
ただちに運転は停止し非常用電源が作動。炉心の冷却作業が始まりました。
頼みの綱だった非常用電源の一つが使えなくなりましたが、残った電源で難を逃れることができました。

 しかし、福島(第一原発)と同じことが起きかねない、危険な状況だったことが後日あきらかとなったのです。

【村上村長】
寒気がした。背筋がぞうっとした。東海第二(原発)が、あと40センチで水中ポンプの発電機が水没するというのを聞いたとき。全電源喪失。われわれ(東海村)も、(福島第一に近い)双葉町、大熊町、富岡町、浪江町などと同じ壊滅状態になっていたのです。

 (東海第二原発は)東京との距離が福島第一原発の220キロとは半分の110キロ。
(もし福島第一原発と同様の事故が東海第二で起きていたら)これで日本は成り立つのかと思った。
 

 3月11日。東海第二原発も津波に見舞われた。非常用電源によってかろうじて冷却されていたものの、
その唯一の命綱ともいえる非常電源の発電機に津波が迫っていたのだ。そう、あと40センチで水没し使用不能となるところまで。

 菅前首相は最近のマスメディアのインタビューで福島第一原発事故で3000万人の避難を考えたというが、
もし東海第二原発が福島第一と同じような事態になっていれば、それが現実となる可能性はもっと高くなっただろう。

 ただし、ちょっと冷静に考えれば、そんな膨大な数の人びとを緊急に短時間で避難させることなど、どう考えても不可能である。100万人だって、無理ではないだろうか。

 事実、村上村長は「3万7千人の(東海村)全村避難はできるのだろうか。あとは壊滅ですわな」と、
そして「周辺30キロ圏内の100万人の避難などできるのだろうか」とも。さらに「東京にたいするインパクトもものすごく強かっただろうと」と言い、
「これで日本は成り立つのだろうか」という言葉につながるのだ。

 また、作業員が死亡し周辺住民が被ばくした1999年の「東海村JCO臨界事故」のあと、東海村では防災訓練が実施されたが、この訓練にたいして村上村長は「あの防災訓練は役に立たない。

 気休め、猫だまし、矮小、狭小」なものだったという。この発言は、原発をかかえる自治体の長という防災の最高責任者としての、きわめて現実的な心情なのだろう。

 おそらく原発をかかえる地元の長の心情も村上村長と同じだろう。
もし福島と同じことがわが村、わが町、わが市、わが県で起これば、避難などできないと。

 そして村上村長はインタビューの最後にこう語っている。

 福島原発事故によって日本は世界を震撼させた。そのことがあって
ドイツ、イタリア、スイスで原発は廃止されることになった。そのことを日本は真っ先に考えるべきだ。
日本で原発の安全宣言などするべきではない。こういう国では原発を持つべきではないと私は思っています】

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 あと40センチで、東海村、茨城県は、今の福島と同じ運命を辿っていた?!
福島原発と東海原発のダブルパンチで、東京が、日本中が、大パニックに陥っていたことだろう。

 原発の地元の首長さんには、貴方の街が、原発で壊滅する地獄絵を思い浮かべていただきたい。
そして、貴方の街の原発が、日本中に放射能を撒き散らし、放射能で安心して食べられるものが無くなって、ものすごい形相で安全な食料を奪い合う人びとの姿を、想像していただきたい。