NHKニュースより
【原発事故で村全体が警戒区域と緊急時避難準備区域に指定されている福島県川内村は、除染やライフラインの整備を進め、来年3月を目標に全村民を村に戻すとした計画を発表しました。

 これは、川内村の遠藤雄幸村長が、13日から始まった村議会で明らかにしたものです。

 川内村は、原発事故の影響で、立ち入りが禁止されている「警戒区域」と、原発の異常に備えてすぐに避難
できるよう求められている「緊急時避難準備区域」に指定されていて、全住民の9割に当たるおよそ2800人が避難生活を続けています。

 このうち、緊急時避難準備区域について、政府は指定の解除を検討していますが、解除の条件として、
各自治体に復旧計画の提出を求めていて、13日は遠藤村長が議会で計画の内容を公表しました。

 それによりますと、飲料水の確保のために地下水などの放射性物質のモニタリングを徹底するほか、年内にも学校などの除染を終え、来年3月を目標に全村民を村に戻すとしています。

 また、警戒区域内の村民およそ350人については、緊急時避難準備区域の指定が解除された地域に
仮設住宅を設置し、村での生活を支援するとしています。遠藤村長は「住民が納得できるような除染を進め、
以前の生活を取り戻したい」と述べました。

 緊急時避難準備区域に指定されている福島県内の5つの自治体のうち、復旧計画を公表したのは、川内村が初めてです。計画の公表について、遠藤村長は「来年3月に戻ると宣言したことは、ひとつの覚悟です。

 しかし、村全体にわたるような除染は、今までに誰もやったことがないことで、村だけではできないことが
たくさんある。国や県に協力してもらいながら、村としてできることから始めたい」と話しています。】

 ゴールが見えなければ、村民の心が折れてしまう。希望が見えなければ、辛い避難生活には耐えられない。
そんな、村民の気持ちを汲んだ、遠藤村長さんの、村民の皆さんへのエールと、決意表明だと思います。

 川内村の皆さんが、無事、村に戻られるには、まず、福島原発が新たな放射能を吐き出さないこと、そして、健康が保てるレベルまで除染が出来ることが前提となりますが、

 この他にも、農作物が汚染されないレベルまで、農地の土壌を入れ替えること、生活できる雇用の場を確保
することなどなど、課題はたくさんあると思います。

 来年3月には拘らず、村民の健康を第一に考えて、特にお子さんの被ばくリスクには慎重な対応で、
焦らずに、現実を見据えて、帰還の準備を進めていただきたいと思います。