アメリカ経済ニュースBlog様より
【アメリカの東海岸のM5.8の地震で、バージニア州のノースアナ原発2基が停止した。
外部電源が絶たれたものの、ディーゼル発電機は作動した。

North Anna Power plant reactors shuts down - 5 pm

そうだが、上のYoutubeの動画では、2基中1基がベントによって大量の水蒸気が出ているのが観れる。

もちろん原発の広報は「放射性物質が漏れていない」ので『安全』といっているが、原子炉に圧力が増したからベントしているので、バックアップ装置が『正常』に稼動しているとは思えない。

真相は不明にせよ、このノースアナ原発の耐震設計はM5.9-6.1。M5.8の地震がこうなんだから、もっと大地震がきたら倒壊しているのだろうか?

アメリカの原発はかなり古い老朽化した施設を無理やり使っている。放射能が駄々漏れの状態で使っているのは無理がある。

この地震をキッカケにアメリカの原発の安全性を見直して欲しいと願う。】

JPN47ニュースより 
 『米地震、耐震設計想定超す揺れか 停止の原発』
【 【ワシントン共同】米原子力規制委員会(NRC)は29日、米東海岸で23日に発生したマグニチュード(M)5・8の地震後に自動停止したバージニア州のノースアナ原発について、地震の揺れが耐震設計の基準値を上回った可能性があると発表した。

 米国内では同原発の安全性を懸念する声が高まっており、NRCは専門家を追加派遣して、さらなる対策が必要かどうかを見極める方針。

 電力会社による予備的な調査で、実際の地震の揺れが、設計上の基準値を超えていた可能性があることが分かったという。

 NRCは正確な揺れの大きさを把握するため、さらにデータを収集するとしている。】

 逝きし世の面影さまより 
 『地震でバージニア州ノースアナ原発(ベント)水蒸気放出』
【ノースアンナ原子力発電所は、冷却水用に人工湖を持つウェスチング・ハウス社製の加圧水型原子炉で、1号基は運転開始が1978年2号基が1980年で臨界後30年以上も経つ老朽原発だが、1979年3月28日のスリーマイル島原子力発電所事故以後に建設された原発は無いので、アメリカでは最も最新型である。

 高さ120メートルの排気塔を別個に設置している日本の福島原発とは違い、格納容器の圧力を逃がすベントは格納容器本体から直接行う仕組みである。

 水蒸気を放出するドーム様のものは原子炉格納容器の本体で、加圧水型(PWR)は放射能に汚染された一次冷却水が格納容器内に常時閉じ込められているので、沸騰水型原子炉 (BWR) のようにタービン建屋で遮蔽する必要が無いとされている。
 
 ニュース報道の映像では、ノースアナ原発2基中の1基で、ベントによって50~60メートルの高さまで大量の水蒸気を放出している様が観察されている。

 炉心停止後の緊急冷却装置が正常ではなくて原子炉圧力容器が加熱して圧力が急上昇、通常なら1気圧の格納容器内が圧力限界に近づく異常事態なので、水素爆発を避けることと減圧の為にベントしているので、何らかの緊急事態が発生している模様である。

 勿論原子力発電所側は『現在放射性物質が漏れていないので安全である』としているが水蒸気を放出してもベントのフィルター機能が完備している為だろうか。
ただアメリカの老朽した原発では、今までも放射能の外部流出は頻繁に起きていた。

 2010年2月のAP通信によればアメリカ国内の原子力発電所104基中少なくとも27基で放射性物質が地下に漏れていると報道していた。

 アメリカの原子力規制委員会(NRC)によると、バーモント州にあるバーモント・ヤンキー原子力発電所( 65万キロワット73年2月28日運転開始 )ではアメリカの安全基準の3倍以上の1リットル当たり7万500ピコキュリーの放射性物質は地下のパイプや使用済み燃料プールから漏れ出している。】

 大きな地震の殆どないアメリカでは、M5.8のごく弱い地震でさえも、耐震設計想定超す揺れで、原子炉の停止だけでは済まずに、ベントが必要なほどの危機に見舞われている。

 自然には、想定内も想定外もない。
襲われた方は、ただ黙って受け入れるしかない。 だからこそ、予め、より大きな備えが必要となる。
原発のように、一度事故を起こせば甚大な被害を与える、危険極まりない猛獣の場合は尚更だ。

 東電福島第一原発のように、津波の想定を、危険承知でケチるなど、もっての外の暴挙と言わざるを得ない。
その上、耐震性についても、規定した数値以下の揺れにも耐えられておらず、地盤測定、設計・施工のいずれかに、誤りや不備、または不正があった事は許されることではない。

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