ほぼ日刊イトイ新聞より
純利益の4割を寄付
【木川 宅急便1個につき10円の寄付。これを1年続けます、と。去年の荷物の数が、約13億個なので、たぶん130から140億の寄付になると思います。
糸井 すばらしい。
木川 で、この130億という数字、これはぼくらの、年間純利益の4割なんです。
一民間企業が純利益の4割を寄付に回すって、これは前代未聞のことです。
日本赤十字への寄付は国民から集められたものとして、被災地全体で有意義につかわれていくのだと思います。
ところが、われわれ企業は、株主が納得してくれる寄付でなければならない。
それは何かと考えると、やっぱりわれわれを育ててくれた宅急便。とりわけこの地方では、クール宅急便です。
ここには、水産業、漁業にたずさわる人がものすごくたくさんいらっしゃる。みな、クール宅急便を育ててくれたお客様です。
この方々の生活を復活させるということは、雇用をつくるということです。ですから、水産業、漁業の再生のためにわれわれの寄付をつかっていただきたい、と。
木川 それから、その地域の農業の再生にもつかっていただきたい。また学校であったり、病院であったり、失われてしまった生活基盤の復旧にも、つかっていただきたい。
糸井 つかいみちをはっきりさせる。
木川 そうです、この目的以外にはぜったいにつかわないでください、と。しかも、130から140億になるであろうお金をすべて、寄付する先を指定できるようにして、
なおかつ、何につかわれているかをちゃんと見えるかたちにしてください、と。
糸井 見えることはたいせつですね。
木川 はい。
災害に遭った人のための募金と言っても、被災地には何割が届くんだろう?経費で何割がなくなるんだろう?そういうことを、みなさんが思いますよね。
木川 できるだけ無駄なく、お金をお渡ししたい。 というわけで、最後にきわめつけの、ぼくらの希望が
‥‥全額無税にしてください。】
全額無税
【最大限に無税の枠を使っても、それは22億ぐらいまでだったんです。われわれが寄付したいのは130億ですから、百十数億は課税の対象です。日本の税率は高いですから、50億ぐらいは取られてしまいます。
そうやって、被災地に届くお金が税金で減ることに対して、我慢ができないわけですよ。それで、1カ月半、粘り強く交渉しまして‥‥
財務省は、よく話しを聞いてくれて、財務省も「ヤマトの志はわかる」と。しかし税法というルールがある以上、ヤマトという一企業のためにそれを壊すわけにはいかない。壊してしまったら真似して悪いことをする者が出てくる、と。
「何とかしていただきたい」と言い続けました。そうしたら、どんどんどんどん応援団が増えてきたんです。
「ヤマトの言ってることはいいことじゃないか」と各方面から様々な声が集まって、ついに‥‥。
かたちとしてはヤマトが直接寄付するのではなくて、まず『ヤマト福祉財団』という小倉昌男さんがつくった公益財団法人に寄付します。ヤマトがこの財団に寄付する段階で無税にしていただきました。ただし、ここからあと、何につかうかについては、ヤマトはもう口出しをしない約束です。
『ヤマト福祉財団』はヤマトからの寄付に加え、広く一般からも寄付を募ります。そして第三者委員会をつくり、公平に助成先を選考します。それによってこの財団への寄付を、「指定寄附金」に指定していただいた。
ヤマトの活動を日本赤十字や赤い羽根共同募金と同じ土俵にあげてくださったというのは、画期的だと思います。財務省をはじめ、我々の強い思いを受け止めていただいたすべてのかたがたに、本当に感謝しています。
そこに出していただければ、さっき申し上げたように目的が明確に限定されます。地元の水産漁業と農業、そして学校や病院のためにつかわれる。そういうところに100%行きます。
まぎれもなく100%。ホームページですべて公表していきます。】
クロネコヤマトの『ヤマト福祉財団』が、どれだけ被災地のニーズに合った、効果的な支援が出来るかは未知数ですが、少なくとも、効果やスピードなどに疑問の多い、日赤よりもマシではないかと思います。
それにしても、純利益の4割を寄付、財務省と交渉して全額無税、クロネコヤマトには、いつも驚かされます。
純利益の4割を寄付
【木川 宅急便1個につき10円の寄付。これを1年続けます、と。去年の荷物の数が、約13億個なので、たぶん130から140億の寄付になると思います。
糸井 すばらしい。
木川 で、この130億という数字、これはぼくらの、年間純利益の4割なんです。
一民間企業が純利益の4割を寄付に回すって、これは前代未聞のことです。
日本赤十字への寄付は国民から集められたものとして、被災地全体で有意義につかわれていくのだと思います。
ところが、われわれ企業は、株主が納得してくれる寄付でなければならない。
それは何かと考えると、やっぱりわれわれを育ててくれた宅急便。とりわけこの地方では、クール宅急便です。
ここには、水産業、漁業にたずさわる人がものすごくたくさんいらっしゃる。みな、クール宅急便を育ててくれたお客様です。
この方々の生活を復活させるということは、雇用をつくるということです。ですから、水産業、漁業の再生のためにわれわれの寄付をつかっていただきたい、と。
木川 それから、その地域の農業の再生にもつかっていただきたい。また学校であったり、病院であったり、失われてしまった生活基盤の復旧にも、つかっていただきたい。
糸井 つかいみちをはっきりさせる。
木川 そうです、この目的以外にはぜったいにつかわないでください、と。しかも、130から140億になるであろうお金をすべて、寄付する先を指定できるようにして、
なおかつ、何につかわれているかをちゃんと見えるかたちにしてください、と。
糸井 見えることはたいせつですね。
木川 はい。
災害に遭った人のための募金と言っても、被災地には何割が届くんだろう?経費で何割がなくなるんだろう?そういうことを、みなさんが思いますよね。
木川 できるだけ無駄なく、お金をお渡ししたい。 というわけで、最後にきわめつけの、ぼくらの希望が
‥‥全額無税にしてください。】
全額無税
【最大限に無税の枠を使っても、それは22億ぐらいまでだったんです。われわれが寄付したいのは130億ですから、百十数億は課税の対象です。日本の税率は高いですから、50億ぐらいは取られてしまいます。
そうやって、被災地に届くお金が税金で減ることに対して、我慢ができないわけですよ。それで、1カ月半、粘り強く交渉しまして‥‥
財務省は、よく話しを聞いてくれて、財務省も「ヤマトの志はわかる」と。しかし税法というルールがある以上、ヤマトという一企業のためにそれを壊すわけにはいかない。壊してしまったら真似して悪いことをする者が出てくる、と。
「何とかしていただきたい」と言い続けました。そうしたら、どんどんどんどん応援団が増えてきたんです。
「ヤマトの言ってることはいいことじゃないか」と各方面から様々な声が集まって、ついに‥‥。
かたちとしてはヤマトが直接寄付するのではなくて、まず『ヤマト福祉財団』という小倉昌男さんがつくった公益財団法人に寄付します。ヤマトがこの財団に寄付する段階で無税にしていただきました。ただし、ここからあと、何につかうかについては、ヤマトはもう口出しをしない約束です。
『ヤマト福祉財団』はヤマトからの寄付に加え、広く一般からも寄付を募ります。そして第三者委員会をつくり、公平に助成先を選考します。それによってこの財団への寄付を、「指定寄附金」に指定していただいた。
ヤマトの活動を日本赤十字や赤い羽根共同募金と同じ土俵にあげてくださったというのは、画期的だと思います。財務省をはじめ、我々の強い思いを受け止めていただいたすべてのかたがたに、本当に感謝しています。
そこに出していただければ、さっき申し上げたように目的が明確に限定されます。地元の水産漁業と農業、そして学校や病院のためにつかわれる。そういうところに100%行きます。
まぎれもなく100%。ホームページですべて公表していきます。】
クロネコヤマトの『ヤマト福祉財団』が、どれだけ被災地のニーズに合った、効果的な支援が出来るかは未知数ですが、少なくとも、効果やスピードなどに疑問の多い、日赤よりもマシではないかと思います。
それにしても、純利益の4割を寄付、財務省と交渉して全額無税、クロネコヤマトには、いつも驚かされます。