毎日JPより
『泊原発:3号機営業運転再開 拙速判断、慎重な論議を 道議会から不満 /北海道』
【 深夜に及んだ道議会特別委員会から一夜明けた17日。高橋はるみ知事が、泊原発3号機の営業運転再開について正式に容認する考えを表明した。道議会からは国との関係を重視し、結論を急ぐ高橋知事に対し「拙速過ぎる」との批判が相次ぎ、「十分な議論が必要」との声が上がった。【田中裕之、片平知宏、鈴木勝一】
◇「広範囲な道民合意必要」
特別委から1日後の容認表明について、自民会派の遠藤連会長は「我々は(運転再開に)反対や賛成を示したつもりはない。知事の判断と受け止めるしかない」と評価を避ける一方、「短い時間で会派の明確な方向性を出せなかった。
泊原発1、2号機の再稼働を議論する際は、慎重に十分な時間を取るべきだ」と述べ、結論を急いだ道の対応に不満を示した。
また、運転再開を批判する見解を発表した民主会派の田村龍治幹事長は「(知事は)道議会の意向を踏まえると言っていたが、(意向を)聞く前から結論は決まっていたのではないか」と批判。
3号機の運転再開について、見解では「4町村にとどまることなく、後志管内すべての市町村や札幌市を含む広範囲の道民合意が必要だ」と訴えた。
公明党道議団の森成之団長は「国が停止要請した浜岡原発と泊原発の違いなど、道が国に説明を求めた事項の回答がまだない。地元の声を丁寧に聞き、丁寧に判断するべきだった」と知事の判断は時期尚早と指摘した。
特別委に議員が入っていない北海道・大地は委員会が開催された16日、高橋知事に対し、安全性が「確証」されるまで再開を見合わせるよう求める申し入れをした。また、共産党も同日、「周辺住民アンケートの実施が見送りになったことは『再開ありき』の政治判断が優先された」とのコメントを出し、批判した。
◇10~30キロ圏も反発 後志地方自治体「自分たちにも意見を」
泊原発3号機の営業運転再開をめぐり、現状では道原子力防災計画上の地元自治体に含まれず、意見表明の機会もなかった半径10~30キロ圏内の後志地方の自治体
東京電力福島第1原発事故では原発から20~30キロ圏内でも広範囲に影響が出ており、十分な説明がないままの知事の容認判断には不満の声が上がった。
「道の危機管理監は後志管内関係町村に一度も来ておらず、何の協議もされていない」。三浦敏幸・仁木町長は不満をぶちまけた。関係町村の不安解消や今後の安全対策を道としてどう取り組んでいこうとしているのか、具体的な施策の説明もないまま。「原子力発電再開を全国で最初に行う必要があるのか」と強い憤りを見せた。
「後志全体の意見を聞かずに容認したことは遺憾」。30キロ圏内の余市町の嶋保町長は「10キロ圏外のために防災計画も作れないし、防護服もなく不安だ」と町民の思いを代弁した。
後志町村会長を務める宮谷内留雄・蘭越町長は「事故が起きて避難をするようなことがあれば、周辺自治体が協力するのだから、普段からコミュニティー全体で仲良くして連携しなくてはいけない」と指摘。泊村など地元自治体の周辺部にある後志地方全町村への意見聴取や情報提供は不可欠との認識を示した。【中川紗矢子】
■解説
◇国に追従した出来レース
高橋はるみ知事は17日の記者会見で、原発に対する国の安全対策を評価し、泊原発3号機の営業運転再開を容認する根拠に掲げた。政府は経済産業省原子力安全・保安院の最終検査に内閣府原子力安全委員会も加えたダブルチェック体制にしたほか、ストレステスト(安全評価)も実施する。
しかし、政府の安全対策はいまだ不十分だと感じている人も少なくない。
新潟県の泉田裕彦知事は「ストレステストがすぐに再開判断に結びつくものではない」と述べ、福島第1原発事故の検証が行われない限り、定期検査中の東京電力柏崎刈羽原発1~4号機の再稼働を認めない考えを示している。
また、16日に行われた道議会特別委員会で、知事与党で最大会派の自民党・道民会議の遠藤連会長も「ダブルチェックで安全性が担保されたか疑問だ」と指摘した。
柏崎刈羽原発と異なり、泊原発3号機は定期検査の調整運転ながらも、フル出力で稼働していることを考えると、高橋知事の判断は現実的だったと考える道民もいるだろう。
しかし、批判も根強く残る安全性のチェック態勢を高く評価している知事の姿勢は道民の目にどう映るだろうか。他県の知事らと比較して、高橋知事が強調する「安全最優先」は言葉だけが独り歩きしている印象を受ける。
高度な技術が詰め込まれた原発の安全性は都道府県レベルではチェックできないかもしれない。だが、少なくとも知事には住民の気持ちを聞き、国に伝えていくことはできるはずだ。
議会議論からわずか1日。知事判断は何ら独自性もなく、住民の気持ちも丁寧に聞いたとは言えない短時間で決着した。道議会内には「国に追従した出来レース」と指摘する声も出ている。】
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高橋はるみ知事と地元4町村関係者以外の、北海道民の多くは、泊原発・3号機の安全性が確認されたとは思っていないのではないだろうか?
泊原発:3号機の安全性について、なんら具体的な数値や根拠の提示もなく、近隣のニセコ、小樽や大都市札幌など広く道民からの意見も聞くこともなく、営業運転再開を容認した道知事の姿勢は、「安全最優先」とは真逆の「原発最優先・安全軽視」の現れなのではないか。
これでは、高橋はるみ知事が、北電ファミリーの一員?で、経済産業省のOGだから、国、北電寄りの判断をしたのではと疑われても仕方ないだろう。
参考記事 【8/18東京新聞こちら特報部-1】泊3号機増設 12年前「やらせ」
『泊原発:3号機営業運転再開 拙速判断、慎重な論議を 道議会から不満 /北海道』
【 深夜に及んだ道議会特別委員会から一夜明けた17日。高橋はるみ知事が、泊原発3号機の営業運転再開について正式に容認する考えを表明した。道議会からは国との関係を重視し、結論を急ぐ高橋知事に対し「拙速過ぎる」との批判が相次ぎ、「十分な議論が必要」との声が上がった。【田中裕之、片平知宏、鈴木勝一】
◇「広範囲な道民合意必要」
特別委から1日後の容認表明について、自民会派の遠藤連会長は「我々は(運転再開に)反対や賛成を示したつもりはない。知事の判断と受け止めるしかない」と評価を避ける一方、「短い時間で会派の明確な方向性を出せなかった。
泊原発1、2号機の再稼働を議論する際は、慎重に十分な時間を取るべきだ」と述べ、結論を急いだ道の対応に不満を示した。
また、運転再開を批判する見解を発表した民主会派の田村龍治幹事長は「(知事は)道議会の意向を踏まえると言っていたが、(意向を)聞く前から結論は決まっていたのではないか」と批判。
3号機の運転再開について、見解では「4町村にとどまることなく、後志管内すべての市町村や札幌市を含む広範囲の道民合意が必要だ」と訴えた。
公明党道議団の森成之団長は「国が停止要請した浜岡原発と泊原発の違いなど、道が国に説明を求めた事項の回答がまだない。地元の声を丁寧に聞き、丁寧に判断するべきだった」と知事の判断は時期尚早と指摘した。
特別委に議員が入っていない北海道・大地は委員会が開催された16日、高橋知事に対し、安全性が「確証」されるまで再開を見合わせるよう求める申し入れをした。また、共産党も同日、「周辺住民アンケートの実施が見送りになったことは『再開ありき』の政治判断が優先された」とのコメントを出し、批判した。
◇10~30キロ圏も反発 後志地方自治体「自分たちにも意見を」
泊原発3号機の営業運転再開をめぐり、現状では道原子力防災計画上の地元自治体に含まれず、意見表明の機会もなかった半径10~30キロ圏内の後志地方の自治体
東京電力福島第1原発事故では原発から20~30キロ圏内でも広範囲に影響が出ており、十分な説明がないままの知事の容認判断には不満の声が上がった。
「道の危機管理監は後志管内関係町村に一度も来ておらず、何の協議もされていない」。三浦敏幸・仁木町長は不満をぶちまけた。関係町村の不安解消や今後の安全対策を道としてどう取り組んでいこうとしているのか、具体的な施策の説明もないまま。「原子力発電再開を全国で最初に行う必要があるのか」と強い憤りを見せた。
「後志全体の意見を聞かずに容認したことは遺憾」。30キロ圏内の余市町の嶋保町長は「10キロ圏外のために防災計画も作れないし、防護服もなく不安だ」と町民の思いを代弁した。
後志町村会長を務める宮谷内留雄・蘭越町長は「事故が起きて避難をするようなことがあれば、周辺自治体が協力するのだから、普段からコミュニティー全体で仲良くして連携しなくてはいけない」と指摘。泊村など地元自治体の周辺部にある後志地方全町村への意見聴取や情報提供は不可欠との認識を示した。【中川紗矢子】
■解説
◇国に追従した出来レース
高橋はるみ知事は17日の記者会見で、原発に対する国の安全対策を評価し、泊原発3号機の営業運転再開を容認する根拠に掲げた。政府は経済産業省原子力安全・保安院の最終検査に内閣府原子力安全委員会も加えたダブルチェック体制にしたほか、ストレステスト(安全評価)も実施する。
しかし、政府の安全対策はいまだ不十分だと感じている人も少なくない。
新潟県の泉田裕彦知事は「ストレステストがすぐに再開判断に結びつくものではない」と述べ、福島第1原発事故の検証が行われない限り、定期検査中の東京電力柏崎刈羽原発1~4号機の再稼働を認めない考えを示している。
また、16日に行われた道議会特別委員会で、知事与党で最大会派の自民党・道民会議の遠藤連会長も「ダブルチェックで安全性が担保されたか疑問だ」と指摘した。
柏崎刈羽原発と異なり、泊原発3号機は定期検査の調整運転ながらも、フル出力で稼働していることを考えると、高橋知事の判断は現実的だったと考える道民もいるだろう。
しかし、批判も根強く残る安全性のチェック態勢を高く評価している知事の姿勢は道民の目にどう映るだろうか。他県の知事らと比較して、高橋知事が強調する「安全最優先」は言葉だけが独り歩きしている印象を受ける。
高度な技術が詰め込まれた原発の安全性は都道府県レベルではチェックできないかもしれない。だが、少なくとも知事には住民の気持ちを聞き、国に伝えていくことはできるはずだ。
議会議論からわずか1日。知事判断は何ら独自性もなく、住民の気持ちも丁寧に聞いたとは言えない短時間で決着した。道議会内には「国に追従した出来レース」と指摘する声も出ている。】
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高橋はるみ知事と地元4町村関係者以外の、北海道民の多くは、泊原発・3号機の安全性が確認されたとは思っていないのではないだろうか?
泊原発:3号機の安全性について、なんら具体的な数値や根拠の提示もなく、近隣のニセコ、小樽や大都市札幌など広く道民からの意見も聞くこともなく、営業運転再開を容認した道知事の姿勢は、「安全最優先」とは真逆の「原発最優先・安全軽視」の現れなのではないか。
これでは、高橋はるみ知事が、北電ファミリーの一員?で、経済産業省のOGだから、国、北電寄りの判断をしたのではと疑われても仕方ないだろう。
参考記事 【8/18東京新聞こちら特報部-1】泊3号機増設 12年前「やらせ」