asahi.comより
『柏崎刈羽原発直下の断層評価』
【東京電力柏崎刈羽原発の安全性を話し合う県技術委員会の「地震、地質・地盤」小委員会が11日、新潟市内で開かれた。原発敷地内の断層について、東電は「動かない」との評価を見直す必要がないとの調査結果を示したが、専門家の委員から異論が続出した。
小委は、会議中に揺れに襲われた3月11日以来、5カ月ぶりに開かれた。
柏崎刈羽原発の北西19キロには中越沖地震の震源とされる「F―B断層」がある。この断層の長さをめぐり、専門家の間で評価が定まっていないうえ、原発直下と敷地内にも断層が確認されている。
この日、東電は東日本大震災後、原発周辺が地殻変動で東に30~40センチ動いたと説明。しかし、全地球測位システム(GPS)などで地盤のひずみを調べた結果、「大震災は原発周辺の断層評価に影響しない」と述べた。
また、原発直下や敷地内の断層についても、中越沖地震で動かなかったことなどを理由に「動かない」とする従来の評価を変えないとの考えを示した。
これに対し、委員の立石雅昭新潟大名誉教授は、4月11日の福島県での余震を挙げて、「大震災後、動かないと評価されていた(福島県の湯ノ岳)断層が動いた。
原発直下の断層もこれから動くかどうかが問題で、評価は不適当だ」と批判。石橋克彦神戸大名誉教授も「耐震評価で考慮していなかった断層を今後どうするか聞きたい」と不満を述べた。
委員会終了後、山崎晴雄委員長(首都大学東京大学院教授)は、今後の議論について「活断層の議論はできているが、抜けているのは連動」と語り、東日本大震災で見られた複数の地震の連動を検討すべきだとの考えを示した。】
中日新聞より
『敦賀原発の直下断層動く恐れ 原電「影響を再検討」』
【福井県敦賀市の日本原子力発電(原電)敦賀原発で、原子炉の真下に延びた「破砕帯」と呼ばれる断層が活断層「浦底(うらそこ)断層」の影響で動く可能性のあることが分かった。
破砕帯はこれまで「活動性はない」とされ、原発の耐震設計で考慮されなかったが、東日本大震災で同種の断層が動いたことが判明。原電側は「原子炉への影響を再検討し、8月中に見解を出す」と話している。
原電が2006年の耐震設計審査指針改定時などに実施した地質調査によると、敦賀原発の敷地内には4千年以内に動いたとされる浦底断層が縦断。さらに岩盤が押しつぶされた軟弱な複数の破砕帯が、1号機と2号機の原子炉の直下にも通っている。
浦底断層について、原電は「断層が動いて地震が起きても、耐震設計をした施設は耐えられる」との見解を示してきた。また、原子炉下の破砕帯は、水平方向に地盤が引っ張られてずれた「正断層」型で、それ自体では「動かない」とされてきた。陸地での地震は通常、地盤が双方から押される「逆断層」や、「横ずれ断層」によるものがほとんどと考えられてきた。
しかし福島県で4月11日、東日本大震災に誘発され、正断層が動いたことが確認された。原発の耐震性などを検討する経済産業省の審議会委員を務める宇根寛・国土地理院関東地方測量部長は、本紙に「正断層は動かないとの通説が崩れた」と指摘。
「浦底断層が動けば、敦賀原発の正断層型の破砕帯も連動して動く可能性がある」と警鐘を鳴らす。
高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)でも近くに活断層「白木(しらき)-丹生(にゅう)断層」があり、原子炉下には正断層型の破砕帯が確認されている。
全国の原発周辺の活断層に詳しい渡辺満久東洋大教授(変動地形学)は「地盤ごと傾けば原子炉をどんなに頑丈にしても壊れる。正断層型だから考慮しないのは間違っており、見直すべきだ」と話している。
原電の広報担当者は「現状では正断層は活動しないと考えている。ただ、正断層が動いたとの事例も踏まえ、国の指示をもとに再検討している」と話している。】
関連記事 泊沖に活断層 改めて存在指摘 東洋大教授
12万年の眠りから目覚めた「湯ノ岳断層」 浜岡直下にも。
テレビが伝えた真実① 「活断層の警告 揺らぐ原発の安全審査」
日本各地の原発の敷地やその近辺には、断層や軟弱地盤が多数あり、保安院や電力会社は、これを軽視または無視して、原発の建設を進めて来た。
しかし、福島原発の大事故を教訓に、断層や軟弱地盤の評価の見直しが求められても、実際には何らの見直しもなく、現在に至っている。
「国の指示をもとに再検討している」という、敦賀原発でも、再検討のポーズを取っているだけだろう。
今、地震の活動期に入ったとされ、東海地震や3連動地震などの発生が危惧されている中、何の手も打たずに断層上の原発を運転し続けることは、ある意味、国民を巻き込む、無理心中のようなものではないのか?
『柏崎刈羽原発直下の断層評価』
【東京電力柏崎刈羽原発の安全性を話し合う県技術委員会の「地震、地質・地盤」小委員会が11日、新潟市内で開かれた。原発敷地内の断層について、東電は「動かない」との評価を見直す必要がないとの調査結果を示したが、専門家の委員から異論が続出した。
小委は、会議中に揺れに襲われた3月11日以来、5カ月ぶりに開かれた。
柏崎刈羽原発の北西19キロには中越沖地震の震源とされる「F―B断層」がある。この断層の長さをめぐり、専門家の間で評価が定まっていないうえ、原発直下と敷地内にも断層が確認されている。
この日、東電は東日本大震災後、原発周辺が地殻変動で東に30~40センチ動いたと説明。しかし、全地球測位システム(GPS)などで地盤のひずみを調べた結果、「大震災は原発周辺の断層評価に影響しない」と述べた。
また、原発直下や敷地内の断層についても、中越沖地震で動かなかったことなどを理由に「動かない」とする従来の評価を変えないとの考えを示した。
これに対し、委員の立石雅昭新潟大名誉教授は、4月11日の福島県での余震を挙げて、「大震災後、動かないと評価されていた(福島県の湯ノ岳)断層が動いた。
原発直下の断層もこれから動くかどうかが問題で、評価は不適当だ」と批判。石橋克彦神戸大名誉教授も「耐震評価で考慮していなかった断層を今後どうするか聞きたい」と不満を述べた。
委員会終了後、山崎晴雄委員長(首都大学東京大学院教授)は、今後の議論について「活断層の議論はできているが、抜けているのは連動」と語り、東日本大震災で見られた複数の地震の連動を検討すべきだとの考えを示した。】
中日新聞より
『敦賀原発の直下断層動く恐れ 原電「影響を再検討」』
【福井県敦賀市の日本原子力発電(原電)敦賀原発で、原子炉の真下に延びた「破砕帯」と呼ばれる断層が活断層「浦底(うらそこ)断層」の影響で動く可能性のあることが分かった。
破砕帯はこれまで「活動性はない」とされ、原発の耐震設計で考慮されなかったが、東日本大震災で同種の断層が動いたことが判明。原電側は「原子炉への影響を再検討し、8月中に見解を出す」と話している。
原電が2006年の耐震設計審査指針改定時などに実施した地質調査によると、敦賀原発の敷地内には4千年以内に動いたとされる浦底断層が縦断。さらに岩盤が押しつぶされた軟弱な複数の破砕帯が、1号機と2号機の原子炉の直下にも通っている。
浦底断層について、原電は「断層が動いて地震が起きても、耐震設計をした施設は耐えられる」との見解を示してきた。また、原子炉下の破砕帯は、水平方向に地盤が引っ張られてずれた「正断層」型で、それ自体では「動かない」とされてきた。陸地での地震は通常、地盤が双方から押される「逆断層」や、「横ずれ断層」によるものがほとんどと考えられてきた。
しかし福島県で4月11日、東日本大震災に誘発され、正断層が動いたことが確認された。原発の耐震性などを検討する経済産業省の審議会委員を務める宇根寛・国土地理院関東地方測量部長は、本紙に「正断層は動かないとの通説が崩れた」と指摘。
「浦底断層が動けば、敦賀原発の正断層型の破砕帯も連動して動く可能性がある」と警鐘を鳴らす。
高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)でも近くに活断層「白木(しらき)-丹生(にゅう)断層」があり、原子炉下には正断層型の破砕帯が確認されている。
全国の原発周辺の活断層に詳しい渡辺満久東洋大教授(変動地形学)は「地盤ごと傾けば原子炉をどんなに頑丈にしても壊れる。正断層型だから考慮しないのは間違っており、見直すべきだ」と話している。
原電の広報担当者は「現状では正断層は活動しないと考えている。ただ、正断層が動いたとの事例も踏まえ、国の指示をもとに再検討している」と話している。】
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日本各地の原発の敷地やその近辺には、断層や軟弱地盤が多数あり、保安院や電力会社は、これを軽視または無視して、原発の建設を進めて来た。
しかし、福島原発の大事故を教訓に、断層や軟弱地盤の評価の見直しが求められても、実際には何らの見直しもなく、現在に至っている。
「国の指示をもとに再検討している」という、敦賀原発でも、再検討のポーズを取っているだけだろう。
今、地震の活動期に入ったとされ、東海地震や3連動地震などの発生が危惧されている中、何の手も打たずに断層上の原発を運転し続けることは、ある意味、国民を巻き込む、無理心中のようなものではないのか?