JPN47ニュースより
【 菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、廃炉も含めて検討すべきだとの認識を示した。

 社民党の服部良一氏が廃炉を求めたのに対し、首相は「原発に依存しない社会を目指す。依存の中には使用済み核燃料の再処理、もんじゅも含まれる」と指摘。その上で「この方向性を十分に議論しながら計画的、段階的に目指していくことが必要だ。しっかり検討を進めたい」と強調した。

 使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の扱いに関しては「長期、安定的に管理し、後世に悪影響を残さないで済むかが深刻な問題だ」と指摘。】

【もっと知りたい ニュースの「言葉」
 高速増殖炉原型炉もんじゅ(2005年2月6日)ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用し、燃やした量以上のプルトニウムをウランから取り出すことができるため「夢の原子炉」とも呼ばれる。

 実験炉の次の段階に当たり、1994年4月に初臨界。ウランの有効利用が可能で、国が進める核燃料サイクル政策の中で重要な役割を担う。冷却材のナトリウムは空気に触れると燃焼するため、安全管理が難しい。
 使用済み核燃料(2008年3月2日)原発で燃やしたウラン燃料には、燃料に利用できるプルトニウムやウランが含まれる。これを再処理で取り出して使うのが核燃料サイクル。

 日本で毎年発生する900トン以上の使用済み燃料のうち、六ケ所再処理工場では800トンしか処理できず、保管場所に余裕のない原発を持つ東京電力などは、青森県むつ市に中間貯蔵施設を建設する。

 プルサーマルで使ったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料や高速増殖炉の使用済み燃料の再処理方法は、日本では確立されていない。
 
衆院予算委員会(2004年10月17日)衆院委員会の花形委員会。所管は予算案審議だが、予算は国のあらゆる歳入、歳出にかかわるため審議内容に具体的な制限はない。

 このため、政治スキャンダルなどの追及の場になることが多い。基本的質疑には首相以下、全閣僚が出席。質問者との一問一答形式で、首相らの思わぬ答弁が飛び出すこともある。】

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 もんじゅの廃炉は、東電と同じく、事実上破綻している、「高速増殖炉原型炉もんじゅ、六ケ所再処理工場の稼動による、『核燃料サイクル』」への、事実上の死刑宣告に他ならない。

 『核燃料サイクル』が実現しなければ、原発の、他エネルギーへの優位性は、絵に描いた餅と化し、石油よりも早く、ウラン燃料が枯渇する現実にも直面することになるだろう。