DIAMOND・ONLINEより
【日本の地震がもたらした事態、とりわけ福島原子力発電所でいまなお続いている危機は、グレートリセッションを引き起こしたアメリカの金融崩壊を見つめていた人びとに、不気味な類似点を感じさせる。

 どちらの出来事も、リスクについて、また市場や社会のリスク管理のまずさについて厳しい教訓を与えてくれるのだ。

 もちろん、死者や行方不明者が2万5000人を超える地震の悲劇と、そのような重大な人的被害をもたらしたわけではない金融危機は、ある意味では比較にならない。

 だが、福島原発のメルトダウン(炉心溶融)に話を絞ると、二つの出来事には共通の主題がある。

 原子力産業でも金融産業でも、専門家たちは、新しいテクノロジーのおかげで大惨事のリスクはほぼゼロになっていると保証していた。事の成り行きは彼らが間違っていたことを実証した。

 リスクがあっただけでなく、それがもたらした影響があまりにも大きかったため、業界のリーダーたちが宣伝していたシステムの利点なるものは、なにもかもあっさり消し去られたのだ。】

 『ブラックスワンはまれな出来事ゆえにリスク管理できない
 『エネルギー企業だけが儲けを取り地球を危険にさらす

 驚くことに、日本の原発の安全指針には、『長時間の全交流電源喪失(SBO)について考慮する必要はない』と書かれている。このことについて、今も同じ考えか?と、問われた安全指針作成に関わった責任者は、今も変わらず妥当な指針だと語っていた。

 日本の国土・国民の命を賭けた、危険な賭けに負けながら、今尚、こんな戯言をいう、原子力村のような狂気?の集団を、野放しにして置けば、再び大きな過ちを犯し、大事故で日本を破滅させてしまうだろう。

 彼らの狂気?を封じるには、彼らにその罪の大きさを身を持って体感させるしかない。
彼らに、刑事、民事の責任をきちんと取らせることこそが、日本を破滅から救うことになるはずだ。

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