NHKニュースより
『もんじゅ 落下装置の先端に傷』
【去年、14年ぶりに運転を再開した、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」で、原子炉内に落下して、6月に回収された装置を調べたところ、装置の先端に僅かに傷がついていることが分かりました。
日本原子力研究開発機構は、原子炉内部のほかの装置にも傷がついている可能性もあるとみて、詳しく調べることにしています。
高速増殖炉「もんじゅ」は、去年5月、ナトリウム漏れ事故以来14年ぶりに運転を再開しましたが、去年8月、核燃料を交換するための、長さ12メートル、重さおよそ3トンの金属製の装置が原子炉内に落下し、装置が原子炉のふたに引っ掛かり、抜けなくなりました。
このため原子力機構は、先月24日に装置を回収し、異常がないか点検してきました。その結果、筒状になった装置のつなぎ目の部分が変形していたうえ、先端部分に接触してこすれたような、幅およそ10センチの傷がついていることが分かりました。
先端の傷は、装置が落下した際に、原子炉内部のほかの装置に接触してついた可能性もあるということで、原子力機構は、ほかの装置にも傷がついている可能性もあるとみて、近く、装置を分解し、詳しく調べることにしています。
もんじゅは、ことしの春以降に発電を目指すとしていた計画が大幅に遅れ、さらに福島第一原発の事故の影響も出るとみられていて、先行きが不透明になっています。】
YOMIURI.ONLINEより
『【敦賀】もんじゅ、最悪脱すも「正常とは思えない…」』
【日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市白木)で、核燃料交換用の「炉内中継装置」が24日、約10か月ぶりに原子炉内から取り出された。
最悪の状況を脱したが、福島第一原発事故による安全対策の強化や原子炉の完全復旧、一連のトラブルの検証など課題は多く、今年度内の出力40%での発電試験開始は依然、不透明な状況が続く。
慎重作業
密閉状態を確認しながらの準備作業で難航し、実作業は約7時間遅れで始まった。クレーンで引き抜く速度は10分でわずか24センチ。中断しては、装置の位置や密閉性の確認を繰り返した。ある機構幹部は「失敗は許されなかった。とにかく万全を期した」と明かし、引き抜き成功に安堵の表情を見せた。
今後の見通し
機構は7月上旬、装置を分解点検して炉が傷ついていないか調べる。「可能性は低い」とするが、深刻な損傷や部品の脱落が見つかれば、炉内の点検など、大がかりな調査が必要になる。
また、機構がメーカーに発注した新しい装置の納期は「2012年12月末」。炉内にある核燃料は当面、取り出せない状態が続く。敦賀市の幹部は「何かあっても核燃料を取り出せない原発が正常とは思えない」と指摘、発電試験への移行は難しいとの認識を示す。新装置の完成時期によっては工程に大きく影響する。
最終報告書遅れ
機構は昨年10月1日に落下トラブルの中間報告を国へ提出。引き抜き後の調査を経て最終報告をまとめる予定だったが、同月13日に2度目の引き抜きに失敗、検証は事実上ストップした。
そもそも、県や敦賀市は最終報告に対する検討を踏まえ、発電試験への移行について判断する構えだった。失敗を繰り返さないためにも、一連のトラブルの責任の所在や原因を明らかにすることは不可欠で、機構は今後、検証作業を本格化させる必要がある。】
関連記事 【敦賀】「もんじゅ」への視線、厳しさ増す。
原発推進の要、核燃料サイクルのために不可欠な「もんじゅ」の再稼動は、技術的にも、社会情勢からも、お先真っ暗の状態のようだ。
『もんじゅ 落下装置の先端に傷』
【去年、14年ぶりに運転を再開した、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」で、原子炉内に落下して、6月に回収された装置を調べたところ、装置の先端に僅かに傷がついていることが分かりました。
日本原子力研究開発機構は、原子炉内部のほかの装置にも傷がついている可能性もあるとみて、詳しく調べることにしています。
高速増殖炉「もんじゅ」は、去年5月、ナトリウム漏れ事故以来14年ぶりに運転を再開しましたが、去年8月、核燃料を交換するための、長さ12メートル、重さおよそ3トンの金属製の装置が原子炉内に落下し、装置が原子炉のふたに引っ掛かり、抜けなくなりました。
このため原子力機構は、先月24日に装置を回収し、異常がないか点検してきました。その結果、筒状になった装置のつなぎ目の部分が変形していたうえ、先端部分に接触してこすれたような、幅およそ10センチの傷がついていることが分かりました。
先端の傷は、装置が落下した際に、原子炉内部のほかの装置に接触してついた可能性もあるということで、原子力機構は、ほかの装置にも傷がついている可能性もあるとみて、近く、装置を分解し、詳しく調べることにしています。
もんじゅは、ことしの春以降に発電を目指すとしていた計画が大幅に遅れ、さらに福島第一原発の事故の影響も出るとみられていて、先行きが不透明になっています。】
YOMIURI.ONLINEより
『【敦賀】もんじゅ、最悪脱すも「正常とは思えない…」』
【日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市白木)で、核燃料交換用の「炉内中継装置」が24日、約10か月ぶりに原子炉内から取り出された。
最悪の状況を脱したが、福島第一原発事故による安全対策の強化や原子炉の完全復旧、一連のトラブルの検証など課題は多く、今年度内の出力40%での発電試験開始は依然、不透明な状況が続く。
慎重作業
密閉状態を確認しながらの準備作業で難航し、実作業は約7時間遅れで始まった。クレーンで引き抜く速度は10分でわずか24センチ。中断しては、装置の位置や密閉性の確認を繰り返した。ある機構幹部は「失敗は許されなかった。とにかく万全を期した」と明かし、引き抜き成功に安堵の表情を見せた。
今後の見通し
機構は7月上旬、装置を分解点検して炉が傷ついていないか調べる。「可能性は低い」とするが、深刻な損傷や部品の脱落が見つかれば、炉内の点検など、大がかりな調査が必要になる。
また、機構がメーカーに発注した新しい装置の納期は「2012年12月末」。炉内にある核燃料は当面、取り出せない状態が続く。敦賀市の幹部は「何かあっても核燃料を取り出せない原発が正常とは思えない」と指摘、発電試験への移行は難しいとの認識を示す。新装置の完成時期によっては工程に大きく影響する。
最終報告書遅れ
機構は昨年10月1日に落下トラブルの中間報告を国へ提出。引き抜き後の調査を経て最終報告をまとめる予定だったが、同月13日に2度目の引き抜きに失敗、検証は事実上ストップした。
そもそも、県や敦賀市は最終報告に対する検討を踏まえ、発電試験への移行について判断する構えだった。失敗を繰り返さないためにも、一連のトラブルの責任の所在や原因を明らかにすることは不可欠で、機構は今後、検証作業を本格化させる必要がある。】
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