NHKかぶんブログより
 【ミニ解説・汚泥の放射性物質問題とは?】
【 ・・・いったいどこから?

→施設に流れ込んだ下水が処理の過程で濃縮され高い値を示したとみられます。

下水の汚泥から放射性物質が検出されるという、想定されていない事態に戸惑いが広がりました。

 汚泥からの放射性物質の検出は、その後も千葉、茨城など関東を中心に相次ぎます。

その結果、汚泥のセメントなどへの再利用が難しくなり、施設にたまり続けました。大変です。

そこで政府の原子力災害対策本部は、先月12日、方針を示しました。

「放射性物質の濃度が1キログラムあたり10万ベクレルを超えるものは、焼却処理などをした上で容器に保管すべきなどとする」

ちなみに10万ベクレルという値がどれくらいかというと、

原発から出る放射性廃棄物であれば、地下に作ったコンクリートの施設に処分しなければならないレベルです。

また、10万ベクレル以下の場合は、当面、地下水などの監視を行えば下水処理施設や埋め立て型の処分場で保管しても差し支えないとしています。
しかし、保管した汚泥などの最終的な処分方法については引き続き検討するとして、明確な方針は示されていません。

しかもこの方針、示されたのは福島県に対してのみでした・・・

ほかの都道府県には??

→「それぞれの下水道管理者の判断で必要に応じて参照して差し支えない」とされ、いまだに方針は示されていません。

 こうした対応に関係自治体や、汚泥を受け入れる業者などは、基準が明確ではないとして、結果的に汚泥を施設から搬出できない状態が続いています。

日本下水道協会や東京都などは、今月政府に対して要望書を提出し、早急に汚泥処分の明確な基準を示すよう求めていました。

ここまでが、これまでのあらすじです。では今はどうなっているのか?

NHKでは全国の県庁所在地や都道府県などに調査しました。

その結果、少なくとも22の都道府県で汚泥などの検査を行い、このうち北海道から大阪までの16の都道府県で実際に放射性物質を検出していたことがわかりました。


※検出されたのは、北海道、青森、山形、福島、栃木、群馬、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨、新潟、長野、静岡、大阪です。

この中で、1キログラムあたりの放射性セシウムの濃度が最も高かったのは、

■福島市の44万7000ベクレル、

■東京都の5万5000ベクレル

■前橋市の4万2800ベクレル

■宇都宮市の2万6000ベクレルでした。

また東京の下水処理施設では3月に行った簡易検査で17万ベクレルを検出していました。

各自治体では対応に苦慮しています。

前橋市の下水処理施設では・・・

汚泥の焼却灰の保管倉庫など2か所で放射線量が国の基準を超えたため市は、

周辺を「放射線管理区域」に指定。

作業をする際はマスクの着用などを義務づけています。

また、これまでセメントの原料として汚泥を利用してきた業者が引き取りを拒んで、保管場所に困る自治体も出ています。

さいたま市:今月2日以降、業者が引き取りを拒否しているため1日50トンの汚泥がたまり続けています

長野市:焼却灰を保管する建物にあと10日分ほどの余裕しかなくなっているということです。

各地の自治体では国に対し、汚泥などの処分法について、早急に指針を示すよう求めています。 】

いまのところ、八方塞がり、打つ手なしが、正直なところ。
しかし、たまり続ける放射能汚染汚泥を、このまま保管することは物理的に不可能、いずれどこかへ移送しなければなりません、下水処理施設の職員の被ばくも心配です。
原発事故の問題は、いつもいつも、後手後手で、対応に追われる一方です。
この辺で、省庁の枠に縛られない、原発事故の問題を一元的に統括、処理する組織が必要なのでは?