ourplanet-tvより

【福島第一原発の労働者環境が問題視される中、原発内で作業をしている労働者の就労環境の改善を求め、労働団体が16日、厚生労働省と交渉を行った。交渉の中で、作業時の被ばく線量を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げる際、厚生労働省内で詳細な検討は行われなかったことなどが明らかになった。(交渉そのものは撮影不可)

3月14日に電離放射線障害防止規則における緊急作業時の被ばく線量を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げた経過について、厚生労働省労働基準局の中央労働衛生専門官の安井省侍郎氏が回答。250ミリに引き上げられた3月14日、厚生労働省で詳細な検討をする時間はなく、官邸からの指示されるがままに、数値が決められていたことを明らかにした。また、250ミリという数値に関しての根拠については、ICRP(国際防護委員会)の上限500ミリシーベルトという数値を参考にしているだけで、「250ミリでなければダメ」というような根拠となる数値が存在するわけではないと説明した。
 
また、労働者の日々の被ばくデータに関しては、原子力保安院が一元管理し、厚生労働省に提出されることになっているものの、事故から2ヶ月たった現在も厚生労働省は入手していない。
 
厚生労働省によると、現在の線量管理は、作業員がJビレッジを出発する際に線量計をわたされ、再びJビレッジに戻って来た際に用紙に記入して、口頭でも確認を行うという。この後、コンピュータに入力され、東京電力本店のサーバーに送られる。また、プラントに関わるメーカーや免震重要棟に長期滞在している作業員は、免震重要棟内で放射線管理を行っている
これらのデータは、政府がデータベースを構築し一元管理される計画になっているが、どのような法的な枠組みで実施するかなどについて、まだ詳細は検討されていないという。

現在、福島第一原発で働いている全労働者数は約5000人。東電社員が1000人で、下請け企業やプラント関係企業が4000人いるとされる。その労働者うち、4月27日現在で、200ミリシーベルト以上の放射線を浴びたのは2人、100ミリ以上200ミリ以下が28人だという。この他、女性労働者が2人、法定以上の放射線を浴びている。
 
なお、下請け作業員が、求人内容をきちんと説明されずに、福島第一原発で働かされている問題については、事業者間の問題であるとして回答は行われなかった。】

 福島原発で働く作業員の方は日々被ばくされながら作業をされているが、被ばく線量のずさんな管理や、既報のように内部被ばくの測定が、一割の方にしかされていないなど、人命軽視とも思える状態に置かれている。
 もしも作業員の方が重大被ばくをした場合でも、造血幹細胞事前採取を行えば命を救えるかも知れない。 作業員の方の命を大切に思うならば、そういう想定外にも備えなければならない。
 東京でぬくぬくとしている東京電力の経営陣、他人事のような厚生労働省の役人に、作業員の方の作業環境の改善、被ばく線量の適正管理などどうでもいいことなのか。