YOMIURIONLINEより
【 菅首相は2日午前の参院予算委員会で、中部電力が定期検査中の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3号機の運転再開を検討していることについて、「国民に安心してもらえるかどうかを見極めて判断しなければならない」と述べ、慎重に判断すべきだとの考えを示した。】
泊原発を抱える北海道の地方紙、北海道新聞も社説で再開の判断は時期尚早と述べている。
北海道新聞社説
【浜岡原発は、東海地震の想定震源域の真上にあり、最も地震の危険度が高い原発とされる。
東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故は、依然収束の見通しが立たない。余震も続いている。
東海地方はもとより、隣接する首都圏でも浜岡の安全性を危ぶむ声が高まっている状況で、中電は運転再開を急ぐべきではない。
原子力安全委員会は、原発の耐震性を含む指針見直しの検討を始めたばかりだ。
静岡県の川勝平太知事は再開に難色を示し、県内の自治体には浜岡原発自体の運転停止を求める首長もいる。中電が御前崎など地元4市と結ぶ安全協定の対象地域拡大も検討課題となっている。
防波壁の建設にも数年かかる。浜岡原発の近くには川があり、大津波が川を逆流すれば防波壁だけでは不十分との見方もある。
東海地震はいつ起きてもおかしくない。東海、東南海、南海の3連動地震も懸念されている。
何より東日本大震災の余震が収まっていない。マグニチュード(M)7級の大規模な余震が今後も起きる可能性を指摘する研究者もいる。
中電は、火力発電の代わりに3号機を動かすと、1日当たり2億円の費用が削減できるとしている。夏場の電力安定供給も重要だ。
しかし、それで投資家は納得しても、住民の理解は得られまい。経済性を優先して、さまざまなリスクの可能性に目をつぶったことが、福島の惨事の一因ではなかったか。
見切り発車は許されない。少なくとも地元の不安を解消できる津波対策を示すまで、運転再開は見合わせるべきだ。
再開には、原子力安全・保安院の審査を通る必要がある。これまでのような電力会社の希望に沿う形の出来レースでは、もはや保安院の存在意義はない。
規制の強化に踏み出す時だ。世界最悪レベルの事故で地に落ちた原子力行政への信頼を取り戻す第一歩としなければならない。】
今、急いで3号機を運転再開する理由が希薄だ。 おそらく周辺自治体などからの、浜岡原発全体への休止要請をけん制する狙いがあると見られる。
【 菅首相は2日午前の参院予算委員会で、中部電力が定期検査中の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3号機の運転再開を検討していることについて、「国民に安心してもらえるかどうかを見極めて判断しなければならない」と述べ、慎重に判断すべきだとの考えを示した。】
泊原発を抱える北海道の地方紙、北海道新聞も社説で再開の判断は時期尚早と述べている。
北海道新聞社説
【浜岡原発は、東海地震の想定震源域の真上にあり、最も地震の危険度が高い原発とされる。
東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故は、依然収束の見通しが立たない。余震も続いている。
東海地方はもとより、隣接する首都圏でも浜岡の安全性を危ぶむ声が高まっている状況で、中電は運転再開を急ぐべきではない。
原子力安全委員会は、原発の耐震性を含む指針見直しの検討を始めたばかりだ。
静岡県の川勝平太知事は再開に難色を示し、県内の自治体には浜岡原発自体の運転停止を求める首長もいる。中電が御前崎など地元4市と結ぶ安全協定の対象地域拡大も検討課題となっている。
防波壁の建設にも数年かかる。浜岡原発の近くには川があり、大津波が川を逆流すれば防波壁だけでは不十分との見方もある。
東海地震はいつ起きてもおかしくない。東海、東南海、南海の3連動地震も懸念されている。
何より東日本大震災の余震が収まっていない。マグニチュード(M)7級の大規模な余震が今後も起きる可能性を指摘する研究者もいる。
中電は、火力発電の代わりに3号機を動かすと、1日当たり2億円の費用が削減できるとしている。夏場の電力安定供給も重要だ。
しかし、それで投資家は納得しても、住民の理解は得られまい。経済性を優先して、さまざまなリスクの可能性に目をつぶったことが、福島の惨事の一因ではなかったか。
見切り発車は許されない。少なくとも地元の不安を解消できる津波対策を示すまで、運転再開は見合わせるべきだ。
再開には、原子力安全・保安院の審査を通る必要がある。これまでのような電力会社の希望に沿う形の出来レースでは、もはや保安院の存在意義はない。
規制の強化に踏み出す時だ。世界最悪レベルの事故で地に落ちた原子力行政への信頼を取り戻す第一歩としなければならない。】
今、急いで3号機を運転再開する理由が希薄だ。 おそらく周辺自治体などからの、浜岡原発全体への休止要請をけん制する狙いがあると見られる。