福島第一原発 内部映像:青山繁晴 2011.4.22
わりやすいように、音声の一部を書き起こしました。

【世界の原子力にかかわった人が、誰も認めたくない光景。

「ようこそ、こんな最前線へ」それを何度も言われるので、どうしてかな?と考えながら入って行きました。

「オールジャパン、世界中の知恵でサポートしていただきたい。
現場も見ないで現場のことを言わないで欲しい、保安院東電本店のことですよ・・」

テレビ会議用のテレビがあるんですが・・「やってらねーよ」と怒鳴った伝説が・・・現場も見ない机の上で考えてごちゃごちゃ言ってくるな、そんなに言うなら、なぜ現場に来ないんだ・・

だから、最初に「ようこそ、こんな最前線までおいでくださいました」ということを・・

アメリカが一番心配しているのは、「いま、同じような地震・津波が来たらどうするんだ、それに対する備えがないじゃないか?」
スマトラ沖地震(M9.1)を考えると、3ヵ月後にM8.6の地震があった、この災害だと6月半ばになるわけです。そのとき、どうするのか。

吉田所長の答え「つぎに同程度の地震・津波が来るというのは、致命的だと思ってます。
特に津波ですね、1・2・3号機建屋の中に非常に高い線量の廃液が海水に混じって出て行かないかが・・波を入れない対策ですから、防波堤みたいなものを造る・・〈急がないといけないんじゃないですか〉、すでに計画中で資材の調達なんかも・・」

当初から吉田所長は防波堤の必要性を提案なさっていた、ところが、現場を見ない東電本店の幹部は、土嚢を積めばいいじゃないか、保安院はいろんな了解事項・調整が必要だ・・といっていたので、「やってらねーよ」になった訳ですよ。

「現場の最高責任者として、自分が責任とるから、こちらの現状に合わせたことをやらせてくれと・・」

いま「最大の問題」は5.6号機の土壌の湧き水が、一日一㍍水位が高くなっている状況、この湧き水を海に捨てたい・・
政府は、前の汚染水放出問題があるので、海に捨てちゃいけないと(問題ないレベルなのに)、廃棄物処理法によると・・
5.6号機の水が増えるとどうなるかわからない・・この前は自分たち(東電本店・保安院)の保身で海に流しておきながら・・
一日1500人の方が働いている、現場を大事に出来る国に・・】

現場と、安全な後方にいる東電本店の幹部・保安院との温度差が、痛いほど伝わってきます。

それから映像を見て気付いたんですが、土手を10㍍位は切り取っているようです、海面からは1㍍位

の高さに原発の各施設が建てられているように見えます。

津波の高さの想定が5.5㍍だったとはとても思えません、たぶん2㍍の津波でもアウトだったでしょう。

いろんな意味で考えさせられる意義ある映像でした。青山さん、テレビ局のみなさん、ありがとうございました。

吉田所長さんはじめ、現場で作業をされているみなさん、健康に留意しながら日本のためにがんばってください。陰ながら応援しています。