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今日の文字は

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20日の「ブラタモリ」は「秘境!黒部峡谷」

お題は「黒部の絶景は電源開発の軌道にあり?」

 

今回の「ブラタモリ」は先週に引き続き「黒部峡谷」

 

北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」から50㎞

黒部ダムまでの道のりを電源開発の軌道を

観ながらの旅です。

 

そこから見えてくるのは先人たちの激闘。

 

昨日は黒部川峡谷の絶景が楽しめる

人気のトロッコ列車「黒部峡谷鉄道」で

欅平駅まで。

 

ここからは工事用ルートとして掘られたトンネルが

2024年6月に新たに一般開放される

「黒部宇奈月キャニオンルート」に。

 

ツアーに申し込めば観光客でも入れるようになります。

 

タモリさんたちは一足お先に。

いざ、トロッコ電車に。

 

このルートを入るとすぐに急勾配でもトロッコでの運搬を

可能にしたものが見えてきます。

 

500mほど進んだところにあるのは「竪坑エレベーター」

このエレベーター、トロッコをそのまま積み込めます。

 

完成は昭和14年、山の中に巨大な縦穴を掘って作られました。

50階建てのビル相当の約200mを上げることができます。

 

欅平と千人谷(ダム建築地)の標高差は260m。

残りの60mは何で行くんでしょう?

 

タモリさんたちは今から80年以上前、大型の重機もない時代に

2年かけて作られた巨大エレベーターに乗り込みます。

 

乗車時間は2分、標高800mの世界に。

白馬槍ヶ岳(標高2,903m)や天狗の頭(2,812)の頂が

眼前に見えます。

 

奥に切り立った崖は「奥鐘山の岸壁」といわれ

「国の特別名勝・特別天然記念物」に指定されています。

 

黒部川第三ダム(黒三)までは後6㎞。

ここからは今までとは違うトロッコに。

 

タモリさん「まったく工事用ですね」

 

幅も狭いです。

それはこの先のトンネルを掘るのは

黒三の建設の中でもいちばん壮絶な難工事

言われている現場だからです。

 

トロッコで進んでいくと岩盤が高熱になっている一帯が。

トンネル工事を進める中で立ちはだかった試練がこの熱さ。

 

タモリさんたちはトロッコ降りで熱さを実感。

「高熱隧道」と呼ばれる場所です。

 

タモリさんたちがいる場所は36度。

撮影当時(11月中旬)の外の気温は12~13度。

 

工事が行われていた当時は岩盤の温度は高いところで160度。

この高温地帯はおよそ500mにわたって続いています。

 

中に熱がこもり作業員の顔には60度近い熱気が。

 

どうやって掘り進めたかというと掘る作業員に対して

「かけ屋」といわれる作業員が後ろから水をホースで浴びせ

その後ろにも「かけ屋」が。

 

それとは別に水をシャワーで落としたり排気をしたり。

 

作業員は20分ごとに交代し、昼夜を問わず24時間

掘り進めたそうです。

 

そもそもなぜここに高温の岩盤があったのでしょうか。

 

ここ北アルプスの地下は太平洋プレートと

フィリピン海プレートという二つのプレートが潜り込む

世界でも珍しい場所。

大量のマグマが生み出されるポイントなんです。

 

マグマは深いところにありますが

ここは500万年前の花崗岩と100万年の花崗岩のはざま。

年代が違うと隙間ができそこが熱の通り道になります。

 

幾多の困難を乗り越え3年の歳月をかけてトンネルは完成。

 

黒三のダムは高熱隧道を抜けたすぐ先です。

橋の上から見えるのが黒三の発電所に水を運ぶために作られた

「千人谷ダム」です。

 

完成したのは太平洋戦争開戦1年前昭和15年のことでした。

当時、日本は戦争に向かう真っ只中。

 

多くの犠牲者を出した難工事でしたが「黒三」は

戦後の日本の復興を支えるために大きな役割を果たす

発電所となりました。

 

橋の下には直径4、4mの巨大鉄管が。

中には水が流れています。

 

少し歩いていくと地下200mに作られた巨大施設

黒部ダムから水を引いて発電している「黒部川第四発電所」です。

 

「黒部川第四発電所」は高度成長期に活躍した発電所。

昭和38年に完成しました。

 

黒四発電所の水車はペルトン水車。

バケット(水車の羽根)に水を当てて回転させます。

直径3,3m、重量12tの鋳物です。

 

昭和38年完成当時、その出力は水力発電で国内最大級でした。

高度経済成長期に電力がひっ迫した関西圏に安定した

電力を供給し日本経済の発展を支えました。

 

先程あった鉄管の水は黒四発電所の発電し終わった水が

流れています。

 

この水を新黒三発電所に流して再び発電

続いて「猫又」の地下にあった新黒二発電所に流し発電。

 

タモリさん「有効活用ですね」

 

安定して貯水できる黒部ダムが完成して水を最大活用し

効率よく発電できるシステムが完成しました。

 

ここからの移動は「インクライン」で

(斜面にレールを引き巻き上げ機で動く装置)

 

傾斜34度。

1分間に40m登る速さ。

あんまり速いと荷物が落ちちゃう危険があるからです。

 

インクラインは2台セットで「つるべ方式」です。

ですから途中でもう一台とのすれ違いが見られます。

 

乗ること20分、登ってきた高さは456m。

 

標高1,325mまで来ました。

 

残り10㎞は一気にバスでトンネルを走り抜けます。

 

タモリさん6年ぶりの黒部ダムへ。

黒部川電源開発、100年の道のりを進み

遂にたどり着いた絶景です。

 

初めて見る野口アナは「ものすごい迫力ですね」

 

タモリさん「人間がつくったんですよ」

 

100年の電源開発。

秘境の奥へ奥へと挑戦のあかしです。