このところいろいろあり、妻の実家がある高梁へ数回通う。夫婦で行くこともあれば、1人で往復することもあった。鳴門からだと3時間弱。遠いと言えば遠いし、近いと言えば近い。ただ、独りだと遠く感じるものだ。大体、行きは瀬戸大橋を渡り、倉敷ジャンクションで山陽道に入り岡山方面へ。そして、岡山ジャンクションから岡山道に入る。賀陽インターで降りて、山を越えると高梁市。日本全国例に漏れず、合併が続き、昔は郡で町や村だった土地も市に編入されるもので、高梁も周辺の土地を併合しているらしい。高梁市出身の有名人は多いが、葛城ユキもその1人だ。葛城ユキと言えば、中3の夏、「ボヘミアン」の大ヒットで、ハスキーボイスを披露した。無論、私も聴いていた。その後もカヴァー曲を歌ってヒット曲を出していた。こんな、ほのぼのした田舎町と葛城ユキのイメージが合わんな、と思いつつ、違うことを思い出す。


高校に合格した頃、聴いていたアルバムに「ボヘミアン」が入っていた。半年前に聴いていたあの曲なのか、と一瞬思う。全中の悔しい想い出、しかし、輝いていた長岡悠久山プールの青い空、旅館の部屋に冷蔵庫がなかったので、買い込んだもののぬるくなった300ミリのビン入りのアクエリアス。やはり、ある程度以上の青春を注ぎ込んだ夏の総決算だからこそ、想い出も多い。隣の部屋の愛媛の女の子たちとは村下孝蔵の「初恋」。同じ部屋の3人だけで熱狂した杏里の「キャッツアイ」。でも、「ボヘミアン」も外せんよな、などと僅か半年前を思い出しながらかけてみると、全く違う歌だった。


だが、その歌は染み込んできた。原曲は安田慧子さんの歌だったが、やはり、そのアルバムごと私の想い出として刻み込まれている。


「ボヘミアン」 あみん