「スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし」
(レオ・レオニ(作)、谷川俊太郎(訳)、好学社)
教科書(上)と絵本(下)とでは、絵の向きが違うんです・・・!
どうしてなのか、ご存知ですか?
- スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし/好学社
- ¥1,572
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おはなし塾あおねこ「第1回絵本講座」を、
本日開催いたしました
小学校読み聞かせボランティアの方たちを中心に、
沢山の方にご参加いただきました♪
皆さんでお好きな絵本を持ち寄って
「グループワーク」をしたり、
私が「絵本の魅力&美しい読み聞かせ方」についての講演を
させていただきました
教科書にも載っているお話を、
絵本と見比べていただきました
例えば
「スイミー -ちいさなかしこいさかなのはなし」
教科書には、この副題はついていません・・・
絵もかなりカットされてしまっていて、
様々な生き物たちとの出会い、
深海の味わいが半減してしまっています・・・。
ひとりぼっちになってしまったスイミーが出会った、
すばらしい生き物たち・・・、
にじいろのくらげ、
水中ブルドーザーみたいな いせえび、
ドロップみたいな こんぶやわかめのはやし・・・、
絵本では1ページ1ページ、
魅力あふれる絵と共に描かれているのに、
教科書ではこれらの絵がカットされてしまっているんです
これでは、「スイミー」の本当の魅力も伝わらないし、
スイミーが孤独から立ち直っていった過程も分かりずらいのでは・・・!?
と思ってしまいます
教科書に載っているお話でも、
「絵本」の方を読んであげて、
「本来の物語の素晴らしさ」を伝えてあげて欲しいと思います
しかも、教科書と絵本とでは、
絵の向きが逆なんです・・・
なぜなのでしょう・・・?
実は・・・、
絵本は「横書き」で、左から右へ物語が進んでいく。
教科書は「縦書き」で、右から左へ物語が進んでいくんです。
教科書に載せるために、
作者に絵の反転印刷をお願いしたのでしょうね。
このように、
教科書に載っているお話だからこそ、
本来の「絵本」で魅力を十分に伝えてあげて欲しい、とお伝えしたら、
皆さん、大きくうなづいておられました
他にも、
「モチモチの木」
「おおきなかぶ」も、
絵本と教科書で比較してみました!
(子供の教科書、置いておいて良かったわ~笑)
- モチモチの木 (創作絵本6)/岩崎書店
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「おおきなかぶ」は、
絵本の出版社によって、
随分と赴きも違ってくるので、
3冊の絵本を見比べていただきました!
まずは一番よく見かける、
福音館書店出版の「おおきなかぶ」- おおきなかぶ―ロシア民話(こどものとも絵本)/福音館書店
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この絵本の絵は、どのページも
「左横側から見た絵」
に統一されています。
それが、
動物がどんどん増えていく様子が、
分かりやすい構図なのだろうと思います
そして・・・。
ブロンズ新社出版のこちらの「おおきなかぶ」は・・・。
- おおきなかぶ/ブロンズ新社
- ¥1,620
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こちらに出てくる動物は、
1とうのうし、
2ひきのころりんブタ、
3びきのクロネコ、
4羽のまだらメンドリ、
5羽のガチョウ、
6羽のきいろいカナリア、
ちいさなはらぺこネズミ・・・!
最後には合計24の力が合わさるんです・・・!
絵も個性的ですし、
こういう「おおきなかぶ」の表現の仕方もあるのだと、
面白く読ませて頂きました
そして、
こぐま社出版の
「おおきなおおきな おおきなかぶ」- おおきな おおきな おおきなかぶ/こぐま社
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こちらの絵本は、
登場人物の風格・表情がとーっても個性的で、
面白い・・・!!
かぶを引っ張る様子も、
横から、
斜め上から、
遠目から、
真上から、
アップで・・・!
と、様々な構図で表現されていて、
あらゆる角度で見ることができます
出版社、訳者、画家さんなどによって、
本当にいろんな表現ができるのですね
同じ題名の、
様々な出版社の絵本を比較してみるのも
面白いですね
今日はこの他にも、
学年別のお勧め絵本をご紹介させていただいたり、
- おおきな おおきな おおきなかぶ/こぐま社
- おおきなかぶ―ロシア民話(こどものとも絵本)/福音館書店
きれいに見える読み聞かせ方をお伝えしたりしました。
お互いの小学校事情の情報交換もできたりして、
私にとっても有意義な時間となりました!
皆さん、本当にありがとうございました