令和6年7月28日
引き続きやまと2人でのゲーム会ですが、後半はこちらをプレイしています。
☆Votes For Women
○概要
作者:ToryBrown
対象年齢:12歳以上
対象人数:1-4人
標準時間:60-75分程度
アメリカ合衆国における女性参政権運動を扱い、方や議会における女性参政権の可決を目指し、方やその達成を防ぐことを目指す2つの勢力によるボードゲームです。
①ラウンドの最初に手札を補充します。
②賛成派が戦略カード獲得のコストを宣言し、反対派がそれに対して譲る、一致(同数)、獲得のいずれかを宣言します。獲得した勢力もしくは一致なら両方がコストを支払います。
③賛成派から交互にカードを1枚プレイしアクションを実行します。
④アクションにはカードをイベントとして処理するか、カードをそのまま捨て札にしてコマの数に応じて資金の獲得やキューブの配置、議席の獲得などを行います。
⑤賛成派が議席を獲得すると第19条の草案が各州に配布されます。これ以後、規定数のキューブを配置することでその州の姿勢を確定することができます。
⑥手番の前後で、州カード(既定の州にキューブを4つ置くと獲得できる)、戦略カードをフリーアクションとして使用できます。
⑦各6手番行ったところでラウンドが終了し、6ラウンドが終了するとゲームは最終投票に移ります。そもそもこの時点で第19条が配布されていなければ反対派が勝利します。
⑧ゲーム中規定数の州の姿勢を確定させるとその時点でゲーム終了となりますが、そうでなければ最終投票としてダイス判定により各州の姿勢を確定しその数によって勝者が決定されます。
〇プレイ経過
管理人が反対派、やまが賛成派でゲーム開始時の様子です。といっても最初は何もないアメリカのマップがドンっとあるだけです。一部の州においてあるトークンは州カードの獲得できる州を分かり易く表示するために配置しているものです。ちなみに、カードのアクションは英語のままですが平易なものが大半なので、うちのゲーム会としてはおそらく初となるお互いに素読みというプレイでした。
開始と同時に強力なイベントで東海岸に影響力を広げる反対派です。
しかしながら、賛成派も影響力を増やしラウンドが終わるころにはニューヨーク近郊の支配はかなり崩れています。
中部に影響力を広げる賛成派に対して、反対派は東海岸中央から南にかけては保持しつつ州カードを狙って西海岸へも影響力を広げます。
3ラウンド目も大きく状況は変わりません。
4ラウンド中に賛成派が議席を増やし、ここで第19条が各州へ送付されます。
この後は、お互い各州を確定させていく争いになりましたが、勝利に必要な州の数が反対派の倍以上ある賛成派は確定が追いつかず。
着実に反対派を増やしていき、規定数の州を反対で固めた反対派の勝利となりました。
〇評価
米国の女性参政権運動という非常に珍しいテーマを扱ったボードゲームです。
基本的にはカードドリブンで米国各州の影響力を競う「トワイライトストラグル(「自宅ゲーム会104 前半」を参照。)」のような感じになっていますが、アクションの種類は少なくカードイベントもシンプル、カードごとの連動もそれほどなくプレイ時間からも分かるように非常にプレイしやすくなっています。とはいえ、単純に影響力を増やしていけばいいというものでもなく、第19条が送付された以降に4つの影響力を配置することが州を確定させる条件なので事前にあまり多くのキューブを置いたとしても手数の無駄になるため、この辺りのバランスとタイミングというのは考えどころとなっています。ちなみに、戦略カードの獲得やコマの移動、ダイスの振り直しといったところで使用できる資金はゲームを有利に進めるための重要なリソースとなっており、このマネジメントも悩ましいですね。
また、最終ラウンドまでに決着がつかなければダイスで決選投票を行うというのは面白い試みで、影響力キューブの数だけ補正があるのでそれまでの経過が無駄にならず、ゲーム時間が短い分最後の最後にダイスで負けたとしても許容の範囲内かなと思います。
その一方で、今回カードの英文は素読みでプレイできたぐらいほとんどのイベントは議席や特定の州のキューブの増減を指示するシンプルなものとなっており、上記の通りプレイはし易いのですがイベントの面白みとしては少し弱いかなという感じです。その上、人型のコマの数が基準になっている通常のアクションが後半になると強力でほとんどのイベントよりもリソースの獲得においてもキューブの配置においても効率が良くなっています。特にキューブを配置するほとんどのイベントでは州ごとに配置制限がありますが、アクションでは制限がないためひとつの州に集中し確定に必要な条件が揃えやすくなっており、後半はアクションの応酬でやや単調さが出かねません。ついでに、前半は反対派が優勢になりやすいこともあって、第19条配布のタイミングが早いと今回のようなサドンデス展開になりやすいという印象でもう少し調整があっても良かったかもしれません。
また、序盤こそ一部の州にボーナスがあるため目標が定まりやすいのですが、州カードの確保が終わると投票においても確定においても各州に条件の差がないため、どこでも同じということになってしまい、せっかくアメリカの地図が広がっているので地政学的なところが欲しかったかな。
そんなわけで、トワスト系としてプレイし易いゲームとなっていますが、ややあっさりしすぎていてもう一歩というタイトルだったと思います。
ここで時間となり本日は終了となりました。