自宅ゲーム会492 前半 Point:203 鉄血覆山山形改 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和5年5月4日

 

 さて、ゴールデンウィーク2日目ですが、昨日に続いて本日もゲーム会です。本日は朝からちいが来て2人用のタイトルから始めます。

 

☆13DAYS

○概要

作者:AsgerHardingGranerud&DanielSkjoldPedersen

対象年齢:10歳以上

対象人数:2人

標準時間:45分程度

 

 キューバ危機で揺れる世界を舞台に東西両国が影響力を争うカードドリブンタイプのタイトルです。

 

①ラウンドの最初に配布された3枚の目標カードの対象となるエリアにタイルをひとつずつ置き、その上で1つを選択します。

②手札を配布します。

③威信がより高い勢力から手番を行い、手番になるとカードを1枚プレイし中立か自軍のカードはイベントか作戦として、相手勢力のカードは作戦としてプレイします。この時、相手勢力のカードは先に相手がイベントとして使用できます。

④作戦は、指定したエリアに影響力キューブを置くか取り除くことが出来ます。

⑤作戦やイベントで2個以上のキューブを同時に配置すると、エリアに対応するデフコンが上昇します。

⑥これらを繰り返し1枚を残してカードを使い切るとラウンドが終わります。残った1枚は避けておきゲーム終了時に使用します。

⑦公開した目標カードやエリアの影響力キューブのマジョリティ、デフコントラックによって威信を獲得します。

⑦ラウンド終了時に3つのデフコントラックのひとつでも1に到達している、全てが2になっているとその時点で敗北となります。

⑧デフコンによる敗北が発生していなければ、ゲーム終了時に未使用のカードを公開して最後の威信ボーナスをもらいその上でより威信の高い方が勝利となります。

 

〇プレイ経過

 東側を担当しゲームを開始します。手前の各マークのあるエリアがデフコントラックで、3種類のトラックの進捗が威信の獲得とともに勝敗にも影響します。

 

 最初のラウンドは目標の達成に失敗したこともあり西軍に軍配が上がります。

 

 しかしながら、2ラウンド以降はキューバ近郊と国連での影響力を地盤に終始優勢に進めることとなります。

 

 そのまま最終ラウンドまで行けそうではありましたが、最後のボーナスで負けそうだったので、西側のデフコントラック進め敗北条件を満たすよう仕込んでおいた保険が見事に成功します。デフコントラックの全てが2に到達した西側は緊張に耐えかね核戦争の口火を切ったことで東側の勝利となりました。

 

〇評価

 カードドリブンによる東西冷戦をテーマにした名作「トワイライトストラグル(「自宅ゲーム会104 前半」を参照。)」の舞台を全世界、冷戦期全体という広大な規模からキューバ危機に関する範囲に絞り、よりプレイアブルにしたのフォロワー的タイトルです。

 カードドリブンの仕組みとしては基本的にはイベントか作戦、相手方のカードは作戦のみでイベントを相手が発動と仕組みはトワストと同様ですが、作戦の用途がほぼ影響力キューブを置くか取るかだけに絞られているとシンプルになっています。その分、デフコントラックによる敗北条件がなかなかシビアかつ影響力キューブに限りがあるということもあって、一つずつ置くことでデフコン上昇を抑えたり、目標と関係ないエリアでは影響力をとることによるデフコン低下(緊張緩和)などこの辺りのマネジメントが悩ましくなっています。

 一方で、多数のエリアへ大きく影響を与えるような派手な効果を持つカードが含まれていたトワイライトストラグルに比べるとイベント効果も全体的にシンプル化、しかもデフコンのマネジメントがシビアな分イベントを発動させにくい場面も多く、トワストのカード効果の応酬という楽しさは薄れたという印象で、どちらかというとパラメータを睨んで堅実に手番を積み重ねるという感じに地味になったというところはありますね。こういうタイプであれば、発売された当時はいざ知らず「ウォーターゲート(「自宅会405 後」を参照。)」などミニマムかつバランスよくまとめられたタイトルもいくつか出ており、ややこれはというのが弱いところはありますね。

 という感じで、ゲームとしてはきちんと面白いタイトルになっていますが、テーマの差はあっても同様他種でもう少し面白いタイトルがあるのと、個人的にはどうせならトワイライトストラグルをプレイしたいという感じになるタイトルでした。

 

 

☆Point:203 鉄血覆山山形改

○概要

作者:ショーナン

対象年齢:10歳以上

対象人数:2人

標準時間:30分程度

 

 日露戦争における旅順港攻略戦において有名な激戦地、203高地の争奪に焦点を当てたウォーゲームです。

 

①ラウンドの開始時に、その時間に応じた枚数の手札とその使用順を決定します。

②1枚目を一斉に公開し、スタートプレイヤーから順にその効果を適用します。

③お互いが所有する5枚の手札は「区画の効果」「移動」「増援」「攻撃」「遊撃」があり、概ねその通りの効果ですが、遊撃はSPトークンの獲得とともに同じタイミングに出した移動と増援を無効化します。また、遊撃以外の各カードはSPトークンを使用することで強力なアクションを撃つこともできます。

④SPトークンは場から全てなくなると、所持数の多い側が差分だけ得点を受け取り一斉に場に戻ります。

⑤全ての手札を使い切ると得点計算を行います。先行するプレイヤーの得点が既定のラインを越えると時間が経過します。

⑥これらを繰り返し、先に規定点に到達するか、相手の本陣を陥落させたプレイヤーの勝利となります。

 

〇プレイ経過

 日本軍を担当しゲーム開始時の状況です。

 

 相手の移動や増援という重要なアクションを妨害し計画を狂わすことができる「遊撃」アクションを適切なタイミングで発動させてロシア軍の動きを牽制しながら順調に攻め上っていく。

 

 しかしながら、中央を押さえたあたりでロシア軍もSPトークンの活用により多数の増援を呼んで一気に戦力を充足させ反撃を狙ってきます。

 

 戦力を広く展開しており集中して攻撃を受けると危ういかとも思いましたが、敵の情報を混乱させて中央に集結させた(特定の区画を支配した上で行える区画アクションの一つ)うえでまとめて砲撃(こちらも区画アクション)により足止めを図ります。

 

 本陣の正面で半数の戦力が拘束されたロシア軍を横目に両翼から攻め上り、敵本陣に一撃を加えたところ(二撃で即勝利)で規定点に到達します。終始優勢のまま日本軍の勝利となりました。

 

〇評価

 日露戦争における旅順港攻略戦で最大の激戦地となった203高地の争奪戦に焦点を当てたウォーゲームです。といっても両軍ともほぼ対象、戦闘にはダイスは使われず、両軍の行動はカードでプロットとかなりボードゲームよりという印象はあります。

 全てのアクションをターン開始時にプロットすることになり、例えば攻撃アクションなどは一方的に攻撃できるものの相手が同じエリアにいないと不発に終わってしまうため、相手の行動を読みながら適切にプロットを組み立ていく必要があります。特に敵の移動や増援といった重要(不発に終わると計画が崩れやすい)アクションを打ち消すことのできる「遊撃」をどこに挟むのかというのは悩ましいですね。とはいえ、この点の読みあいだけでなく異なるアクションを持つ区画をどう押さえて活用しながら攻め上っていくか、この計画性も考えどころとなっています。

 また、SPトークンは貯めれば勝利点に繋がりますが、使用した場合のメリットも大きくこのマネジメントも大切です。

 大きく気になったところはありませんが、日本とソ連軍でもう少し非対称なところがあっても面白かったかもしれません。

 とはいえその辺は要望みたいなもので、ウォーゲームとしては手軽にプレイでき、お互いの行動計画を如何に読みあうかがしっかりと楽しめるタイトルになっています。

 

 

 続きます。

 

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