自宅ゲーム会487 前半 バーニングマウンテン  | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和5年4月15日

 

 さて、先週に続いて今週もちい、やま、管理人の3人でのゲーム会。いつものように午前中はちいと2人でウォーゲームのプレイです。

 

☆バーニングマウンテン

○概要

作者:AndreaBrusati

対象年齢:12歳以上

対象人数:2人

標準時間:180-240分程度

 

 第一次大戦におけるオーストリア軍によるイタリア攻勢をテーマにしたウォーゲームです。ちなみに、イタリアの軍が登場したタイトルばかりを付録ゲームとしているイタリアの雑誌パラベラムの第1号として掲載されていたタイトルです。

 

①ターンはオーストリア軍、イタリア軍の順番で手番を行います。

②手番になると増援を配置し、補給の確認、その後全軍の移動を行い戦闘を行います。

③戦闘は参戦できる部隊に制限があり、両軍とも基本は攻撃3ユニット、防御2ユニットで、オーストリアのみ所属する軍団によるボーナスがあります。

④戦闘はダイスを3つ振り、2つを戦闘結果、1つを損害判定に使用します。攻守ともに損害においては砲兵力を加算して判定することになります。

⑤損害の判定結果はステップロスではなく戦力低下でカウントされ3段階低下するとステップロスとなります。

⑥移動の際に、敵ユニットと距離を置き一定数の移動力を消費することで戦力低下を1段回復させることが出来ますが、ステップロスは回復させることが出来ません。

⑦これらを繰り返し、既定のターンが終了したところでオーストリア軍の得点を反映しその結果によって勝敗が判定されます。

 

〇プレイ経過

 攻めるオーストリア軍を担当します。最初のターンのみ戦闘時に砲兵が支援すると自動的に包囲効果も付与されるという奇襲ボーナスがつくので左翼、右翼、中央の全方面で攻勢に出ます(といっても最初のターンはオーストリア軍の戦闘から始まるので真正面を殴るか殴らないかの選択しかないのですが)。

 

 出目としては今ひとつでしたが、優勢な砲兵火力で損害を与え…

 

 続く追撃で中央と右翼は前線の突破に成功します。ただ、左翼は特に砲兵が不足しており一進一退というところで足が止まったので最初の増援をそちらへ向かわせます。

 

 さらに、順調かに見えた中央と右翼も徐々に到着するイタリア軍の増援により一旦足が止まります。ただ、左翼の後方に出現したオーストリア軍の増援がちょうどよく敵前線を挟み込める位置で、そのまま撃破。今度は左翼が前線を突破します。

 

 右翼は4ターン目に到着した増援を向かわせましたが、中央寄りと最右翼の2方向に分散したこともあり、こちらもイタリア軍と一進一退というところです。

 

 この間、要塞と強力な戦力によって進路を塞がれていた中央ですが、砲兵と歩兵の後詰も到着し一気呵成に突破、中央の都市への道が開かれます。反面、左翼にはイタリア軍が多くの増援を投入しており、ちょうどこちらの損害がかさんだタイミングでの攻撃にいくつかのユニットがステップロスしてしまいます。

 

 下手をすれば包囲に陥る危険もあり、やむなく左翼は後退し戦力の立て直しを図ります。幸い中央突破による包囲の危険から追撃はなく再度損害を立て直し仕切り直しといったところです。逆に右翼も後退し戦力の立て直しを図りたいところでしたが、こちらはイタリア軍が追撃してきたため立て直しに手間取ります。

 

 中央は都市攻略の前に左翼との接続部分に設けられていた砦を攻め落とし、その後都市の攻略にかかります。

 

 十分な戦力を揃えた攻撃で都市は一撃で陥落します。左翼は両軍ともに五分五分の戦力での衝突となり混戦模様といったところ。

 

 ただ、ここからは中央を戦線の維持と左翼後方に回り込ませる別動隊に分け、そのまま左翼で包囲網を形成することに成功します。包囲網の中で左翼側の敵戦力の半数を壊滅に追い込んだところでゲームは終了します。支配による得点は今一歩という感じでしたが、多くの戦力を撃破したこともあり、オーストリア軍の勝利となりました。

 

〇評価

 前回プレイした「決戦!!サンタンデール(「自宅会485前半」を参照」)」と同じく近代から古代までイタリアの軍が登場したタイトルばかりを付録ゲームとしているイタリアの雑誌パラベラムの第1号として掲載されていたタイトルのコンパス版になりますが、第一次世界大戦におけるオーストリア=ハンガリー軍によるイタリアへの攻勢をテーマにウォーゲームとなります。ちなみに、今回は戦場もイタリアですが雑誌自体は「イタリアの軍」が登場していればいい(という考えだと思いますが)らしく、サンタンデールの戦場はスペインですし、イタリア軍が活躍した(?)ということで第二次大戦の東部戦線におけるリトルサターン作戦を扱ったもなどもあります。

 さてそんな本作、シークエンス自体は両軍が交互に任意のユニットの移動+戦闘を行うという一般的なものとなっていますが、戦闘における損失の処理は特徴のあるものとなっています。というのも、通常のウォーゲームであれば損害=ステップロスもしくは除去というのが多いのですが、本作の場合は損害が戦力低下となっており戦力低下の段階だけ攻防の数値が減少するとともに3段階が減少することでようやくステップロスや除去が発生します。ただ、ステップロスは回復しませんが、戦力低下の段階であれば休息(敵ユニットと距離を取り移動力を消費する)により回復します。戦闘の仕組み上ある程度優勢であっても大小損害は受けていくことになり、攻勢を続けていくとどこかでステップロスのリスクが発生するためそれでも相手の損害を優勢して前に出るのか休息して仕切り直すのか、ローテーションを組むのかなどの判断は考えどころとなっています。敵対するユニットとの距離が近いと休息がとれないので自滅覚悟で単騎を敵に突っ込ませその隙に主力が回復、回復が遅れた敵へ十分に休んだ主力が襲い掛かるなどという作戦も組めそうです。

 また、砲兵については損害判定に補正を加えるというもので、砲兵を大量につぎ込むことにより前線が敗れたとしても相手へより大きな損害を強いることが可能です。とはいえ、直接戦闘能力はなくさらに移動をするとそのターンは能力を使えないということもあって、運用には注意が必要となります。

 大きく気になったというところはなく、戦力低下という仕組みをどうマネジメントして攻勢を維持するかもしくは攻勢を防いでいくか、とても面白いウォーゲームになっていると思います。

 


 後半に続きます。

 

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