自宅ゲーム会478 ワイルドキャッターズ 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和5年3月19日

 

 午前中に用事のあった本日は午後からちい、やま、久々となるしょうと管理人という4人でのゲーム会です。

 

☆ワイルドキャッターズ

○概要

作者:RolfSagel&AndréSpil

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:120分程度

 

 石油の開拓者兼投資家となって起業し、競争相手を出し抜いて世界的な石油王となることを目的としたゲームです。

 

①ラウンドの最初に各プレイヤーは労働者を獲得し、手番順に一連のアクションを選択します。

②手番の最初は場のカードから1枚を選択します。このカードはアクションを行う地域と、ボーナスを規定します。

③カードに示された地域で労働力を支払い建設を行うことが出来ます。

④地域では採掘リグが一定数あると石油を掘ることが出来ます。

⑤堀った石油は鉄道やタンカーを経由して各大陸にある製油所まで送れます。

⑥製油所に送った石油は大陸中に出荷されます。

⑦石油の採掘から出荷に至る過程は他プレイヤーからの相乗りがあったり、コストを支払い他プレイヤーの設備を使用することができます。

⑧手番の最後にカードを補充し、これを全員が繰り返すとラウンドが終了します。

⑨これらをプレイ人数に応じたラウンド繰り返し、出荷した石油によるマジョリティや建設した製油所などから得点を計算し、最も多くの得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

 

〇プレイ経過

 管理人が赤、ちいが緑、しょうが青、やまが黄で初期配置を行いゲーム開始時の様子ですが、管理人は南北アメリアへ建設を集中しています。

 

 序盤は管理人、しょう、やまが開発に注力するアメリカ大陸で盛んに採掘が進みます。

 

 しかしながら、中盤以降はロシアやアジア方面に主戦場が移っていきます。進出に出遅れメインの拠点がアメリカ大陸しかない管理人は止む無く単独での採掘等を進めましたがどうしても効率は悪く徐々に出遅れていきます。

 

 そんなこんなで7ラウンドが経過しゲームは終了で、北アメリカでは圧倒的なシェアを誇る管理人ですがその他がぱっとせず結局最下位に沈み、南米を中心に各地に手広くシェアを拡張したやまがトップという結果でした。

 

〇評価

 石油を採掘して各地へ届け世界の石油王を目指すゲームです。基本的には手番になると公開されている地域カードを1枚選択しそのエリアの中で建設や輸送を行っていきます。ゲームを通じて僅かに7手番(2-3人の場合は8手番)しかないこともあって、書かれたボーナスを含めてどの地域でアクションを行っていくかというのは非常に悩ましくなっています。

 また、メインとなるのは精製した石油を大陸中へ輸出することによるマジョリティですが、そこに至るまでは採掘リグの建設による採掘開始、採掘された原油を運ぶ輸送網の整備、整備された輸送網で運ばれた原油の精製と様々な手続きが必要となってくるのが難しいですね。というのも、各種アクションはコストが比較的高めに設定されており、毎手番受け取る労働者を使って一連の設備を単独のプレイヤーのみで構築しようとするとかなり時間がかかります。しかしながら、誰かが既に採掘した地域では新たに自分で採掘をする必要がない、同一地域からであれば他プレイヤーの輸送アクションに相乗りができる、代金を支払えば輸送網は使用することも大丈夫、出荷による株の獲得権を相手が手に入れるというデメリットはあるものの製油所も他プレイヤーのものを使えると、各要素で相乗りや委託という他プレイヤーの所有物が利用が可能となっており、そのことによるメリットデメリットを検討しながら出荷までの流れをどうマネジメントしていくかというのは考えどころとなっています。

 様々な仕組みがどうつながるかというのが初見ではかなりわかりにくいという印象で、2戦目からが本番かなというのはありますが、大きく気になったところはなく僅か7手番を使ってどう効率よくシェアの拡大を進めていくか、プレイヤー間の濃密な駆け引きがあってとても面白いタイトルになっていると思います。

 

 

☆ヴァーティゴ

○概要

作者:SylvieBarc&PhilippedesPallières&YvesFagherazzi&JuanRodriguez&PascalTrigaux&DuccioVitale

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:90分程度

 

 大国の主導者となって自国の発展を目指しますが、発展の代償として発生する環境汚染をどのように対応していくかという辺りにも焦点が当てられたタイトルです。

 

①ゲームの開始時には初期資金で人口や学者、工場を購入し配置します。

②最初に学者や、国連へ派遣した外交官等の維持費を支払い、工場に配置されていない学者を移動させます。

③コストを支払い工場の建設や改築を行うとともに、地球の汚染状況に比べ汚染が進んでいる地域では汚染を除去することが出来ます。

⑤コストを支払い人口を増加させるとともに、一定の人口がいる地域からは学者の養成が行えます。

⑥汚染源となる工場や人口の多い州ではその要因に応じた回数のダイスを振り出目に応じて汚染が進行します。

⑦汚染がすでに工場や人口コマのあるエリアまで進行するとそのエリアの全てのものは取り除かれます。

⑧ターン中に全プレイヤーの中で発生した汚染4つごとに地球規模の汚染が進み、この時は全プレイヤーの全エリアに汚染が拡大します。逆に全員の汚染が全く発生しないターンは汚染が後退し、汚染エリアが縮小します。

⑨各プレイヤーは工場や人口に応じて収入を獲得します。

⑩国連へ外交官を送り込んでいるプレイヤーは法案の提出が行え、外交官の賛成多数により可決されるとその法案の効果が発行されます。

⑪これらを繰り返し、11ターン以降のターン最初に1/2の確率でゲームが終了します。ゲーム終了時により多くの工場を建設していたプレイヤーの勝利となります。

 

〇プレイ経過

 管理人が赤、やまが黄、ちいが緑、しょうが青でゲーム開始時の様子です。各プレイヤーとも10のエリアをもつ3つの地域を所有しており、最初は全く汚染がない状況からとなります。そんなわけで、全員序盤は簡単に作れ大きな収入につながる汚染源となる工場を建設しています。

 

 管理人とやまの汚染ダイスの目が走り地球規模での汚染が瞬く間に広がります。除染設備を持つやまに比べ管理人はそういった設備を作っておらず、3ターン目にして国土の半分が汚染されています。

 

 そんな地球の未来を憂いて(?)各自が急速にクリーンな工場への転換を目指しますが、さらなる汚染により学者が生まれなくなったことで転換も急ブレーキ。そんな中でも汚染工場を稼働させていた管理人に対して残る3人が国連で結託し汚染工場は一時的に廃止となります。

 

 そのおかげで学者が生まれるレベルまで汚染が緩和しましたが、そうこうするうちにゲームも終盤戦となります。

 

 残りターン数の関係もあり、稼働までの準備が容易な汚染工場の建設が再び進み、この結果再び環境が悪化します。このままでは次ターンに世界が滅ぶかもという状況でしたが、ここでゲームは終了となります。この時点で建物の数は管理人が一歩抜き出ており、管理人の勝利という結果でした。

 

〇評価

 国家の発展とその代償としての環境汚染、それらに世界的にどう対処するのかというテーマ性のある特徴的なタイトルとなっています。

 ゲーム的には国内で人口を増やし工場を建てて収入を得ることで拡大再生産を図っていくという感じですが、少ない学者で運営ができ多くの利益が期待できる工場は汚染を生み出し国家だけでなく地球規模での環境破壊を進める反面、環境に優しい工場は多くの学者が必要になる割に汚染工場に比べると利益を生みだしません。このため、環境汚染が進んでいない状況であれば多くのプレイヤーが積極的に汚染工場の建設を推進し通常はあっという間に環境汚染が進んでいきますし、逆に環境汚染が進むと人口減から拡大のペースが下がり徐々に環境に配慮した工場の建設を推進して汚染の排除に取り組もうとするプレイヤーも出てきます。汚染工場が汚染を発生させるかというのはダイスによるところもあり、汚染のない序盤から汚染溢れる後半にかけて国家の舵をどう切っていくかというのは考えどころとなっています。

 また、もうひとつの要素として国連という組織があり、ここでは各国から派遣された外交官により法案の審議が行われます。この法案の多くは環境に配慮したプレイヤーが利益を得るもので、地球環境保全派はこの国連という仕組みを使って汚染容認派に対抗していくことが求められます。ちなみに、外交官を送り込むための下地としてある程度の資金は必要であるため、その手段としては汚染工場が有力な候補となり、結局序盤に環境配慮そっちので拡大再生産を進め国連で主導権を握ったプレイヤーが後発国家に環境保全を求めるという、どこかで聞いたような展開になるのは興味深いところかな。

 その一方で、一度配置した学者の配置転換ができない、ある程度の人口がいないと学者が生まれないというところから、環境汚染が進み学者を生み出せなくなると、環境が回復するまで途端にすることがなくなり回復までターンが過ぎるのを待つだけとなるところは気になったかな。テーマらしいといえばらしいですし、それに備えることなどはできるかもしれませんが、この辺りでもう少しすることがあってもよかったかもしれません。

 とまあ、若干気になる点はありますが、環境汚染と国家の発展の反比例構造を描いた特徴的なタイトルですが、ゲームとしては2種類の工場のどちらの建設を進めていくかとシンプルにまとめてあってなかなかめ面白いタイトルになっているともいます。

 

 

 本日は2タイトルのみでしたが時間となりましたのでここで終了となりました。

 

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